妄想さん

はじめまして。妄想です。 妄想小説をちょろちょろ書いていきます。

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最近の記事

夏が大人を連れてくる

外に一歩出れば 溶けるほど暑い 8月の昼下がり  俺はいつも通り エアコンの温度を26度に設定し 鍵を開けて 来客を待つ ガチャ 「鍵閉めなよ。無用心だよ〜?」 『まずはピンポン押しなさいよ』 インターフォンも押さずにドアを開けて 彼氏でもない一人暮らしの大学生の男の家に露出度高い服で遊びに来る女 『あと無用心なのお前だから』 「えー何が?笑」 意味を理解してないどころか (何言ってるの?)くらいの感じで笑いながら当然のように部屋の中に入ってくる女 夏

    • 22℃の夏

      私の彼氏は1年の半分をある意味捨てている 夏は暑いと引きこもり、秋を待ち 冬も寒いと引きこもり、春を待つ あーでも、 春も秋も基本家にいるのが好きなんだった 仕事もほぼ家でしてるし ーーーーー ガラガラ… 「いるーー!?」 もうすぐ梅雨明けの7月の夕方、私は彼氏の家に向かった。 合鍵は持っているので名前を呼びながら勝手に入る。 部屋に入るとクーラー全開で寝ている。温度設定はいつもの22℃。 「あーまた布団もかけずに寝てる〜」 『…ん…?あれもう来たの?』 「しか

      • 俺の完璧な彼女

        俺の彼女はわがままだ それでいて可愛い でもわがままだ まぁわかってて手を出したのは俺なんだけど 「ねぇ」 「ねぇ」 「ねぇ〜ジョニー〜」 『何、聞こえてるよ』 「じゃぁ返事してよ」 『つーか、ジョニーって何だよ名前で呼べよ』 「皆んな呼んでるじゃん」 『2、3人だろ』 ドサッ だるそうに喋りながらベッドの上で 俺は彼女を押し倒す 蒸し暑い7月の休日 『つーかあちぃ。クーラーつける?』 「ねぇ、アイス食べたい。」 押し倒された状態を気にせず照れもせずに、

        • 瞳に映るは

          梟のように 夜が嫌いだった 独りぼっちで 大好きな人がどこにいるかわかんないから 『俺って夜になると視力あがんだよな』 「え?変なの」 『お前がどこにも行かないようにだな』 「わたしが?」 『夜が苦手だろ』 あなたに話しかけられた時は いつだってただ眩しかった 友達も多くて いつも明るくて 部活も頑張ってて でも落ち込むとわかりやすくて 支えてくれる仲間がいて 全部わたしと真逆だった 『なぁ、俺と付き合ってよ』 「なんで?わたしこんなに暗いのに」

        夏が大人を連れてくる

          意味に戯れる

          寂しいって何だろ ずっと一人だったから 寂しいってどんな気持ちだったかなんて 知らないから寂しくないよ 『こんな寒い夜に一人で何してんの?』 「何もしてない…」 『え、何捨て猫なの?』 「わかんない」 『じゃー俺とくる?』 「え…」 『今日は鍋パだよ』 ずっと1人だった私に 初めて差し伸べてくれた手は大きくて 触れただけで 何かを努力してきた 優しい人なんだとわかった ガチャ 『お邪魔〜』 「遅かったね、鍋できてるよ」 『ちょっと野良猫拾っちゃった』 「え?ど

          意味に戯れる

          月に鳴く

          もっと 側にいたかった もっと あなたに近づいてみたかった 『は、別れる?なんで』 「もう一緒にいると辛いから」 『何が。意味わかんないけど』 「側にいればいるほど遠いの」 あなたと私は全然違った 価値観も 生活リズムも 恋愛も 全部違ったけど どこか影がある気がして 私と同じ気がして 近寄りたくなった 触れてみたかった 《半年前…》 「あなたが欲しくなった」 『え?何それ告白なの?(笑)』 「うん」 『うける。いいよ、あげる』 触れたあなたの唇は 思

          月に鳴く