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コンカフェと日本の素人文化

日本というのはプロ野球と同じくらい高校野球が人気があったり、オリンピックのマラソン競技と同じくらい箱根駅伝の視聴率高い変わった国です。プロの高い技術より素人の純粋さ拙さを愛することができる国民で、高いダンスの技術を持った韓国アイドルとダンスがほとんどできないグループもいる日本のアイドルを比較すると国民性の違いが分かりやすいと思います。

我々日本人はプロ野球の高い技術に感心すると同時に、技術はプロに比べると低いけれど、一回負けたら終わりという高校野球のストーリー性に感動できる国民です。そういう感受性を持っている国民なので、コンカフェに行っても楽しめるのでしょう。

前にキャストが主役になれるコンカフェのイベントの素晴らしさを書きました。一人のキャストが主役になれるということは、需要する側の客もそれを受け入れる心があるということで、それが素人の物語が好きな国民性ということに繋がっているのだと思います。

私の通っているコンカフェでは、料理ができないキャストがキャベツの千切りをするさまをツイートしています。これを続けることによって頑張れという応援の気持ちが客の側に沸いてきます。調理の腕が上がって、手早く料理を仕上げた日にはツイートを見て泣き出す客も出てくると思います。

あるいは、一人のキャストのイベントのときに、もう卒業してしまった仲の良いキャストが集結することがあります。端的に言ってエモい。『下妻物語』で深田恭子が土屋アンナを助けに行った場面のような趣があります。他の映画で仲間がピンチな時に昔の仲間が大勢で助けに行く場面は皆さんの感動のツボだと思います。リアルでそれを味わえるのはすごい。

このようにコンセプトカフェは、キャスト一人一人の物語を作り出す能力、SNSを使って配信する能力が高い。これはどの業種の仕事であっても今一番必要な能力だと思います。

今の日本は、ラーメン屋さんに行けば、まずいラーメン屋さんはほとんどないし、100円ショップの商品ですら壊れることが少なく、品質が高くなってきた。こういう状況のなかで、質の高いものを追求しても、他と差別化ができません。少しのお金でそこそこのものが買える時代なのでコアな層しか品質にこだわらなくなってきています。今はやはり、お客さんと物語を共有するのが一番応援してもらえる手法です。

日本はもともと素人の物語を愛好するという癖があるのですから、その資質を伸ばすことに力を入れるべきです。その道こそが日本再興への唯一の道だと思います。素人文化を熟知しているコンカフェに学ぶのはそのための一番の近道です。コンカフェに通えば、客から支持されるストーリーの作り方、発信の仕方の基本が学べると思います。みんながコンカフェに通って、客に応援される商売の手法を学べばいいと思います。








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