見出し画像

お前の猫を撫でなさい (詩)

あぁ、かなしいことがあったのね
お前の猫を撫でなさい

やわらかで、あたたかい毛並みを
波打つ腹の 一際繊細な手触りを

瞬く瞳が、ゆれるしっぽが
とびかかる一瞬の 伸縮する身体が

さぁ、その胸を 愛しさで満たしなさい
世界中の尊いものが、今、お前の腕の中にあることを知る時に

濡れた猫の鼻が、そっと手の甲に当てられた時
丸い手がぐっと握られる時

私の幸福も、不幸も、喜びも、悲しみも、
私の猫にとっては、後ろ脚で一蹴り

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?