マガジン一覧

その他の映画評

自分が書いた映画評をまとめています。もうひとつの【いいところを語る映画評】と区別しています。 よろしくお願いします。

映画感想文「ゴールド・ボーイ」 面白い!

配信レンタルで、昨年公開された邦画「ゴールド・ボーイ」を鑑賞しました。 感想を書いてみようと思います。 この作品は、展開が二転三転するクライムサスペンスものなのですが、自分が面白いと思ったのは先読みできないお話もさることながら、監督の演出なんですよね。 夏休みの沖縄が舞台なのだけど、登場人物が誰も汗をかいてない。。。 リアルで考えればあり得ないけど、それがなぜか変じゃない。不思議。 殺人が行われる血生臭いストーリーなのだけど、どこかカラッとしている。 生理的なシーンが敢え

9

アジア映画感想文2本「トワイライト・ウォリアーズ」「ヌルボムガーデン」

はい、現在公開中の映画2本をハシゴしてきました。 感想文を書こうと思います。 その日は行きつけのシネコンがサービスデーで、時間もあったので、よし2本観ちゃおうと盛り上がったのでございます。 じゃあ何を観ようかってことなのだけど、タイムテーブルの都合もあったけど、アイキャッチの「トワイライトウォリアーズ 決戦!九龍城砦」を観るのが原初の目的だったから、「ここはいっちょアジアに染まろう」ってことで、もう1本は韓国ホラー「ヌルボムガーデン」をチョイスしました。 お付き合いいただけ

10

映画感想文「パストライブス/再会」 時代は進み、良くなっているーー

映画「パストライブス/再会」を配信で鑑賞しました。 感想を書いてみようと思います。 ※ネタバレあります。この年末年始に見ようと思ってらっしゃる方はお気をつけくださいませ。 まあのっけから強烈にネタバレしてしまうと、この作品は一言で言うと、初恋の相手と巡り巡って結ばれないという映画。 こんな風に書いてしまうと身もふたもなさすぎて申し訳ないのだけど、ストーリー上を簡単に表すとそうなってしまう。 ただ、それだけの映画ではないんですよね。 初恋相手との別離を描いているのだけど、

23

映画感想文「ラストマイル」 エンタメ度高し!

現在公開中の映画「ラストマイル」を観てきました。 感想を書いてみようと思います。 この作品の公開日8月23日。で、今は師走。 ロングラン公演、おめでとうございます。 評判の良さは聞いていたので(職場の同僚も面白いと)、機会あったら観たいなあ〜と思いつつ、他の作品を見てました。。。すみません。。。 なので、今回念願叶った形で鑑賞してきました。 *ネタバレはないと思いますが、気になる方は退避してくださいませ。 監督 塚原あゆ子 脚本 野木亜紀子 ブラックフライデー前夜、世界

41
もっとみる

ここまで皆勤賞!「鎌倉殿の13人」を見る理由は何だろう?

2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想を書いています。 不定期連載ですが、よろしくお願いします。

(12/27)皆勤賞達成!振り返り「鎌倉殿の13人」

無事最終回を迎えたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。 48話全てを鑑賞しました。 というわけで、振り返ってみようと思います。 ※自分の振り返りと兼ねています。お付き合いいただけると幸いです。 自分の振り返り自分は今年(2022年)の1月からnoteを始めました。 ただ、最初は「何を書こうかしらん?果たして続くのかしらん?」って感じで、更新頻度も1カ月に1度か2度。。。 「あらら、このまま自然消滅するかも。ま、でもそれはそれで仕方ないな」と考えていたのですが、映画好きと

10

(12/21)ま、政子ぉぉぉぉぉ!「鎌倉殿の13人」最終回

さてさて、今年(2022年)も残すところ、あと10日。 そろそろここかしこに年末感が出てきましたね。 というわけで、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が18日に最終回を迎えました。 感想を書いてみようと思います。 義時ぃぃぃぃぃ! まずは主人公・義時について。 のえさんの思い、義村の思い、泰時の思い、政子の思い。 最終回は各人の想いが吐露されたのだけど、義時は全部受け止めました。 そういう意味で最後(最期)まで、ちゃんと主人公の役割を全うした。 ランキング記事でも書いたのだ

6

(12/13)最終回の前だけどツッコむよ!「鎌倉殿の13人」

12月も半ばになりました。 今年(2022年)もあと2週間ちょっとかあ。 とはいうものの、まだクリスマスもあるし、振り返るのは少し早いかな。 冬は寒いし日照時間も短いから不得手だけど(植物みたいだな)、冬には冬の楽しみがありますよね。 まずは冬を楽しまないと、うっしっし。 鍋おいしいですよね。 本題に入ります。 一昨日のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・第47回を観ました。 感想を書いてみようと思います。 喜劇作家としてのドラマ展開 タイトルに書いたように、来週はい

14

(12/6)尼将軍が誕生しても皆勤賞!「鎌倉殿の13人」

早いもので師走になりました。 皆様いかがお過ごしですか? もう12月かあ。 いやはや1年があっという間だ。 まずいな。。。 いや、落ち着いて考えればまずいことは何もないのに、こう思うのは何でだろう??? 12月4日の「鎌倉殿の13人」・第46回を観ました。 で、感想を書いてみようと思います。 ※写真はたまたま行ったショッピングモールで撮りました。 優しい回でした ついに政子が「尼将軍」を名乗りました。 「尼将軍」って勝手におっかないイメージを抱いてたけど、まったく

