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kakukakubooks
「スケジュール管理がうまくなる透け感の服」を買う妄想
５０００円か…。
自分には贅沢で痛い出費のはずだったはずの値段を前に、自分でも意外なほど考え込んでしまっていた。
今月は被服費抑えようと思っていたのに…。
今年は長雨もあったせいか、日中は余計にうだるような暑さが続いている。 夏の開放的な陽気に駆られがちな例年からの気持ちを予想しながら、考えないことを意識すると余計に考えがちな自分の性格を分かってないな、と独り言している。
特に目当てにしていたお店というわけではないけれど、暑さから逃れたくて駆け込んだショップ。今はもう涼しげなその服にくぎ付けになっている。
「スケジュール管理がうまくなる透け感の服」
そんなにうまくいくわけがないけれど―――。
自分はなにかこだわりがあるわけでも、主張が強いわけでもない。できるだけマネジメントの部分も避けてきたタイプだ。そんなにうまくいくわけがないけれど―――この頃は必要に追われて、すこし焦りを感じている。
もちろん、スケジュール管理がうまくなりたいという意思はあるし、その服の見た目だけに惹かれた訳でもない。けれどこういうビタミンサプリ的なものに自分の背伸びを任せるような、無理をしない生き方が自分の性格に合っているような気がする。
新しい自分を想像すると、すでに今の自分が過去になった気がする。この服で行こう。少し先が明るく見えた。
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注：このくしゃみはハクションです。登場する商品・人物・団体・名称等は、すべて妄想にあったことで、現実との境界は読者の領分に委ねられております。