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愛用カメラを振り返る 第三回 ~EOS 7D(歴史編)~

↑前回の記事です。

第一回(記事はこちら)で言っていた「あるカメラ」がCanon EOS 7Dだった、というわけです。

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前回は公式サイトからの引用画像でしたが、せっかく実機が家にあるし…と思い写真を撮りました。下手くそですいません。にしても年季が入ってますね…

・Canon EOS 7Dというカメラ

Canon EOS 7D(以下「7D」)が発売されたのは、2009年10月。発売当時のキヤノンのラインナップは、だいたい以下のような感じ。

ラインナップ

(参考文献:キヤノンカメラミュージアム カメラ館)

ターゲット層と製品名を整理するとこんな感じになります。
プロ向け:EOS-1D MarkⅢ、EOS-1Ds MarkⅢ(共に2007年発売)
ハイアマチュア向け:EOS 5D MarkⅡ(2008年発売)
アマチュア向け:EOS 40D(2007年発売)、 EOS 50D(2008年発売)
エントリーモデル:EOS Kiss X2(2008年2月発売)、EOS Kiss F(2008年6月発売)、EOS Kiss X3(2009年4月発売)

見て分かる通り、ラインナップの表記に太字と細字がありますね。これはミスではありません。これらにはれっきとした違いがあり、この違いこそが7Dを産んだ、といってもいいような気さえします。

これらの違いはズバリセンサーサイズです。

太字:センサーサイズが「35mmフルサイズ」(または「APS-H」)
細字:センサーサイズが「APS-C」

そう、当時は「ハイアマチュア向け」の「APS-Cセンサー」モデルがなかったということになります。にしても、改めて愛用カメラを調べると新たな発見があるものですね…

・センサーサイズとは?

センサーサイズというのは、その名の通りカメラのイメージセンサー(撮像素子)の大きさのことです。フィルム(35mm判)と同じサイズのものを「35mmフルサイズ」または単に「フルサイズ」と呼び、これより小さいものの代表例に「APS-C」や「マイクロフォーサーズ」がある、という感じです。

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(画像出典:Canonが教える写真のコト カメラ初心者教室)

センサーが大きいほど高画質でボケがきれいだったりするため、プロ向けやハイアマチュア向けの機種はフルサイズであることが多いです。(上のラインナップからもその傾向が見て取れるかと思います。)

その反面、価格が高かったり、本体が大きく重くなる傾向にあるため、ファミリー層や趣味で写真を撮る程度のアマチュア向け製品には、APS-Cセンサーが搭載されることが多いです。

(APS-Hというのもイメージサイズの一つですが、いまは普及率が上の二つほどではないので触れません。大きさはAPS-Cとフルサイズの間です。搭載機種が出ていないことはないのですが…)

・ニーズにうまく応えたカメラ、7D

話を元に戻します。

7D発売当時のAPS-Cサイズ機の最上位は、40Dや50Dなどのいわゆる二桁機が担っていた、ということになります。この二桁機は、当時のユーザーから「APS-C機としての」支持は得ていたようですが、最上位機種としては少し物足りなく思われていたようです。

これまで最上位を担っていたEOS 50DをはじめとするEOS二桁機は、突出したところこそないものの、そつのないスペックや操作性、デジタル一眼レフカメラとしては比較的手頃な価格であることなどから多くのユーザーから長年支持されている。
ライバルのD300S/D300にくらべると、AFやAEなどの機能やカメラとしての作り込みにやや物足りなさを感じ得なかったのも正直なところ。機能の出し惜しみなどといわれることが多いのも否めなかった。

出典:【新製品レビュー】キヤノンEOS 7D “1桁型番”を名乗る高性能ミドルクラス- デジカメWatch

文中のD300S/D300はニコンのAPS-C機モデルです。こちらも当時のAPS-C最上位機としてラインナップされていました。

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どちらも最上位機としての評価をものにしていたようで、なかでもD300は「TIPA ベスト エキスパートデジタル一眼レフカメラ 2008」という賞を受賞しています。

D300SもD300をブラッシュアップさせたモデルだったようなので、ほぼ同一視していいでしょう。とにかく、ライバルメーカーであるニコンのAPS-C最上位機と並べると、キヤノンの二桁機は「え、これで最上位機かぁ…ちょっと物足りないなあ」と感じられていたのが容易に想像できます。

ここは私自身の憶測ですが、二桁機はあくまでアマチュア向け機なのに対し、D300はハイアマチュア向け機、つまり当時のキヤノンでいうところの5D系統と肩を並べるべき存在だったのだと思います。これでは歯が立ちません。同じ土俵に立っていないのですから当たり前です。

そんな中、「1D/1Ds」、「5D」系に続く新たな"一桁台"を冠し、堂々「ハイアマチュア向け」の「APS-Cセンサー搭載」最上位機を新たに担うことになったのが、7Dだったんですね。

・余談

先ほどの太字と細字を分けたアレをみたとき、「逆は?」と思った方もいるでしょう。「アマチュア向けフルサイズは?」と。
この空いたポジションを担うのが、EOS 6Dシリーズです。

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初代が2012年11月に発売、後継機の6D MarkⅡが2017年8月に発売されています。友人が初代を所有していたので使わせてもらったことがありますが、確かに使い勝手が良かったというか、アマチュア向けならではの「直感的に操作できる」感じが好印象でした。

記事のメインである7Dにも後継機が出ています。「EOS 7D MarkⅡ」です。

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この記事(や次回以降)を見てもし仮にも「7Dってどんなカメラなんだろう?」と気になったりした場合、初代もいいですが基本的にはMarkⅡをお勧めします。電器屋等で試写した限りでは、初代の正統なアップグレード版だという印象を受けたため、7Dを知ると同時にいいカメラとの出会いにもつながるだろう、という理由です。

・次回以降

本記事が意外と長くなったので、7D誕生の背景まででいったん区切ります。次回、これまで撮ってきた写真を上げたりなんかして7Dの話は終わりにする予定です…(まだやるんかい!というツッコミはご容赦を…)

その先はどのカメラを掘り下げようかな…


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