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【Movensys Dialogues #02】最先端技術を開発!国際プロジェクトチーム~AMR(自律走行ロボット)で広がる未来~

Movensys Dialogues#02
対談を通じて、色々な角度からモベンシスを深掘り。

第二弾のテーマは、「国際プロジェクト:AMR」です!
2023年に米国マサチューセッツ工科大学発のスタートアップ企業Skylla Technologies Inc.​を買収し、現在注目のAMR分野に事業を拡大しました。近年、物流業界をはじめ、様々な分野で急速に注目を集めている自律走行ロボット(AMR)。実用化に向けて世界中で取り組みが加速しています。今回、日米モベンシスで推進している国際的なAMRプロジェクトについて、ソフトウエアエンジニアのお二人にお話を聞きました。

モベンシスでは、各国の拠点間でのコミュニケーションを促進するため、英文ニックネームで呼び合っています。本対談も英文ニックネームでお届けします!


ロボット工学の世界的権威が創業のSkylla Technologies

Alain
KotaはSkylla Technologiesの創業時代の立役者ですよね?
創業の経緯について教えてもらえますか?

Kota
Skylla Technologiesは、モベンシス同様、MIT発のスタートアップ企業です。ロボット工学や制御理論の世界的権威である浅田春比古MIT教授による「人の動きや流れの予測の研究」と「ロボットを動かす研究」を、工場など様々な環境に適用させることを目的に創業されました。事業のメインは、AMR(Autonomous Mobile Robotの略称)です。日本では自律走行搬送ロボット・協働型搬送ロボットなどと呼ばれていますが、いわゆる搬送業務を行うロボットですね。

Alain
実は、僕がモベンシスに入社したきっかけは、AMRなんです。転職活動中にモベンシスがAMR事業を展開する企業を買収したことを知って応募しました。AMRという言葉自体、最近よく耳にするようになりましたよね。

Kota
そうですね。ちなみにSkyllaでは人やフォークリフト、他社のAMR動作を予測しながらよりスムーズに動くJetstreamというAMRコントローラソフトが作られています。AMRやモバイルマニピュレータは、複雑な環境で素早く正確な活動を行わなければならないためです。モバイルマニピュレータに関しては、0.3mmの位置制御が可能です。DMG森精機様をはじめ、マシンツール、半導体、EコマースなどのアプリケーションにSkyllaのJetstreamコントローラが採用されています

入社後すぐにボストン出張へ

Alain
私は入社後、上司と面談していく中で一番興味があるLinuxを中心としたAMRの開発業務に携わることになったのですが、業務を進めていくうちに、もっと学んで来いということで、ボストンへの出張が決まりました(笑)

Kota:実際、Skyllaオフィスに来た2週間はいかがでしたか?また日本に戻ってから、どのように過ごしていますか?

Alain
出張での一番の収穫はSkyllaのラボに行き、コンセプトから技術的なところまで、全体的なレクチャーを受けたことでしょうか。また、出張期間中に毎日AMRのエンジニアとFace to Faceで会話できたことも収穫の一つです。帰国後もKotaをはじめ、エンジニアのみなさんとはチャット等を用いて良いコミュニケーションが続いています。また現在、日本ではいくつかのAMRプロジェクトが動いています。その中で技術的な課題や、お客様の要望をどのように実現するかを日頃から社内で議論し、AMRの技術、業界の知識を深めています

ボストン出張時の写真

AMRで広がる未来の物流と製造

Kota
日本のAMR市場はとてもホットです。中でもDMG森精機様では、加工機やマシンツールのワークとツール交換を行うWH-AMR5という商品を作っているのですが、SkyllaのJetstreamがそのビークルとアーム制御ソフトとして使われており、各国の工場で活用されています
また、あるメーカー様とは、複数台制御を実現するプロジェクトにも取り組んでおり、物流システムの一部としてJetstreamを載せたAMRを開発しており、複数台制御は100台のロボットを同時に動かすことができます。Alainの入社後は、私がボストンにいても、日本のプロジェクトを日本で繋いでくれているのでとても助かっています。

Alain
日本以外のプロジェクトもぜひ教えてください!

