フィリップ・K・ディック 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

小説。ネタバレ。

映画が人気で小説は有名というイメージを持っていたが。
映画版は未視聴なのでよくわからないが相当違うらしい。

内容はアンドロイドと人間がテーマ。
このテーマは今ではありふれているが、それを大昔にやった先駆者としての価値はもちろんある。


マーサー教関連については、アンドロイドのいるような世界で宗教や共感といった精神性に触れるのは絶対必要な部分。
アンドロイドに共感能力がないという部分で対比。
ペットを飼うことへの執着といった部分も世界観を強めててSF設定的に面白ポイント。情緒オルガンとか。


ただ、一番好きな部分はそういうのじゃなくて最終盤の機械のカエルを生き物だと見間違うシーンで、ああ読んでよかったなとなった。
この世界では機械と生物の区別がつかない人間が被差別っぽい扱いをされている中、アンドロイド狩りをしていた主人公が機械のカエルを生き物と見間違える、このシーンが物語としてとても綺麗で。
この部分を語りたくてこの記事を書いている。

個人的に物語の設定は印象的なシーンを作るためのもので、違和感持たせなければオーケー。
SFは設定の面白さでそのシーンまで退屈せずに読めるという感じでたまに読むのだが、そういう形ではかなりの満足感はあった。
人の情緒面白すぎ。


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