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【#90】長野県議会議員選挙 大町市選挙区レポート(2023 4.9)

 まず最初にお詫びしなければならないのは、県議選12本ある中で、この選挙だけは取材出来ませんでした。
 候補者の日程が掴めないコトに加え隣の安曇野市選挙区(後日リリース予定)をよりしっかり取材しなければならず、そちらを優先した結果、大町市の現地取材はポスター撮影のみとなっております。
 そのため値段は県議選の基本価格である¥200とさせていただきます。 値段だけの話ならお得といえばお得です。 勿論、ネット等で調べた情報をまとめ更に私の考察を加えた、いつものレポートと同じクオリティは保っているものと自負しております。 読んでいただけると幸いです。

 なお、この記事を含めた「長野県議選レポート」12本を1本あたり県議選の基本価格¥200で購入できるマガジンを販売していますので、是非ご購入を検討いただきたく存じます。


◆概要

  • 大町市のみで1つの選挙区となっている

  • 有権者数:22,155人

  • 市長:牛越徹氏(5期) 無投票当選が2回、選挙戦となった3回も相手候補にダブルスコア以上の大差をつけて圧勝。 長期政権となっている

  • 衆議院は長野2区に属し、

    • 下條みつ(立憲 5期)氏を選出、務台俊介(自民 4期)氏が比例復活


◆立候補者(定数1/3名)

奥村 健仁 (57) 無所属 新 印刷業
降旗 達也 (50) 無所属 新 前市議
田辺 芳宏 (75) 無所属 新 自営業

◆前回(2019年)の選挙結果(定数1/2名)

[当]諏訪 光昭 (67) 無所属 現 6,948票(県公)
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[落]後藤 叶圭 (64)  無所属 新 3,402票

投票率:45.19%
※末尾に所属会派を記入
(自):自民党県議団
(共):共産党県議団
(改み):改革・創造みらい(立憲社民系)
(県公):県民クラブ・公明(公明系)

 前回は3期務めた諏訪氏と、「元歌手」の後藤氏の一騎打ち。 ちなみに後藤氏は、

 70年代に「夜ヒット」に出演しており、ソロとしてCMソングなどを唄っていた方のようですが、諏訪氏がダブルスコアの差をつけて4選を果たしました。 そんな諏訪氏が今回、引退を表明したコトから選挙戦が動き出します。


◆POINT 「県民クラブ・公明」の会長が引退 

,(県民クラブ・公明HP より引用)

 諏訪氏は非自民無所属県議のグループ「県民クラブ」を率いて公明党県議と統一会派「県民クラブ・公明」を結成し、会長に就任していました。 しかし、今回治療中の病気の影響で「次の4年間、健康に懸念がある」として引退を表明しました。
 4期16年大町市選出の県議を務め、公明党と無所属県議を結ぶパイプ役を果たしてきた県議が引退するとなり、その後継争いが注目されたのです。

※長野県議選で用いる「非自民無所属」とは自民と対立するという意味ではなく、無所属で当選後に自民会派入りまではしなかったというコトで、「無所属」としての個性を失うコトなく各会派に対して是々非々の立場でいるという意味です。
 ただし、改選前は公明と組んでいたので結果として党派性が出てしまったのですが・・・


◆奥村 健仁(おくむら けんじ)候補

 奥村候補は大学卒業後、玉川大学卒業後、家業の印刷会社に就職。 29歳の時に父が県議に当選(1995~2003)したのを機に社長となり、地元商店街や青年会議所、商工会議所で活動し人脈を形成していきます。
 諏訪前県議の活動を通じて県政に関心を持ち、今回立候補。「この大町市に住み続けたい!」のキャッチコピーを掲げて初当選を目指します。

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 諏訪前県議や牛越市長などのバックアップを得て選挙戦を展開していたようで、選挙公報に書かれている「大町市と長野県のコーディネーター(調整役)」というワードは諏訪前県議も用いていた言葉です。
 大北地域(大町市、白馬村、小谷村、松川村、池田町)の懸案事項である「松本糸魚川連絡道路(松糸道路)」については現在の計画を促進する立場のようです。
 また、公開討論会によると、新型コロナの影響を受けた地域経済対策については「事業者への資金繰りの支援を優先する」とし、子育て・教育支援策は「特別支援教育にも注力したい」と述べています。


◆降旗 達也(ふりはた たつや)候補

 降旗候補は大町市生まれ大町市育ち。 2015年から2期大町市議を務め、今回市長選に打って出ました。「信州と大町をアップデート」と掲げ初当選を目指します。
 選挙事務所に伺ってスケジュールを聞いたものの街頭演説の予定は決めていない(状況に応じてクルマを停めて話すスタイル)というコトでお会いできず、このコトでココロが折れて取材全体を諦めたのですが、事務所内には下条衆院議員や杉尾参院議員(共に立憲)からの為書きが貼られていたので国政野党系に近い候補のようです。

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 選挙公報はコチラ。 松糸道路は奥村候補と同じく早期実現の立場で、コロナ後の地域経済対策については「信州まつもと空港~沖縄路線の定期就航化で観光業を復活させ、大町に呼び込む」としていて(コレは沖縄人の私としてはマジで実現してほしい・・・)、子育て・教育支援策は「保育士の処遇改善や教員増に取り組む」と述べています。
 告示日にTwitterで「最終日に “ジャイアントキリング” できるように」と言ってしまうほどに情勢が厳しいのは承知の上で挑戦する降旗候補。 やはり “5期目に入った市長と元県議の父の応援を受ける候補” が相手だというのは高い壁なのでしょう。


◆田辺 芳宏(たなべ よしひろ)候補

 田辺候補は大町市出身の地質調査士。 信州大学卒業後、会社勤務を経て独立。 自身の会社を経営しています。 自民党籍ですが今回は「チャレンジ! 大町」と掲げ無所属候補として初当選を目指します。

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 選挙公報はコチラ。 地質調査士としての意見なのでしょうか、松糸道路については現在の案以外で検討すべきだと訴え、具体的には既存の道路を活用すべきとしています。
 また、コロナ後の地域経済対策については「農林業の価値を高め、従事者を確保して産業振興する」とし、子育て・教育支援策は「祭りや行事など子どもが集まって遊べる機会を作る」と述べています。

 大きな争点が無いこの選挙、強いて挙げれば「松糸道路」というコトになるのでしょうが田辺候補にしても計画自体は賛成の立場のため争点化されているとは言い切れず、そうなるとやはり “支援者のチカラ” が勝敗のカギになってしまうのです・・・

 ちなみに繰返しになりますが、長野県内で行われた全12選挙のレポートを今後随時出していきます。

 それをまとめて購入できるマガジンを¥2,400で販売中です。
 1本あたり¥200になりますが、この記事単品も¥200と同額で購入できるので、まとめ買いのお得感が薄いかと存じますが、

 例えばこの記事は単品購入だと¥430するのがマガジン購入だと1本あたり¥200で読めるため、バラで買うより断然おトクです。 是非ご購入を検討いただきたく存じます。


◆選挙結果

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