狭い日本がもっと狭くなっている

コロナの流行でリモートワークが広がったが、コロナが落ち着くと同時に働き方も元に戻り、東京への人の移入が増えているという。

地方では若者が大都市に出て行き、高齢者だけが残っている。人口が減るために鉄道の利用者が減り、地方の鉄道は軒並み赤字となり、次々に廃線となっている。線路があったところは映画のロケに使われることはあっても電車が走ることはない。雑草が増えるばかりである。

田畠を作るために昔の人は山野を開拓した。そしてお米や野菜を作ったのだ。そんな田畠は若者がいないことで荒地に戻っている。荒地は増えるばかりである。

林業を盛んにするために植林した森も同様だ。価格で輸入木材に負け、さらには担い手の若者が街に出ることで森林は手入れされなくなり、ただの森となっている。

そんなわけで、もともと狭い日本がさらに狭くなっている。大都市に人が集中し、地方は荒地に戻っているのだ。政府は省庁の地方移転を計画したが一向に進まない。実現したのは文化庁が東京から京都に移転したケースしか知らない。

世界情勢は残念ながら戦国時代に逆戻りしている。第二次世界大戦後にいくつも戦争があったが、多くは2国間の国境争いの紛争や政府軍と反政府軍の内乱の程度が多かった。しかし、ウクライナとロシア、イスラエルとハマスは大きな戦争である。しかも西側の多くがウクライナを支持し物資の面で応援、参加している。イスラエルとハマスについても西側の多くがイスラエルを応援し、10分に一人の子供が死んでいるという。

中国の台湾統一も間近だろう。そんな中で食糧や燃料の自給は極めて重要になってきている。島国の日本としては狭い国土を効率的に活用して食糧の自給率を上げることが急務である。大都市を分解して地方分散を図ることが急務である。ロッキード事件で逮捕されたが、田中角栄元総理大臣は“日本列島改造論”という大きなビジョンを持っていた。現在の政治家にそのようなスケールで日本の将来を考えている人がいるだろうか?

有能な政治家の出現が望まれる。