Kota
そうですね。例えば、半導体工場に使われるAMRを作るメーカー様とのプロジェクトはどうでしょう。Skylla NovaというJetstreamとモベンシスWMX3のモーションコントローラを組み合わせたものを開発したのですが、実際にプロジェクトに採用されました。Skylla Novaを組み込むことで、従来4台必要であったIPCを1台に絞ることが可能となりました

Alain
その他にもまだまだ開発中の技術がありますよね?人間中心(Human-centric)のナビゲーションや、フリートマネジメントについても教えていただけますか?

Kota
人間中心のナビゲーションとは、人の動きを予測し、人にわかりやすい動作をするAMRのナビゲーションのことを示します。AIと画像処理技術を使い、人に近い動きを実現できます。もちろん、施設内のルールを守りながら動きます。今後は人の表情や目線も見ながら動くことも考えて開発研究していますフリートマネジメントとは複数台制御のことです。Jetstreamは100台のAMRまで対応していて、その動作はグリッドだけではなく、複雑な工場のレイアウトでも使用できます。

言語や専門領域が違っても

Alain
Skyllaチームは多国籍で、日本、台湾、中国、韓国といったアジア市場の開拓が中心とお聞きしましたが、今後どのようにプロジェクトを進めていくのでしょうか?

Kota
Jetstreamはボストン中心で開発されていますが、エンジニアは全米だけではなく、各国に滞在しています。モベンシスと共にプロジェクトに取り組むことにより、AMRを専門とするエンジニアたちが、日本、韓国、中国などのお客様の近くで、より多く接する機会を得られます。お客様のユースケースや使用環境を見学し学ぶことができるエンジニアからのフィードバックにより、AMR制御ソフトの開発研究にとって貴重な情報が得られます。現場でのサポートや共同開発ができることは大きな発展です。

Alain
私も日本をけん引できるくらい、もっと学んでいきたいです! AMRの領域はナビゲーションのソフトウエアだけでなく、産業用PC、画像処理、車体、多関節ロボット、LiDARセンサなど様々な領域で専門性が求められますが、それら課題をどのように克服すればいいと思いますか?

Kota
SkyllaにはAMRの動作、センサ処理、複数台制御、ハードのドライバなど様々な開発を専門とするエンジニアがいます。開発に際しては、お互いの専門について学び、理解し合わなければなりません。私は、エンジニアたちが情報共有と共同開発がしやすい環境づくりを心掛けています

大都会のラボで最先端技術に触れる

Alain
今後、日本でもプロジェクトが進めば、もっと人を増やす必要があると思いますが、仕事のやりがいや楽しさについてKota自身はどのように考えていますか?

Kota
AMRやロボットの面白さは、様々な技術を使い、組み合わせて、より大きなことができるようになることだと思っています。私自身、その知識を広めることに興味を感じたため、ロボットやAMRに携わっています。各分野をつなぎ合わせるためには、常に学ぶことと、新しいものを比較しうまく適応させることが重要だと思っています。

専門性を磨き、チームワークで仕事ができる仲間と仕事をしたい

Alain
AMRはこれからまさに事業展開されるべき分野ですね。今後どういった人と一緒に仕事をしていきたいですか?

Kota
先端技術の面白みが分かる人や、日本はもちろん、世界中にインパクトを広めたいと思える人と仕事をしていきたいですね。今後はAMRを工場内で実用化できることを目標に、工場の現場やお客様から出てくる課題を理解し、より優れた技術を作り続けていきたいです。

Alain
モベンシスグループ全体の経営理念もまさに「絶え間なき技術革新により、社会の変革に貢献する」ですが、Skyllaもモベンシスグループの一員として、今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか?

Kota
AMRはビークルだけではなく、工場の他の機械とうまく接続しないといけない世界に進化しています。それを可能にするシステムづくりを行っていきたいということ。それ以外に、AMRの立ち上げをより単純にできるよう進め、AMRの知識の無い人でもAMRを簡単に作り上げることができる形にしていく必要があると考えます。より複雑で刻々と変わるような環境でも問題なくAMRを動かせるように常に挑戦し、社会の変革に貢献していきたいと考えています