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オープンザドアァァァ---!中国王朝の『ラストエンペラー』

京都支部の白木です。
最近とても暑くなってきましたね…外へ出る機会が少なくなってる今、もともと低かった体力がさらに低下し、毎日疲れで昼寝をしないと生きていけない体質になってしましました、笑。

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突然ですが「愛新覚羅溥儀」という人物をご存知でしょうか?
私はこの人物について、中国王朝最後の皇帝であることしか知りませんでした。今回溥儀の一生を描いた、『ラストエンペラー』を鑑賞して、それだけにとどまらず日本とも関係が深い人物で、激動の時代を生きた人物であるということを学びました。

紫禁城での生活

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溥儀はわずか3歳で皇帝になり、紫禁城で暮らすことになります。こんなにも幼いころから皇帝として、手厚い世話・指導を受けることができる、恵まれた環境で育った溥儀ですが、実の母親とは離れて暮らし、死を看取ることもできず、また紫禁城生活で一番信頼を置いていた乳母との最後の別れの際に会うことも許されなかったのです。孤独だなぁ…。固く閉ざされた紫禁城の門の前で「オープンザドアァァァ」と叫ぶシーンは、外の世界を知りたくても、出ることを許されない溥儀の切実な願いであったことを知り、このセリフに重みを感じました。

この溥儀が皇帝時代に過ごした紫禁城での映画撮影は、基本的に禁止されているそうなのですが、この作品では特別に許可が下りたようです。しかし紫禁城の床にカメラの脚を置くことは許されなかったので、カメラを肩に固定して撮影を行ったと知りました。紫禁城での戴冠式のシーンはとても彩が豊かで印象的でした。カメラを肩に固定しての撮影だったため、所々画面がユラユラしているような、していないような…笑

ジョン・ローン演じる溥儀

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大人時代の溥儀は香港出身のジョン・ローンという俳優が演じています。私はこの映画を観てる間、この俳優さんは林遣都と藤原竜也を足して2で割った顔みたいだなぁと思ってました、笑。イケメンです。笑。

ジョン・ローンの演技がとてもよかったです。
紫禁城「内」で皇帝として過ごす溥儀、北京政変で溥儀に対するクーデターにより紫禁城「外」へ追い出される溥儀、満州国で再び皇帝となる溥儀、戦犯として収容所で尋問を受ける溥儀、また収容所から出所したあとの溥儀、と様々な時代の溥儀を演じています。

婚約相手に欧州へ留学することが夢だと語っていた溥儀が、皇帝という立場から退くことを命じられ、満州国の皇帝として返り咲こうとするも、戦後、戦犯だとみなされ、収容所に送られるという…。なんと過酷な運命なんだろうと思いました。いろいろな時代の溥儀を見事に演じ分けているジョン・ローンがすごいと思いました。

日本との関係が深い溥儀

私は溥儀という人物が、日本とも関係が深い人物であるということを、この映画で初めて知りました…。

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↑坂本龍一が甘粕役で出演しています。

北京政変により皇帝ではなくなった溥儀は、満州国の皇帝として返り咲くことを目標にしました。「自分はまだ皇帝としてやっていける!!!」と決意を固めるのです。しかし世は第2次世界大戦の真っ只中。日本は溥儀を皇帝にし、満州国を統治するために利用したのです。皇帝として返り咲くと決意を固め、皇帝になったのに、実際には名ばかりのもので、皇帝としての権威などこれっぽっちもなかったのです…。自分の思い描いていた状況と違う…と突き付けられる溥儀がとても不甲斐なく見えました、泣。

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日本に利用されていたと気づいたころには、アヘンに毒された妻にも愛想を尽かされ、浮気されます。仲間だと思っていた人たちがどんどん自分から遠ざかっていく…溥儀は幼少期からずっと「孤独」な人だなと、この場面で改めて思いました。

感動のラストシーン

満州国の皇帝となったことが、日本の味方になったとみなされ、溥儀は中国の収容所へと戦犯として送られます。ここで自分の過去を告白し、出所へと至ります。出所したころには世の中は自分の生きていた頃と激変しており、共産主義万歳の国家になっていたのです。毛沢東を崇める一団が街を通り過ぎるシーンが印象的でした。

幼少期から、こんなにも激動の時代を過ごした人物が、最終的には庭師になるというのには驚きました。またこんなに変化が激しい人物の一生を3時間の映画にまとめるなんて…すごい!と思いました。

私は最後のシーンで不覚にも涙を流しました。詳しく述べるとネタバレになってしまうので言いませんが、とにかく溥儀の表情をみて泣いてしまいました…。孤独な一生を過ごした溥儀が最後に帰ってくるのは、やっぱりここなんだなと、感動しました。泣



この映画によって私の知的欲求が刺激されたので、この時代の歴史について、もう少し掘り下げて調べてみようと思いました!
みて良かったなと思える作品なので、ぜひみてみてください! ( 白 )



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