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花のように生きる

映画「マグノリアの花たち」

昨晩、東京は台風のような大雨で、雨音と稲妻の光に眠れず、それならばと、たくましい女性がたくさん登場する「マグノリアの花たち」を夜更けに見ました。
よくドラマは「日常の中の非日常を描く」といわれますが、これはそのお手本みたいな作品。
主な登場人物はルイジアナ州の小さな町に住む、ごく平凡な女性ばかり。マリンは専業主婦、マリンの娘シェルビーは保育士、トゥルーヴィーは美容師、アネルはトゥルーヴィーのアシスタント、クレリーは元町長の未亡人、ウィザーは本人いわくお金持ちのバツ2?。以上6名がトゥルーヴィーの美容室に集まって施術中にチャットするのが主なシーン。改めて見ると、美容室のシーンがやけに多く感じたのですが、元々は同名の人気ブロードウェイ戯曲を映像化しているので、柱が固定されているのだと思われます。

ごく普通のどこにでもいるような女性ばかりですが、例えば、ファーストシーンは、仕事を探しているアネルにとってトゥルーヴィーの美容室に就職の面接にいくという人生の転機で、マリンにとっては娘シェルビーの結婚式という人生の一大行事の様子で始まります。このあと、マリンには孫が生まれたり、その孫の誕生のために重大な決断をしたりという非日常が起こるのですが、ここにはシェルビーに持病があるという一つのカセが大きく働きます。ただこうした日常に起きる非日常な出来事を、私たちの日常がそうであるように、家庭やみんなの集まるお店の中で、それぞれのキャラクターらしいセリフや行動によって展開されていくのがスゴイです。派手さはないけれど、見る人を喜ばせる、まさにマグノリア(モクレン)の花のようですね。

なんだか80年代っぽいのは1989年公開だから

原題は「Steel Magnolias」。外見は花のように可愛いが、中身は鉄のように頑丈、転じて「芯の通っている人」という意味のフレーズです。
タイトルどおり、6人は全員、芯の通ったしっかり者。わたしは、文句を言いながらもオーバーオールを着て、農地でトマトを栽培して美容室でみんなに配り、配ったトマトの上にうっかり座ってしまうシャーリー・マクレーン演じるウィザーと、フラッシュダンスみたいな髪形とファッションのドリー・パートン演じるトゥルーヴィーがツボでした。もちろん、「別世界からのメッセージ」をまだ見てないけれど、サリー・フィールドも昔から大ファンです。


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