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松橋力蔵について調べてみた


2021シーズンが終わった翌日、2022シーズンのアルビレックス新潟で指揮を執る新監督が発表された。 

その名は松橋力蔵。今季からトップチームのコーチを務めており、内部昇格という形で来季の新監督に白羽の矢が立った。

とは言っても誰?と思う人もいれば、コーチとしては知っていても実際にどんな人なの?と思う人もいるはず。そこで彼について興味本位で調べてみた事をここに書き記していきたい。

①どんな人物?

多分ここを見れば大体分かる。どんな人生を歩んできたのか、そもそも何故サッカーに巡り会ったのか?

簡潔に言うとマリノスの人間だ。選手としても指導者としても長い年月を過ごしてきた。
少し違うかもしれないけど、新潟にとっての片渕さん(現:サガン鳥栖ヘッドコーチ)がマリノスにとっての松橋監督だと思ってもらえればいいと思う。片渕さんも鳥栖の新監督として名前が挙がっていたり(※ソース:サカダイ)と順調にキャリアを歩んでいるようで何より。

人間的な事に言及すると、とにかく人柄がよく人望が厚い。長年現場で取材を続けてきたサッカージャーナリスト達もこのように彼を評している。


またマリノスユースからは多数の教え子がJリーガーとなり、中にはマリノスのトップチームに定着して活躍する選手や海外移籍を果たす選手を輩出するなど豊富な育成実績を持つ松橋監督。そんな彼の教え子達にもこのように慕われているようだ。


※天野選手=天野純、水沼選手=水沼宏太。両選手とも現在もマリノスで活躍中

就任発表当日のモバアルZではその人柄の良さにも触れられているなど、監督就任に当たっては人間性も高く評価された事が伺える。


オレンジブルーの新指揮官は優しさと厳しさをバランスよく兼ね備えた熱血漢である。


②何故新潟に来たの?

マリノスの番記者である藤井雅彦氏が責任編集を務めるwebマガジン・「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」。松橋監督のマリノス退団時に寄せられた記事の中にその経緯や本人の意向が記載されていた。

松橋力蔵トップチームコーチが退任。マリノスユースからJリーグで活躍する水沼宏太や天野純、喜田拓也、高野遼などの選手のほとんどは松橋コーチの教え子。松橋力蔵のこれからに幸あれ松橋力蔵トップチームコーチが退任。マリノスユースからJリーグで活躍する水沼宏太や天野純、喜田拓也、高野遼などの選手のほとんどは松橋コーチの教え子。松橋力蔵のこれからに幸あれ | 「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン マリノスは13日、松橋力蔵トップチームコーチ(52)が退任することを発表した。松橋コーチは2021シーズンからJ2・アルビ www.targma.jp

当然有料記事なので具体的な中身を紹介する事は出来ないが、松橋監督自身が思い描く将来的なキャリア形成とアルビレックス新潟の需要が合致した上での新潟スタッフ入閣に繋がったとみて間違いなさそう。

更に日刊スポーツによると

>松橋コーチをよく知る関係者は「昔からボールポゼッションを好み、スペインのサッカーに興味があった。ここ(新潟)に来たのはアルベルト監督の影響もあったようだ。あとを継ぐのは大変だと思うけど頑張ってほしい」と、その手腕発揮に期待していた。

常にボールと共にプレーするスペインサッカー、その権化として君臨するFCバルセロナの育成年代で指導者として確かな実績を残したアルベルト・プッチ・オルトネダ。彼が指揮を執り、良き理解者達がそれを支えるアルビレックス新潟は松橋監督の理想とするものを1番近くで学ぶ事ができる。そんなチームの将来的な監督候補として見込まれた上でオファーが来たら…首を横に降るのは難しいだろう。

そもそもマリノスほぼ一筋の男が何故新潟の地に辿り着いたのか。そこには寺川能人強化部長の存在が大きいとされる。現役時代を新潟で長く過ごしていた寺川氏だが実はプロデビューをマリノスで果たしていたのだ。そしてそこでチームメイトだったのが松橋力蔵である。

(色々あって)強化部長に就く前は強化部門スカウト担当として現在もトップチームで活躍する三戸瞬介など育成年代から有望な人材をリクルートしてきた。そこで育成年代の試合を視察する際に、同様の現場でマリノスユース監督として活躍していたかつてのチームメイトとの交流が続いていたと推測する。

実際にどのような繋がり・経緯があって今季のコーチ、そして来季の新監督就任に至ったのか。それは両者が出席する新監督就任会見(12/7)で明らかになるだろう。

余談だが、かつてのキャプテンであり現在は水戸ホーリーホックの監督を務める秋葉忠宏氏に古巣新潟がオファーしたという噂があった。

実際はアルベルが続投オファーを断ったのは11月17日、秋葉監督の続投発表がその前日にあったため恐らく新潟では無いことが分かる。東京Vとか? 

