猫が家族
映画「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」
「吾輩は猫である」とか「いつか猫になる日まで」とか、すごく好きなのですが、いままで猫と暮らしたことはなく、いつか一度、猫と暮らす日々を送りたいなと思っています。
この映画の主人公、ルイス・ウェインはとても孤独な人です。
家族には母親と5人の妹がいるのですが、長男の彼に生活のすべてがかかっています。女6人に囲まれる男って、それはそれは、大変です。
イラストを描くのが得意なので「イラストレイテッド・ロンドン・ニュース」に挿絵を納めて、家族を養います。時代は19世紀末。まだ新聞や雑誌を飾るのは写真ではなくイラストだったのです。
妹の家庭教師だった女性と恋におちたルイスは、実家を出て、最愛の女性と郊外で暮らします。ある日、新居に子猫が迷い込んできて、二人は子猫を招き入れ、ピーターと名付けて、飼うことになりました。
ルイスは、擬人化した猫のイラストを描き始めます。
この映画を見るまで知らなかったのですが、当時のイギリスでは、ペットの主流は犬で、猫は「そのへんにいる動物」だったようです。極端にいえばネズミと同等といいますか……。日本でもそうだったのでしょうか。生類憐みの令も、犬ですしね。でも、クレオパトラは猫を抱いていたような?1世紀以上経た現在も、誰でも知っているほど有名なルイス・ウェインがイラストレーターとして、とても不遇だったことも意外でした。
わたしが観に行った映画館では、ところどころにルイス・ウェインのイラストを用いた装飾がされていました。
ルイスは、家の庭にたまたまピーターが迷い込んできて、最愛の妻がピーターを可愛がったことから、猫との暮らしが始まりました。わたしにも、そんなふうに、猫と出会える日がやってくる日を楽しみに待ちたいと思います。