戦争とはこういうもの

戦争とはこういうもの

 戦争とは“殺し合い”である。殺さなければ殺される。
 相手が降参するまで戦いは続く。停戦が可能なのは、どちらか一方が降参した場合、両軍が同様に疲弊し戦意を失った時。

だから戦争は“悲惨”であり、“残酷”であり、“最も非人道的行為”である。人類はそれを知っている、しかし繰り返し戦争は起こる、なぜか?

民族間の競争(支配・被支配)
宗教間の競争(我らの神が唯一絶対なる神という信念の押し付け)
資源の奪い合い(地球の資源を国単位で私物化しようとする)
が原因である。人類の業である。

ロシアとウクライナの戦争でロシア軍の行動が被人道的であり戦争犯罪であると世界中の人が声を大にしている。しかし、私は必ずしも同意できない。ウクライナ側にも非難されるべき戦術があるからだ。

(1)ゼレンスキー大統領は一般国民にまで銃の撃ち方を訓練し、火炎瓶まで作らせた。これは現代の戦争ではしてはならないことだ。一般人を戦力にしたいのであれば、彼らに軍服を渡して兵隊にしてから武器を取らせなければならない。そうしなければ兵隊と市民の区別がつかない。
(2)巨大な製鉄所に市民と兵隊が一緒に避難した。このような行為を「市民を人間の盾として使う」という。兵隊が市民のところに逃げ込んでいれば両方を殺害しなければならなくなる。
この二つはテロリストが使うゲリラ戦術である。

併せて考えなければいけないのが
(3)今回の戦争の場所
日本でかつて行われた関ヶ原の戦いのように視界のひらけた平野で軍隊同士がぶつかる戦争であれば非人道的行為は捕虜の扱い以外では心配いらない。しかし、今回は都市部での戦争であり、軍人と市民の区別はつきにくい。建物が病院や学校であっても兵隊が逃げ込んでいる可能性があれば攻撃が起こるのもやむを得ない。
(4)徹底抗戦
ゼレンスキー大統領が徹底抗戦の構えを変えなかった。戦争を終わらせるためには壊滅的攻撃を避けることは出来なかった。そのためには拷問による情報収集が行われるのも自然の流れである。

加えて惨劇を生んだ原因の一つに、ロシア軍の多くが徴兵制による新兵であり訓練を受けたばかりの未熟な兵隊たちであったということ。軍隊においては命のやり取りをするわけで異常な心理状況が生まれ強姦や略奪が発生しやすい。これらを防止するためには経験豊かな指揮官によって厳しい軍律が保たれる必要があるがロシア軍はそれが出来ていなかった。

このように考えるとロシアの非人道的行為は責められるべきではあるが、今回の戦争がゲリラ戦となっていたことを考えるとロシアだけを攻めることは片手落ちである。

ゼレンスキー大統領が現在主張している領土というのは1991年のソ連崩壊から2014年のプーチン大統領のクリミア占領までのわずか23年間だけであり、住民もウクライナ人だけでなく、ロシア人・ポーランド人も住んでいる。“ウクライナ”にこだわりを見せているのはプーチン同様に民族主義者的思想であり、ネオナチと言われる所以である。

この戦争はウクライナの国土を焦土と化しただけでなく、世界の物流・経済の混乱を招き、世界を再び冷戦時代に戻してしまった。その責任はロシアとウクライナの双方にあり、“小動物が猛獣に虐められている”かの如き同情は歴史を知らない感情論である。