③どんなサッカーをするの?

新潟の方針・そして本人がスペイン風なフットボールを志向するとなると、基本的には今季のスタイルを踏襲した「ポジショナルプレーを軸としながらボールを支配してゴールに迫る」フットボールが展開されるだろう。


その上で

来シーズンを戦ううえで、積み上げたスタイルに、勝利に固執する姿勢を加えていきたいと考えています。一緒に戦う選手たちもさまざまな経験を持っているので、選手たちの個の力も引き出しながら、負けは断固として受け入れられない意思で戦っていきます。 

という就任発表時のコメント。J2を勝ち抜いてくために必要な要素を少しずつ加えていくと予想する。緻密に練られたセットプレーや展開に応じた柔軟性のあるゲームプラン。勝利から逆算されたプレーも植え付けていくのだろうか。この辺りも明日の会見で明らかになるだろう。


④新潟の選手との関わり

2021シーズン所属した選手では星雄次が松橋監督の教え子に当たる。マリノスのスクール・ジュニアユース・ユースで育ってきた星は(確か)その全カテゴリーで来季の新監督の薫陶を受けていた。

更にヴェルディの育成機関出身というイメージが強い高木善朗だが入団前はマリノスのスクールに通っており、そこでコーチを務めていたのがこれまた松橋監督である。 

2人で行ったインスタライブでは松橋監督への印象や思い出を語り合っていた。

とくに後者は去就が注目されており、松橋氏の就任を受けてどのような判断を下すのだろうか、或いはもう決断しているのか…?

更に直接的な関係ではないが、高宇洋・矢村健(市立船橋高校)、長谷川巧(新潟ユース)はプリンスリーグで松橋監督率いるマリノスユースと対戦した経験があるはずだ。

⑤力蔵チルドレン×アルビレックス…?

松橋氏の就任で彼を慕っているであろう力蔵チルドレンの集結に期待が集まっている。

特に2016・2017年にそれぞれトップチーム昇格を果たし、現在は期限付き移籍先で猛威を振るう吉尾海夏(町田ゼルビア)山田康太(モンテディオ山形)は魅力的な人材だろう。

お互いマリノス復帰という選択肢を持つと同時にJ1から声が掛かってもおかしくないほど、現在の所属先で確固たる地位を築いている。普通に考えたら彼らを引き抜くのは難しいところだが、松橋監督の人望と明確なプレーモデルが植え付けられた新潟という環境を踏まえて判断してくれたら…

他にも手薄な左サイドバックには現在磐田に所属するマリノスユース→日本体育大学を経てマリノスに帰還した高野遼がいたり、先日G大阪を契約満了になった2010年昇格の小野裕二は先程紹介した新潟所属の力蔵チルドレン2人と(確か)同期である。

地味に注目しているのが東京Vの佐藤優平。2015年にマリノスから期限付き移籍で新潟に加入したこともある佐藤だが、松橋氏とは2006.2007年にユースで選手とコーチの関係にある。今季でヴェルディ4年目でありそろそろ契約が切れてもおかしくない頃。ヴェルディ自体も来季から城福体制になることが有力視されるなど、区切りとしては良いタイミングである。

現チームをベースに考えるなら善朗の所にすんなりハマりそうな選手。なんでもこなせる天才型MFなだけに、プレーエリアをある程度限定させてやるべき事を整理させるなど松橋監督が矯正を加えれば、その才能を存分に発揮してくれるはずだ。何よりキッカーとして期待できるところが良い。ロメロ同様に再加入なるか...?


⑥最後に

トップチーム監督初挑戦にしてアルベルの後任という難解なミッションを引き受けてくれた松橋監督。拙い文章ではあったが、1人でも多くの方々が松橋アルビを全力で支えていこうという気持ちに繋がれば幸いである。