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他人に遠慮し飲み込む不満。映画「Swallow/スワロウ」

公  開:2019年
監  督:カルロ・ミラベラ・デイヴィス
上映時間:95分
ジャンル:ドラマ
見どころ:トイレ

自己啓発本も食べてしまいますメ~

氷をガリガリ食べてしまう氷食症

本来食べられないものを食べてしまう異食症

口の中から体内に取り入れるものは様々あるわけですが、消化できないようなものは、本来食べる気にはなれないものです。

ですが、極度のストレス環境にあったりしますと、人間というのは、普通では考えられない行動や欲求に駆り立てられてしまったりするから不思議です。

映画「スワロウ」は、バス用品の販売店員だった女性が、富豪の男に見初められて、何一つ不自由のない生活を手に入れた先の不幸を描いた作品となっています。

映画とかを見ていますと、自分のことのように痛いなぁ、とか、苦しそうだなぁなんて思う事があると思いますが、「スワロウ」は、グロテスクでもなんでもないにも関わらず、見ていられなくなるような、なんとも言えない気持ちになります。

「驚くようなことをしよう」と自己啓発本に書いてあったことに触発されて、ビー玉を食べるところから始まる、胃食(異色?)の物語となっています。

高額の宝くじを当てた人にありがちな話だそうですが、多くの人はその後破産しているそうです。宝くじを買い、当てたという運はあるかもしれませんが、自分自身の積み上げで作られた実力ではない幸運というのは、長続きしないものです。

「スワロウ」の主人公は、なぜ自分が富豪の奥さんになれたのか、よくわかりません。

自分のことを愛してくれている言ってくれる割に、その旦那は、自分のことを奥さんという役割でしかみておらず、主人公自身のことを対してみているようには見えないのです。

子供ができたとわかってからは、もはや、彼女の人格など関係なくなっていきます。

そして、籠の中の鳥のように扱われているうちに、なんかこれ美味しそうと、食べてはいけないものを飲み込んでいきます。

しかし、なぜか、その姿は官能的で、電池ってそんなにおいしいものだっけ?と錯覚してしまうからご注意を。

誰かに強く言われたら断れない気の弱い主人公は、なんでも不満や違和感を飲み込んできたのだと思いますが、最後の最後に、スッキリ出してしまうラストは見ものです。


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