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語り尽くされているであろうことをあえてもう一度『ファンタスティックMr.FOX』

どうもこんにちは。映画チア部の(いの)こと井上です。

本日、5/1はかの有名な映画監督、ウェス・アンダーソン51歳の誕生日!Happy Birthday Wes Anderson!

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ということで、私の大好きな作品と彼の新作映画情報についてご紹介したいと思います。

ウェス・アンダーソン作品の魅力

ウェス・アンダーソンといえば、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)をはじめとするお洒落で色彩豊かな映画を作るアメリカ人監督。まるで絵本の中に迷いかんだかのような、人形遊びをしているかのようなファンシーな世界観が魅力です。

彼の作品の特徴のひとつはオーウェン・ウィルソンを筆頭とした常連キャストたち。(大学時代からの盟友らしいです。『ナイトミュージアム』シリーズのカウボーイ役で有名ですね。)その他にも『ゴーストバスターズ』主役のビル・マーレイ、『ナルニア国物語 ライオンと魔女』で氷の女王を演じたティルダ・スウィントンなど豪華俳優たちが名を連ねます。

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彼の新作が発表されるたび、次はどんなキャラクターなんだろう?とワクワクさせてくれるキャストたち。スクリーンの前で久しぶりに友達に会ったような、そんな気分にさせてくれます。

制作ファミリーとして有名なもの……宮藤官九郎ドラマ作品に度々出演する劇団・大人計画メンバーを思い出します。映像作品ではないですが、手塚治虫のスターシステムとか。1人の人物を色々な角度から楽しめる、オタク心をくすぐるような粋な計らい。映画館で思わずニヤニヤしてしまいます。

それからウェス・アンダーソンの特徴がそのカメラワーク。彼自身が自分の作品の特徴としてシンメトリーへのこだわりを語っているほど。緻密なセットから生み出される印象的なシーンたちは、どこを切り取っても彼らしさに溢れています。

ファンタスティックMr.FOX

そんな彼の作品の中での私のお気に入りは『ファンタスティックMr.FOX』です。森で暮らすMr.フォックスが仲間たちと一緒にプライドをかけ、人間と闘う物語。ウェス・アンダーソン初の全編ストップモーションの人形アニメです。構想10年。制作期間2年。全カット数125280。ものすごい熱量と根気によって作られた超大作です。

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原作はロアルド・ダールの「すばらしき父さんキツネ」。ロアルド・ダールといえば「チャーリーとチョコレート工場」じゃないでしょうか。彼の作品は愉快痛快ぶっとび具合がおもしろいですよね。チャーミングなクエンティン・ブレイクの挿絵も欠かせません。

この映画、いつものキャスト陣に加え、スタッフ陣も超豪華。脚本『マリッジストーリー』のノア・バームバック、音楽『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』(近日日本公開予定)のアレクサンドル・デプラ。人形の方も、『ナイトメア・ビフォアクリスマス』のヘンリー・セリックが途中まで関わっていたとかなんとか…さらにはジョージ・クルーニーなんかを交えたアフレコも、自然の中で行う徹底ぶり(ウェス・アンダーソンは完璧主義なんでしょうか…?)

理想とは遠い状況から何を見出すか

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物語に話題を戻しましょう。昔はスポーツマンでそれなりのワルだったMr.フォックスですが、結婚を機に家庭をもち、こぢんまりとした質素な生活を送っています。しっかり者の美しい妻。かわいい一人息子。それなりの仕事。しかし、何かが物足りない…

一方、Mr.フォックスの息子・アッシュも多感な年頃を迎え、いとこ・クリストファソンの存在に毎日イライラしています。個人的にこの映画最大の魅力はなんといっても彼でしょう!おちびでちょっと変わった彼の、ツンツンしている姿が愛おしくてたまりません。だっていとこのクリストファソンは天然のイケメンでスマートで素直な爽やかな男の子。しかも年下。しかもモテる!!!わかるよ、アッシュ。理由もなくぶん殴ってやりたくなるその気持ち……(笑)

Mr.フォックスの理想は若い頃のようにワイルドでイケてるオス狐であること。アッシュの理想はクリストファソンのような大衆受けするかっこよさを持っていること。思い描いた理想の自分にはなれなくても、挑戦と失敗を重ねて、そこから何を見出すのか。この映画は彼らが、人間との格闘を通して、ありのままの自分を認め、ロマンを追い求めていく過程を描いた物語なのです。

新作「The French Dispatch」

各国の文化への愛を示してきたウェス・アンダーソン。新作はフランスに拠点をおくアメリカ人ジャーナリストが自分の雑誌を作る物語だそう。で、2020年7月公開予定でした。コロナウイルスの影響によって延期が決定してますが…(涙)

いつもの常連キャストに加え、ティモシー・シャラメ、フランシス・マクドーマンド、マチュー・アマルリック、レア・セドゥなど過去最高と言っても過言ではないほどのキラキラ豪華なキャスト陣。個人的にはフランス人俳優がいるのも嬉しいところ。期待せずにはいられません……!


映画チア部京都支部 井上


※ちなみに記事冒頭のジュースを飲んでるカットですが、アッシュが風変わりなことを表すために他の動物たちはリンゴ味を飲んでる中、彼だけぶどう味を飲んでるという設定らしいです。あ〜、こういうところ…



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