ぶらり都内散歩

3月30日~4月1日の間、職場から冬休みをもらった。しかしながら、僕は特に旅行を趣味にしている訳でもなく、連日引きこもることが全く苦でないため、何の予定も立てなかった。
しかも30・31日はセンバツ高校野球の準決勝・決勝の日でもあり、テレビの前から一歩も動くことはなかった。だから1日中家にいても暇することはなかった。
ただ、一歩も外に出ないというのはいかがなものかと思い、とりあえず出かけることにした。

4月1日の金曜日。以前Twitterで流れてきて見かけた、ルフィとコナンの2ショットが描かれている大きな垂れ幕を見に行こうと思い散歩に出かけた。調べてみると、どうやら神保町の三省堂書店本店に掛けられているようだった。
一人暮らしのところからはそこそこ遠そうだったので、電車と徒歩で行くことにした(実は神保町には一度も行ったことがなかったので、遠いのか近いのかすら知らなかった。田舎の出身で東京の地理が全然分からない)。
乗り換えアプリで調べると、最寄駅から人形町、そこから水天宮前に乗り換えで神保町駅に行ける。だが乗り換えが面倒に思えてしまったので、乗り換えのタイミングで駅を出てそこから徒歩で目的地まで散歩することにした。

ということで、人形町駅で途中下車。そこから目的地までスマホの地図をお供に散歩を始めた。
歩き始めてすぐ、田舎者魂を発揮してしまった。とにかく高層ビルが多いことに改めて気付き、空を見上げキョロキョロしてしまった。
だが同時に、空が狭い。広い交差点や大通りなんかは当然開けているので狭さは感じないが、大通りの横断歩道を渡り切った後のビルが並ぶ通りは、見上げてもビルで、空が狭い。
せっかく鬱屈した心を解放しようと散歩をしても、見上げた先がこうも狭いと逆に気が滅入りそうになる。だからと言ってどうにもできないけど。

せっかくだから写真でも撮りながら散歩しようか、そう思いスマホの地図アプリとカメラアプリをちょくちょく切り替えながら散歩した。
街中に結構神社があることに驚いた。日本ってそこまで神社信仰強い国だっけ?と思ったのだが、刹那、考えを改めた。強くなかったら毎年初詣であんなに混まないだろうな。
いや、もしかしたら関係ないのかもしれない。個人的な意見だが、初詣に「詣で」としての意味合いが、初詣の行列の人々にどこまであるのかは不明で(勿論心から詣でている人もいるが)、初詣は最早毎年の通例行事と化しているのではないだろうか。

話もルートも逸れてしまったが、そういったプチ驚きもカメラロールに収めながらの散歩は、空の狭さに目を瞑れば、かなりリフレッシュになった。道路沿いの植木に「アオダモ」のプレートを見かけたときには、思わず立ち止まってしまった。
野球好きが思わず見てしまうワード、それが「アオダモ」。アオダモの木は、バットに求められる素材としては最適な材質だが、それ故に多く求められる。
求められれば木を伐採してバットの材料にするため、伐採と成長のスピードが合わず不足してしまっているのだ。いわゆる“需要と供給の不一致”、“超過需要”みたいな状況である。

またまた逸れてしまったが、神保町の目的地へは思ったよりも時間をかけずに到着した。そして目的のルフィ×コナンの2ショットも見つけ、スマホをかざした。
しかしここで、ちょっとした誤算が生じた。
スマホをかざし、2~3枚撮ったところで満足してしまった。特にカメラが趣味というわけではないので、光の入り方が云々とか角度云々とか、そういったこだわりが全くない。
要は「写真に全景が収まればいい」というような写真でよくて、芸術点は一切求めず、普遍的な写真が撮れればもう満足してしまう。すぐにその日の目的が終わってしまった。

さて、どうしよう。お昼を食べて電車に乗って、散歩をして、まだ午後2時前。このまま家に直帰はあまりにも寂しい。もうちょっとぶらり都内散歩を続けたいが、どこに行こうか迷った。
ふと、日向坂(ひゅうがざか)が頭に浮かんだ。前日、配信で日向坂46(ひなたざか)のライブを見た影響だろうか。
日向坂(ひゅうがざか)は港区にある坂道で、日向坂46(ひなたざか)の命名の元となった坂道。いわゆる聖地巡礼的に行ってみようと思った。

神保町をあとにし、新たな目的を坂の名前と由来が記された看板の写真撮影に設定し、港区まで徒歩で向かった。
向かう途中で、「おれもいっぱしのオタクになったもんだな~」なんて呑気に考えてながら散歩していた。

日向坂(ひゅうがざか)に到着して、思わず目を見張った。
そこには、前日のライブからの熱が冷めやらぬ「おひさま」たちの写真を撮る行列が出来ていた。
その日は写真を撮るのを諦めた。目的を達することなく、帰宅した。

「日向坂(ひゅうがざか)」の写真を撮ることは出来たのか。
「ぶらり都内散歩~港区-中央区編~」に続く。

#休日のすごし方
#一度は行きたいあの場所

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