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【#128】山梨県・甲斐市議会議員補欠選挙レポート(2024 9.15)


 先日リリースした甲斐市長選と同時に行われた市議補選のレポートです。 いつもですと市長選とまとめて “ニコイチ” でお届けするのですが、この選挙は定数も候補者も多かったので独立させました。 市の概要などは市長選レポートを御参照いただきたく存じます。




◆立候補者(定数3/6名)

依田 那津希 (44) 無所属 新 市男女参画推進委員
山坂 賢太  (48) 無所属 新 会社員
大久保 明  (64) 無所属 新 会社代表
木川 貴志  (50) 無所属 新 自営業
山本 英   (43) 無所属 新 石材業
皆川 千賀子 (56) 無所属 新 ダンススクール代表

 いずれも新人で、うち4人が選挙初挑戦。 3議席を争います。


◆前回(2022年)の選挙結果(定数19/20名)

[当]長谷部 集 (50) 無所属 現 1,920票 (※)
[当]伊藤 毅  (48) 無所属 現 1,885票 (※)
[当]若尾 彰子 (33) 無所属 新 1,829票
[当]秋山 輝雄 (73) 無所属 現 1,637票
[当]加藤 敬徳 (57) 公明  現 1,472票
[当]金丸 幸司 (48) 公明  現 1,470票
[当]赤沢 厚  (74) 無所属 現 1,425票
[当]内藤 久歳 (73) 無所属 現 1,402票
[当]保坂 康  (62) 無所属 新 1,318票
[当]山本 英俊 (66) 無所属 現 1,187票 (※)
[当]滝川 美幸 (69) 無所属 現 1,186票
[当]小沢 重則 (66) 無所属 現 1,117票
[当]清水 和宏 (74) 無所属 現    983票
[当]樋口 孝之 (72) 無所属 新    872票
[当]松井 豊  (72) 共産  現    867票
[当]藤原 正夫 (73) 無所属 現    855票
[当]金丸 寛  (75) 無所属 現    810票
[当]谷口 和男 (67) 共産  現    769票
[当]安倍 健治 (43) 無所属 新    593票
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[落]大久保 明 (62)  無所属 新    432票

投票率:39.77%

 前回は “定数プラス1” の選挙でした。 最下位当選の方は「シアタープロレス花鳥風月」に所属していたプロレスラーですが、当選後の2022年6月に団体を退団しているようです。


◆POINT

①空いた3議席を調べる

 補選なので辞職した議員がいて、市長選が行われるタイミングで議員を補充するワケですが、辞めた3名を見ると、

 まず、2023年に2期途中務めた市議を辞して県議選に立候補し当選した、伊藤毅氏(自民)。
 次に、2023年末に辞職した山本英俊氏(理由不明)。

 そして、補選と同日に行われた市長選に出馬し敗れた、長谷部集氏(市議当時、自民)です。

 山本氏については詳しく調べられませんでしたが、残りの2名については自民所属の市議でした。 そのため、自民系の支持を受ける候補が有利に働くと思われます。 が、ちゃんと選挙運動している候補は多かれ少なかれ自民系の支持を受けているため、それが無い候補は厳しそうです。


②平均年齢の高さと女性議員の少なさ!

 アラフィフの伊藤氏と長谷部氏が辞職し、残った議員の高齢化が際立ってしまっています。 議員16名中60代3名70代9名と還暦以上が4分の3を占めており、若返りが必須です。 幸い、今回の補選候補者のうち5人60歳未満なので、誰が当選しても少しはフレッシュになるでしょう。
 そして女性議員2名と少ないのも問題で、今回の2名が当選したとしても女性議員比率はやっと2割に達する程度ですが、どうにか増えてきっと “マッチョ社会” になっているであろう市議会の景色を少しでも変えてほしいのですが・・・ 果たして。

 では候補者を見ていきましょう。 無料部分では下位の2名について触れます。


◆6度目の正直、成らず・・・

 大久保 明(おおくぼ あきら)候補は甲斐市の選挙ではお馴染みの方。 これまで県議選1回、市議選4回挑戦しいずれも落選し、今回が6回目の挑戦です。 市議選ではこれまで「甲斐市の明日を考える会」という団体の候補として出馬していましたが今回は無所属で立候補。「甲斐市をシャキット!」と掲げて悲願の初当選を目指しました。

 いわゆる “選挙大好きおじさん” だろうと見たので端から取材予定は有りませんでした。 本当はこういった候補もまんべんなく取材しなければいけないのでしょうが、残念ながら私は「選挙漫遊」しているワケではないので・・・

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 取材しないと決めたのはこの選挙公報を見たのも理由で、自治体名や候補者名の頭文字をとってスローガンを掲げる候補は何度も見たコトが有りますが、何故キャッチコピーの「シャキット」で、しかもアルファベットの頭文字からスローガンを披露しようと思ったのか。 しかも「遠い未来」ってのも何が言いたいのか分からないし・・・ そして何より、

「領土を守るために尖閣諸島にわたり灯台の保守点検作業ボランティアに参加 灯台を国有化し実効支配の道すじを作る」

なんて危なっかしいコトを言うような人に話を聞こうなんて思わないので。 結果、安定の落選でしたが最下位は免れたので本人は満足なのかもしれません。 というか、コレでどうか満足していただいて、そろそろ落ち着いていただければ、と・・・


◆「非自民の保守本流」とは?

 木川 貴志(きがわ たかし)候補は甲府工業卒。 山梨県警~飲食店開業を経て2015年に山梨県昭和町議選に初当選。 通算2期務めます。 現在は不動産会社代表で今回初めて甲斐市の市議選に立候補。「責任世代の働き盛り」をアピールし当選を目指しました。

 この候補、ちょっと不思議なコトが有りまして、プロフィール「昭和町議2期」と書いてありますが、当選されたとされる2015年と2019年の昭和町議選の結果をいくら見ても「木川貴志」という名前が見つからないのです。 これは一体何なのか。 ネットで調べて何が起きているのか分かったのですが、それを現地で確認したワケではないため確かな情報だと断言できません。 まず間違いないとは思うのですが、それについては有料部分で書かせて下さい・・・

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