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現役美容師さんが、新たな業種にチャレンジ! インタビューその①

バリバリの現役美容師さんお二人が、新たな仕事にチャレンジされます。

左/黒川英二さん  右/瀧力也さん


その経緯から、焙煎修行、オープンまでの道のり。
そして、オープンされてからのことなど、
【カフェオープンまでの道のり】
【焙煎修行】
【オープンしてからの感想】
と題し、3回に分けてインタビューします。熱い思いを感じてください。


\カフェオープンまでの道のり/

◉そもそも、なぜ二人で美容室をオープンされたのですか?
【PAREN・瀧】
以前勤めていたサロンの先輩後輩で、僕が2年目の時に一年下の後輩として入社して来たのが黒川でした。
当時黒川はカメラが好きで一眼レフで写真を撮っていました。
それを見ているうちに僕も写真に興味が湧き、HOLGAというオモチャの様なブローニーフィルムで撮れるカメラを買いました。これオモロイよってゆう感じで黒川に紹介したことから仲が良くなりました。
それから、二人ともカメラにのめり込み、いろんなところに写真を撮りに行くようになりました。
好きなものがよく似ていて、カメラを持ってバイクでツーリングして写真を撮りに行ったり、ロードバイクで琵琶湖一周もしました。
こうして、好きな遊びを通して仲が良くなっていきました。現在の共通の遊びは、サーフィンです。
同じ釜の飯を食べ、仕事、遊びと共有していくうちに、自然と一緒に店をやろうとなりました。
それがいつだったかはっきり覚えていませんが、通帳を作ってコツコツお金を出しあい、10年間貯めて、独立してお店を出しました。
言葉では何てゆえばいいのかわからないですが、フィーリングがあったのと、性格が全然違うので意見がぶつかり合うこともほぼ無く、共通の好きなモノやコトを通して、お互いの意見を尊重しながらカタチにしていけるので、自然とお店をやる形になったと思います。
二人でなら不思議と何かやれるんじゃないか、と思っていました。
ぼくは慎重で臆病な性格なので、1人ではビビってしまって、出店できていなかったかもしれません。
【PAREN・黒川】
父親との約束が、美容師を目指す=独立しなさい、でした。
独立までの修行をどう過ごすかを考えて、前職の美容室で10年間お世話になったのですが、その美容室で瀧と出会ったのは20歳の時、先輩後輩の関係でした。
入社当初は1番嫌いな先輩だった事、今でも覚えています。
そんな瀧と同じ時間を過ごすきっかけは共通の趣味でした。
その中でもカメラは僕らにとってのルーツかもしれません。
ファインダー越しに感じる世界観が「あ、この人おもろいかも」となり、そこからはもう毎日毎日ともに過ごして、お互いの得手不得手を理解し、共創する喜びや感動、見た事のない世界観、価値観がこの人とならどんどん広がるんやろなーて思っていました。
そして、いつの間にか2人の夢貯金と名付けた通帳をつくりました。
毎月コツコツ貯めては、なんか欲しいなっていうようなカメラを見つけてはちょっと減ったりしながらも、少しずつでしたが目標金額に到達しました。
その時に、改めて2人でやってみるか!と。
お互いに家族にも恵まれて共同経営がスタートしました。


◉美容室の場所がどうして千里丘なのですか?
【PAREN・瀧】

出店しようと決めてから一年くらいかけて、毎週毎週色々な場所にリサーチに行きました。
街を見て、人を見て、自分たちの足と時間をかけて、何処が1番良いか探し回ったのですが、何処もピンと来ませんでした。
実は、千里丘は候補には上がって無かったんですが、よくよく町や人を見ると、ここいいんじゃない?ということになりました。
自分たちがやりたいお店のコンセプトと、ペルソナが合う土地柄でした。
何より競合が少なかった事、そして、高槻からの顧客様も、ここなら電車ですぐ来れる場所だったことが大きな要因でした。

