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映画『空白』は人間関係に悩める人にとって、教科書のような作品かもしれません。※後半の感想はネタバレです

こんにちは!映画チア部の(かず)です。
今回の映画の紹介は、9月23日公開の『空白』です。

試写会にて観賞したのですが、感想を書きたくて公開日に合わせた記事になっています!色々と考えさせられる映画でとても良かったです!

後半の感想はネタバレになっているので注意して下さい。

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あらすじ

漁師の添田充(古田新太)は、中学生の娘の花音(伊藤蒼)と二人で生活していました。充はいつも怒っていて、周りの人が近づき難い性格でした。充がそんな性格なので、もちろん花音とは会話ができない関係でした。また、花音は充にやりたいことを一方的に禁止され、当然「携帯電話」や「化粧」も禁止されていました。

そんなある日、花音がスーパーでマニキュアを万引きしようとしてたところを、店長の青柳直人(松坂桃李)に捕まります。しかし、花音はスーパーから逃げ出し、青柳は逃げる彼女を追いかけます。追いかける途中で花音は交通事故で亡くなってしまいます。

娘が亡くなった当初の充は、「自分の娘は化粧をしないので万引きをするはずがない」と思っていました。なので、娘が死んだのは追いかけた青柳、万引きした原因は学校のいじめだと決めつけ、周囲を追い詰めていきます。

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『空白』は人間関係で悩める人への教科書のよう

この映画は人と人の関わり方で、本当に大切なことを教えてくれる作品だと思います。このことは、タイトルの『空白』の意味を考えながら是非観て欲しいです。

私も自分で見つけた『空白』の意味によって、鑑賞後数日経った今でも悩まされています。そして、その悩みが解決する頃には人付き合いが上手くいくような気がしています。

だからこそ、この映画は人間関係に悩める人にとっての教科書なのかもしれません。

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□感想(ネタバレ)

1)表面だけの情報で物事を決めている

ワイドショーの情報では、取材した内容を番組にとって都合の良いように編集し、草加部麻子(寺島しのぶ)は、青柳直人(松坂桃李)とボランティアで失敗が多い子に対する接し方が真逆であったし、学校の先生(趣里)も花音の事情を考えずに作業が遅いことで注意していた。
このことは、人は自分で得た情報で相手のことを判断しやすいことを表しているように思います。相手のことを深く知ろうとすれば時間が掛かることも原因だと思います。しかし、表面だけの情報で相手のことを決めつけてしまっては、相手に貼ったレッテル以外が見えなくなってしまうようにも思います。私達が考えている他人のことは、表面だけしか見えていないような気がします。このことは人付き合いについて考えさせられるものであります。

2)添田充の想像が作り上げた『花音』

花音は化粧品を万引きしようとして青柳に捕まるが、充にとっての花音は化粧をまったくしないので、「化粧品を盗むわけがない」と思い込んでいました。この添田充が作り上げた『花音』は、自分の理想の娘であったように思います。このことによって、私自身も普段の人付き合いで、相手のことを理解しているつもりでいただけに気付かされました。付き合う相手がどんな人なのかを考えると、自分にとって都合の良い部分しか見るようにしてないかもしれません。それは充と同じなのかもしれません。

3)自分なりに『空白』の意味を考えた

タイトル『空白』は、友人や恋人や家族の見えない部分のことだと映画を観て考えました。そして、その見えない部分を私達は見ようとしていないのかもしれません。映画で充は、自分の気に入らないことに対し、真剣に向き合おうとせずに怒鳴ったり、交通事故の加害者の謝罪を相手にもせず自殺に追い込んだり、花音が万引きした原因を学校のいじめだと決めつけるなど、目の前の相手に真剣に向き合うことをしませんでした。これは、結局自分のことで一杯であったからかもしれないと考えます。自分に余裕がないので、当然相手と向き合う余裕が生まれません。自分から見た相手の『空白』を埋めるには、自分に余裕を持つ必要があるような気がしました。

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映画『空白』は多くの人の心を動かすような作品だと思います。
是非、劇場でご覧下さい!


兵庫での公開劇場です。
各劇場の上映時間はHPをご覧ください。



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