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伝えるとは何かを教えてくれた映画「コーダ」


人として生きていると、何かを伝えなきゃいけない場面が多くあると思います。

でも伝えたい相手が耳が聞こえなかったらどうでしょう?そんな相手に自分の気持ちをどう伝えますか?

言葉が通じなかったらどうですかね?言葉が通じない相手とどう友達になりますか?

実は耳が聞こえない家族に音楽というものをわかってもらうために四苦八苦したとある少女を描いた映画があります。

それは「コーダ あいのうた」という映画です。今回はその「コーダ あいのうた」を紐解き、伝えるとは何なのかを考えていきたいと思います。

※ここからは「コーダ あいのうた」に関するネタバレを含みます。ご注意ください。

歌が好きな女の子と声の聞こえない家族


皆さんは音楽は好きですか?僕は大好きです。中学の頃は親から貰ったiPodに入っていたThe Rolling Stonesと Queenを聞いておりかなり好きでした。(ガーディアンズオブギャラクシーのピーターみたいですね)

そして「コーダ あいのうた」には歌うのが大好きな主人公のルビーが登場します。彼女は片思いのマイルスと同じ合唱部に入り、その音楽の才能を開花させます。

ルビーは音楽大学に通いたいと思うようになります。もちろん音大に通うならお金とか親の許可とか色々大変かと思います。(僕も芸大に通っていました)

しかしルビー家族全員が耳が聞こえない上に、健聴者のルビーがいないと家業の漁業も出来ない状況です。

そのため家族は家業を手伝って欲しいと思っています(兄以外は)。では彼女はどうすれば家族に大学の進学認めてもらえるのでしょうか?

この映画の凄いところは段階的に、耳の聞こえない家族にルビーが音楽の素晴らしさを伝えていくシーンが3回もあります。

まずはそこについて紐解いていきたいと思います。ルビーはどうするのでしょうか。

相手の立場に立って対話するルビー


まず耳が聞こえない相手に、音楽を伝えるということはほぼ無理かと思います。

音楽はリズムとメロディーが調和して出来るもので、空気が振動して音となり、音楽として聞こえるわけです。

でも耳が聞こえないとそれが分からないんですよね。でも一応方法はない事はないです。

1番最初に家族がルビーの歌の素晴らしさに気づくのは無音のコンサート。しかし聞こえないながらも周りの反応を見て楽しんでるような感じでした。

このタイミングでルビーの歌う音楽に初めて父親が興味を持つんですよね。

そしてルビーの父は冒頭に音は聞こえないが車全体の振動で音楽を楽しんでるシーンがありますよね?

そう、「振動」が家族に音楽を伝える1つの方法として表現されています。ルビーの父親だけですが、ルビーの喉を押さえて音楽というものを手で感じるシーンは良かったですね。

またルビーは「手話」が使えます。普段の会話は手話を使い、家族全員と会話していましたよね。クライマックスではルビーは手話と歌を合わせた技で家族に音楽というものを楽しんでもらいます。

これはルビーは相手に合わせて話し方を変えてるといえるのではないでしょうか?友達やマイルスには声で、家族には手話で、そして父親に音楽を伝えるのは喉の振動で、これはコミュニケーションにおいても大切なことですよね。

誰かに物事を伝えるのは相手の立場に立つということが大事になります。それを上手く活用するのがルビーなんですね。

家族の尊さを描いたコーダの魅力

「コーダ あいのうた」の映画としての魅力は家族との対話から見える家族という存在の尊さなんですよね。

父親、母親、そして兄(兄の彼女)もルビーを想う気持ちが見えるシーンがあったかと思います。

もちろん家業の漁業、そして社会的テーマとして描かれている「漁業組合」が絡んできたりして、ルビーは自分のやりたい音楽と家族を天秤にかけて悩みます。

キャラクターがルビーに対してどう思っているかを意識してみると、よりこの作品を楽しめるのではないでしょうか?

そんな「コーダ あいのうた」は現在今年1番おすすめの映画として押したい作品です!これからも色々と語りたいなと思います。作品の何もかもが愛おしい映画です。

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