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「卒業」鑑賞記録

2日前くらいでしょうか。ふと思い立って「卒業」を観ました。

この映画を初めて観たのはたしか高校生の時かな。言葉では表現しきれないくらいとにかく好きになった映画のひとつなのですが、当時の友達には「卒業」大好き!とは言えなかったので心の中にその思いは秘めていました… どんな映画なの?という質問に対して、好きな人のお母さんと不倫するくだりを話した時の場の空気の凍り付き方を想像して…

もちろんそのくだりも見せ場だし、それが物語のキーポイントでもあるわけですが、それ以上にラストシーンの二人の表情が忘れられなんいですよね。

ストーリーのおおまかな流れとしては、優秀な大学生のベンジャミンは家族ぐるみの付き合いがあるロビンソン夫人と流されに流され不倫関係に。しかし、ロビンソン夫妻の娘エレインと出会い、恋に落ちてしまう。

有名な映画なのでもうこっからネタバレでいきます。

エレインは母とベンジャミンの関係を知り、軽蔑し、避けるようになるが、ベンジャミンはエレインへの想いを募らせる。ある日、エレインが結婚すると知り、ベンジャミンは結婚式会場へ乗り込み、阻止しようとする。

クライマックスの、式会場でベンジャミンが2階のガラス越しにエレインの名前を大声で呼び、こぶしをガラスに叩きつけてるシーンは一度観たらなかなか忘れられないのではないかと思います。そして2人は手に手を取って引き留めようとする人々の合間を縫って式会場を抜け出し、運良くやってきたバスに乗り込むんです…

式会場の入り口を十字架でふさいで、ベンジャミンがエレインのドレスの裾を持ち走り去るシーンは絵になる美しさとドラマがあります~

この結末、ハッピーエンドなんですけど、でも私はどうしても色々なこの先の困難の方が気になっちゃったりもしたんですよね… だから、バスに乗り込んだ2人の幸せと少しの不安と決意に満ちたような表情が忘れられない。

そして音楽がよりその悲劇的な要素を呼び起こしているような… サイモン&ガーファンクルのThe Sound of Silenceが一番最初と一番最後に流れてくるのが溜まらんのですよ… 2度目以降、映画を観る時にしょっぱなから「ああ~」ってなる感じを狙ってるんでしょうか。

あと水。今回観てて水の表現が本当に美しいなと思いました。でも多分美しいだけではなく、大事なメッセ―ジも込められてそうです。水槽、プール、雨なんかのシーンは特に印象的です。潜水服のシーンの閉塞感、両親の行動、水面下からのアングル、水中にただ突っ立ているショット。そういうもの全てが言葉にならないベンジャミンの気持ちや状況を表しているような気がしました。

何度観ても良い映画っていうのはやっぱりあるもんですね。映画を何度も観たい気持ちと、新しい映画を観たいという気持ち、両方のせめぎあいがあります… なんにせよ時間が足りない、処理能力が追いつかない…

あとどうでもいいですけど、私のお父さんは純日本人ですが、ダスティン・ホフマンにめっちゃ似てます。「卒業」を観るきっかけになったのもダスティン・ホフマンが出てるから、くらいの理由だったような気がします。

ある意味、父親に感謝しないと。父の日近いし、プレゼントと一緒にそんな話でもしてみようかな。手紙の中なら何でも書けるような気がする。

ダスティン・ホフマンの出演映画のDVDでもあげようかしら…

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