8
もっとみる

書評

自分が書いた小説の書評をまとめています。ミステリーやSFが多いです。 不定期連載ですがよろしくお願いします。

映画「テネット」観ました(あと本の紹介も)

「TENET テネット」を配信で鑑賞しました。 で、感想を書いてみようと思います。 「テネット」の鑑賞は2度目です。 1度目はロードショー中に、映画館で観ました(2年前)。 自分はSF好きなのですが、夏になると「SFにひたりたい」という欲求が入道雲のようにむくむくと湧いてきます。 なんかいい作品ないかなあと探していたのですが、SFといえば「テネット」だ!ということで、再度鑑賞しました。 ※映画感想の後に、SF小説の紹介があります。 よろしければ、そちらも併せてお付き合い

11

【書評】宮部みゆき「火車」 「証拠写真」は「思い出写真」にならなかった…

自宅の本棚をごそごそと探っていたところ、この「火車」が目に入ったので、もう一度読んでみました。 で、感想を書いてみようと思います。 著者・宮部みゆきさんの代表作であり、社会派ミステリーの傑作と名高い本作ですが、もう30年前(1992年発売)の作品なのですね。。。 ということで、簡単なあらすじです。 「火車」のいいところ この「火車」はいいところがいっぱいあります。 箇条書きで挙げてみます。 ・主人公の本間は「休職中の刑事」という、ちょっとひねった設定。 ・その設定の

10

【書評】江戸川乱歩「孤島の鬼」 「影のラブストーリー」に涙する

江戸川乱歩の「孤島の鬼」(1930年発表)は、前半は推理小説であり、後半は冒険小説であり、全体を通してラブストーリーであり、そして、とてつもなく切ない。 個人的には江戸川乱歩の最高傑作だと思っています。 と、最初に言いたいことを全部言ってしまいました。。。 というのも自分はこの作品が大好きで、この作品の魅力をどうにかして伝えたいと思うのですが、好きすぎてどこから書いていいか分からない状態です。 好きすぎると作品との距離が縮まりすぎて、どこが美点なのか分からなくなっちゃいま

12

書評「モルグ街の殺人」

著者:エドガー・アラン・ポー 1841年発表 短編 「モルグ街の殺人」を読みました。で、感想を書いてみようと思います。 先日、書店をふらふらしていると、この小説が目に入りました。 実はこの小説、ミステリー界では結構有名な本なのです。 なぜなら「世界初の推理小説」と言われているからです。 自分は「中の上」くらいのミステリー好きで、これまで古今東西のミステリー小説を読んできました。 この作品の存在は知っていましたが、そういえば読んだことがない。。。 推理小説のオリジンなわけ

13
もっとみる

いいところを語る映画評

自分が書いた【いいところを語る映画評】をまとめています。その名の通り、いいところを書いています。 よろしくお願いします。

【いいところを語る映画評】「渚のシンドバッド」 これは、隠れた名作!

「渚のシンドバッド」を配信で鑑賞しました。 で、感想を書いてみようと思います。 ※ピンクレディーの曲ではありません。サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」とも違います。映画感想文です。 気を取り直して、1995年の邦画で、監督は橋口亮輔氏。 ちなみに、濱口監督(「ドライブ・マイ・カー」)とは違います。 見出しにも書きましたが、とってもいい作品だと思います。 隠れた?名作です。(みなさん、知ってました?) 自分は、橋口作品は「恋人たち」と「ぐるりのこと」は観たこと

17

【いいところを語る映画評】「朝が来る」 良作、対比のその先には

「朝が来る」を配信で鑑賞しました。 で、感想を書いてみようと思います。 2年前の作品です。まずは情報をどうぞ。 社会派✖️ミステリー✖️作家性 ひとことで言って、とてもいい作品だと思いました。 もっと話題になっていい作品じゃないかなあ。 (自分が知らないだけで、話題になっていたのか?) いいところを箇条書きであげてみますね。 ①不妊治療、特別養子縁組、中学生の出産など重量感のある社会派の題材を、きちんと重さを測って描いている。 ただ必要以上に重く描いてないし、もちろ

6

【いいところを語る映画評】「ベイビー・ブローカー」 命の祝福、是枝流エンタメです

現在公開中の「ベイビー・ブローカー」を映画館で鑑賞しました。 で、ネタバレしない程度(公開中ですしね)に感想を書いてみようと思います。 ※画像は映画館にあった看板パネルです。 はじめに まずは簡単な情報です。 監督・脚本・編集 是枝裕和 韓国 出演 ソン・ガンホ(カンヌの男優賞受賞。おめでとうございます!)    ぺ・ドゥナ(「グエムル」とか「空気人形」とか)    カン・ドンウォン(かっこよかった)    イ・ジウン(別名IUさん。シンガーソングライター)    イ・

18

【いいところを語る映画評】「(ハル)」 フロッピーディスク!

「(ハル)」を配信で鑑賞しました。 で、感想を書いてみようと思います。 26年前の邦画です。情報をどうぞ。 「文字表現」で男女のすれ違い あらすじにもあるように、メールのやりとりが「パソコン通信」と呼ばれていた時代のお話です。 「パソコン通信」、、、古式ゆかしい表現ですね。でも嫌いじゃないです。 まずこの映画の大きな特徴としては、「タイピングされた文字画面」が多く出てくることです。 当時としては、かなりチャレンジングな手法だったのではと思います。 自分も最初は驚きま

7
もっとみる