◉美容師として現役のお二人が、どうしてカフェの道にチャレンジされるのですか?
【PAREN・黒川】
美容師だけの人生が全てではない。
そんなふうに僕はずっと考えていたのですが、特に他に何がしたいかはっきりとした答えがありませんでした。
色んな事(植物の販売やアパレル)に興味を持ってもう一つの武器を探していた時に、とあるお客様がきっかけで、自宅でも焙煎できることを知りました。
元々コーヒーは好きだったのでチャレンジしてみたら、ものの見事にはまってしまいました。
その頃、世界がコロナ禍というタイミングで、対面接客や、現場に自分がいないと成り立たない仕事一本で将来大丈夫かな?と、考えさせられました。
コーヒー豆の焙煎なら、オンラインで販売もできるし、全国全世界へと発信できる、そんな武器を一つしっかり手に入れる。
そのことが、PAREN.創業当初から一貫して変わらない"お客様の暮らしをより豊かに、lifestyle をdesignする"に寄り添う事がより可能になる、と思い本業を2つに、本気で取り組もうと決心しました。

【PAREN・瀧】
二人ともサーフィンをするのですが、PARENの社員旅行で訪れた宮崎が好きで、独立後も年に数回、サーフトリップに行ってました。


その際コーヒーが好きなので、海あがりに美味しいコーヒーが飲みたくて、探して飲むんですが、何処もそんなに美味しくない。
ほんとコーヒーが美味しくない。
たまたま検索したら宮崎のコーヒー消費量は、国内では最下位を争っているのを知りました。
味が美味しくないということは、コーヒー文化の水準が低く、広く浸透していないのではないか、と思いました。
このまま美容室を展開していくのもいいけど、共通の好きなモノ、コトをカタチにするのが僕らの生き方なので、将来好きな宮崎に何か仕事を持っていけないかと考えました。
サーフトリップを繰り返すうちに、美容室はピンと来なかったけど、コーヒー焙煎ならどうだろう?宮崎のカフェやお店に卸したりできるのでは?と思いました。
それにはまず、現在の地で、自分たちがroasterになり、まずは地元でしっかり売れるお店を作り、そのまま焙煎所と一緒に宮崎ヘコーヒーを持っていくという、壮大な計画をし始めました。


◉どんなカフェを作ろうとされているのですか?
【PAREN・黒川】

stand併設のroastery。
店名はVentura coffeestand
Venturaは「ベンチュラ」と読み、米国ロサンジェルス付近の地名です。
イタリア語・ポルトガル語・スペイン語で「幸運」「巡り合わせ」の意味があります。
好きなsurfの背景を忍ばせつつ、新しいcoffeeとの巡り合わせ、お店に集まってくださるお客様同士の巡り合わせ、 coffeeを起点に人の暮らしや繋がりをデザインしていけるお店にしていきたいと思っています。


◉自家焙煎にこだわる理由を教えてください。
【PAREN・瀧・黒川】

coffeeの味や文化を正しく伝えて行くには、正しく焙煎された豆と正しいhomebrewのレクチャーが必要だと思います。
現在、サロンでのお客様へのサービスドリンクとして、トレーニングしている豆や、自宅でサンプルローストした豆をドリップしてお出ししているのですが、コーヒーの味のわかる方はごく少数です。
サードウェーブの流行からか、自宅でハンドドリップが増えているのは良い事ですが、抽出が上手くできず、酸っぱいコーヒーばかり飲まれている方がいたり、なんとなく習慣的に飲んでいたり、好きだけどよく分からなかったり、などなど。
コーヒー好きなのに雑味の多いコーヒーばかり飲んでいる方が結構多い事を知りました。
それらを解決して差し上げるには、正しい焙煎の豆とhomebrewのレクチャーが必要だと思いました。
良いコーヒーは冷めても美味しく、心地よさが長く続くことをお伝えしてから coffeeを飲んでもらうと、反応の良い coffeeは、過度な酸味渋みの少ないクリアな coffeeでした。
コンビニコーヒーや量販された物が多い中、正しい味が伝わっていないことが多く、まだまだこれから広がりを見せる coffeeを正しく伝えていくには、焙煎所が必要だと確信しています。
焙煎は、美容師と同じく技術職なので、単にドリンクや場所を提供するカフェではなく、ちゃんと技術を学んだ焙煎士になり、豆からcoffeeを伝えて行こうとなりました。