【レポート #59】長野県・白馬村長選挙レポート(2022 7.10)
「白馬」といったら、なんといってもウインタースポーツの聖地! 長野オリンピック! スキージャンプ団体!! なんてのを思い出す人は、もうアラフォー以上なのでしょうが(汗)、時は移ろい四半世紀近く経過した現在は、新型コロナの影響をモロに受けて大変な状況になっています。
そんな中で行われる、新人同士の一騎打ち。 観光業で華々しい経歴を誇る人物か、前回のリベンジに燃える元村議か、果たして村民の決断は? そしてその勝負を分けた、意外だけど決定的なものを、レポートします。
◆概要
面積:189.3㎢(長野県 第22位) 長野県北西部に位置する北安曇郡に属し、小谷村、長野市、大町市、小川村、富山県黒部市、朝日町、新潟県糸魚川市と接する
人口:8,416人(長野県 第41位)※2022年7月1日現在 スキーシーズンとなる毎年1~3月には9千人を超えていたが新型コロナの影響で冬季の人口増加も伸び悩み9千人台を割り込むようになった
1998年の長野オリンピックでスキージャンプが行われた白馬ジャンプ競技場に、スキー滑降、スーパー大回転が行われた八方尾根スキー場などがある
2014年11月、白馬村のほぼ直下を震源地とする長野県神城断層地震(最大震度6弱)が発生。 観測データでは白馬村は最大震度5強となっているが、一部の地域では震度5強よりも強い揺れがあったとみられており、神城地区などでは死者こそ出なかったものの木造家屋の多くが倒壊するなどの大きな被害が出た。
スキーブームが去った影響で90年代以降低迷していたが、韓国やオーストラリアなどの観光客を積極的に誘致し、北隣の小谷村、南隣の大町市を含む「ハクババレー」の2019~2020シーズンの外国人来場者数は約37万人までになったが、新型コロナの影響で2020~2021シーズンは約4万人と9割減まで落ち込んだ
衆議院選挙区は長野2区に属し、
◆立候補者
◆前回(2018年)の選挙結果
篠崎候補は前回も村長選に立候補しているのですが、その時は現職に敗れています。 やはり “2期目を狙う現職” は強いです。 篠崎候補は前回のリベンジを果たすべく立候補。 しかも相手は新人。 チャンス到来です。
◆POINT① 2期8年務めた現職が勇退
3月定例議会にて下川正剛村長(76)が勇退を表明。
下川村長は2014年の村長選で現職を僅か3票差で破り当選。 2018年の村長選は前述の通り篠崎候補を破っていますが、高齢だからでしょうか、2期でスパッと身を引きました。
下川村長の8年間は、概要にも書きましたが当選した年に長野県神城断層地震が発生し村に大きな被害が出たためその対応に追われ、それで一期目がほぼほぼ終わってしまったようですが二期目になると新しい取り組みを打ち出していきます。
2018年12月にKDDIと「地域活性化」を目的とする協定を締結しました。 まず外国人を含む観光客のために、スキー場情報や観光ガイド、クーポンにアクティビティの予約、シャトルバスの接近情報までも見られるアプリを開発し提供。 更にモバイルバッテリーの提供サービスや、5Gを使った除雪車の実証実験をしたりしています。
(※ 現在の進捗は、調べてみましたが分かりませんでした・・・)
また、環境に配慮したEV車を無料でシェア(8月~11月)出来るようにして、VW(フォルクスワーゲン)のE-Golfやトヨタのコムス(一人乗りミニEV車)を借りれるようにしました。 ウインターシーズンの観光が主産業の白馬村において地球温暖化は死活問題で、且つ供給電源を水力発電から取るコトでCO2フリーで利用するコトが出来るようです。
このように先進的な施策を率先して取り組んでいた下川村政ですが、やはり新型コロナによる影響は概要に書いた通り大きく、観光業を始めとする村の振興のため、新村長にかかる期待は大きいものがあります。
◆POINT② 「コロナ禍」が実は好影響を生んでいる
概要で「新型コロナの影響でウインターシーズンの観光客が減った」と書きましたが、一方で国土交通省が3月に発表した公示地価によると住宅地(プラス16・8%)・商業地(プラス5・2%)ともに白馬村が長野県内トップとなっています。 これは海外旅行に行けない国内の富裕層が別荘やセカンドハウスを購入したり、リモートワークの普及により移住する人が増えたりしていて、それに目をつけた外国人投資家が投資先に選んでいるためだそうです。
先ほど挙げたEVカーの件も然りですが、近年白馬村は雪が降らない「グリーンシーズン」の誘客にチカラを入れており、新型コロナという予期せぬ転機となってしまいましたが、実を結び始めているとも言えるでしょう。
◆POINT③ 村議補選は無投票当選
2021年4月の白馬村議選で2期目の当選をした田中麻乃さんが「出身地の沖縄で政治活動をしたい」という理由で辞職。
それを受けて行われた補欠選挙は、丸山 和之(まるやま かずゆき)候補 (53) が無投票で当選しました。
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