バラガキどもは、武士になれたか。「燃えよ剣」
公 開：２０２１年
監 督： 原田 眞人
上映時間：１４８分
ジャンル：歴史/ドラマ
見どころ：源さん、突然の告白
背中に「誠」の字が書かれた、青と白の法被を着た男たち。
新選組といえば、物語のモチーフにされることの多いので、有名な人の名前は頭に入っている人も多いでしょう。
「燃えよ剣」は、土方歳三が語る形で描かれ、法被も青と白ではなく、史実に基づいているとされる黒い衣装となっています。
原作は、歴史関係の小説を読んだことがあれば知らぬ人のいない司馬遼太郎となっており、主演は、岡田准一です。
とにかく、俳優陣が豪華で、その全てがはまり役といっていいでしょう。
乱暴ものの、「バラガキ」と呼ばれた田舎の男たちが、権謀術数渦巻く京都で、治安を守る。
新選組についての大枠を学びたい人には、まず見て問題ない一品となっています。重要な事件は語られていますし、登場人物たちの軋轢も描かれています。
組織の中で、生きづらくなってしまう人間を描いてみたり、組織が大きくなるにしたがって起きてくる問題もありまして、面白いところだけ、うまくつまみ食いをさせてくれます。
本作品は、田舎の町で剣を手に取った土方歳三が、最後の最後まで、バラガキであるという描き方が、一貫していていい感じ。
その最期については、ファンタジーに寄せると「ゴールデンカムイ」みたいになったりして、夢が膨らむので個人的には好きですが、本作のラストもぜひみてもらいたいところ。
また、池田屋事件のときに、オペラが流れるあたりもたまりません。
局中法度というハラキリさせられる規則があるにも関わらず、戦いの中でかかる曲がカルメンのハバネラとなっていまして、この曲は、規律なんかよりも、あなたが好きよ、という歌だったりします。
演出が面白く、知っているはずの内容なのに、まったく、古びれない面白さで作られています。
「形がよくねぇ」
岡田純一演じる土方がたびたびいうセリフですが、実に、形がいい映画です。
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