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漫画が好きです。

子供の頃から漫画と共に生きてきた私は

雑誌からコミックス、たまに出る太いボリューミーな増刊号までチェックして、まだ売れていない漫画家の精鋭たちが描いた中から好きなものだけを綺麗に切り取り机の一番下の大きな引き出しに取っておいていた。

小さいときは仲間はずれだとか嘘やいじめに傷ついて、世界が狭いからそこで絶望を感じてしまう人もいっぱいいると思う。

でも私は鈍かったのもあるが、漫画がそばにいてくれたからそんなものはどうでもよかった。

最初に読んだの何だっけ。覚えてはいないけれどいつまでたっても心が離れていかない漫画家がいっぱいいる。

手塚治虫遠藤淑子成田美名子榛野なな恵は私の青春です。大好きな人いっぱいいるけどこの人達の作品を読むと今でも気持ちだけがあの頃に戻ってしまう。いや、変わってないのかも。手塚の火の鳥は一生心の中に埋め込んでいたいし、成田美名子のALEXANDRITEはいつ読んでも私が主人公になってしまうほど彼に入り込んでしまうし、遠藤淑子はいつも隣に優しさを置いていってくれて、榛野なな恵papa told meは知世ちゃんになりたかった小さな私をおばさんになった私がかわいいドールハウスを見つめるかのような少し少女になった感覚と大人の感情が交錯してどっちにも行き来できるような、そんな存在である。

まだいる気がするけどこれは幼少期から身体に染み込んだ人達。いくえみ綾も好きだったな。でも大人になった自分にとっては無味無臭。最近の人で言うならば渡辺ペコ。少女漫画で唸るのは河原和音。素晴らしいです。あの人の描くすべてに、若さが美しいことがよくわかる。もともとそんなにドキドキしない自分はきっと、テレビも見ない推しのアイドルすらいない枯れた人間であるが、やっぱり漫画で心が揺らいでまだなんとかやっていけてるような気がする。

ありがとう漫画家さん。おかげで悲しみも疲れも乾いた心も全部紙面から潤されてます。デジタルは嫌いなのでずっと紙で読みたいな。叶わぬ願いかしら。






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