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【読書日記】四十路からの読書

三年前の夏、中学時代からの親友が癌で逝ってしまった。
当時まだ高校生だった子供二人と、高齢のご両親を残しての他界はさぞ無念だっただろう。

告別式で、高齢のご両親が骨を拾う背中の小ささに、これが親不孝というものかと思い知らされた。
もちろん本人が望んだ事ではない。しかし、自分の力では死ぬ年を選ぶことは出来ないのだ。

死は誰にでもやって来るが、いつ来るか、そしてどのように死ぬかは決して平等ではない。
自分だって明日死ぬかもしれないし、死の病にかかるかもしれない(ここ一年は新型コロナでそれがより顕著になっている)。

それまではなんの根拠も無く、私も親友も無条件で年を取り、おばあちゃんになれる事を疑っていなかった。
しかし、そんな保証はどこにも無いのだ。

それが分かった時、私は本を読もうと思った。

「これまで、どのくらい本を読んで来ましたか?」
と問われたなら、私は

ほとんど読んでいません。

と答えるのが適切だと思う。
この ほとんど というのも、限りなくゼロ寄りの ほとんど である。
その ほとんど の時期も主に学生時代で、仕事をするようになってからも少ない。

記憶を紐解くと、中学生の頃に赤川次郎「三毛猫ホームズ」シリーズを何冊か、それと、クラスメイトの影響で、海外のファンタジー物(翻訳)を読んだ。

高校生になってからは、新井素子「ひとめあなたに」や、当時放送していた大河ドラマの影響で歴史小説を少し読んだ。
覚えてるのは安部龍太郎「血の日本史」、あとはタイトルは忘れてしまったが日野富子が主人公の南條範夫の著者だ。
その他として、中公新書「王政復古」を途中まで。それと中高時代毎年あった課題図書は何も覚えていない。
大学進学はしたけれど、諸々の事情から中退してしまい勉強らしい勉強はしていない。

社会に出てからは、仕事場で薦められた石川英輔「大江戸神仙伝」、村岡花子訳「赤毛のアン」シリーズ、朝ドラの影響で読んだ吉行エイスケの作品集、吉行あぐり「梅桃(ゆすらうめ)が実るとき」、「トム・ソーヤーの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」、夢枕獏「陰陽師」シリーズを少々。

思い出せるのはこれくらいである。
私が今20代というならば、それでも多いとは言えないが、まだマシかもしれない。
しかし、恥ずかしながらもう不惑を過ぎているのにこれだ。
いくら心身の調子を崩した時期があることを差っ引いたとしても、やはり人に胸張って言えるような量ではない。

人生の残量も分からない、いつお迎えが来るかも分からない。
何かしなければ、何をしよう?
そうだ、読書をしよう。

と思い至って始めた読書生活ももうすぐ2年になる。
どんな本を読んできたかは、こちらを参照頂きたい。
https://booklog.jp/users/mougi

これから読みたい本も含まれているので、登録してあるもの全て読了済という訳ではない。

好奇心の赴くまま節操無く読んできた。
初めはとにかく冊数主義で、年100冊の目標を立ててやってきたが、達成は出来ていない。
習慣の定着は出来たので、それはそれで良かったと思う。

最近は、同じ作家や同じテーマで3冊は連続して読もうと心がけているのだが、なかなか思うようにはやれない。
大体、ここのところは月に10冊弱くらいのペースで読んでいる。
しかし家計の事情もあり、作家さんには申し訳ないのだがなかなか全てを購入する事が難しく、図書館のお世話になることもしばしばある。
そうすると、予約数の多い本は順番待ちとなり、なかなか自分の思う通りの順で読むことは難しくなってしまう、という事情もあるからだ。

このような具合で、どうにか読書生活を続けているのだけれども、何かが劇的に変わったと言えばそうでもない。

まあでも、長い目で見たら多少なりとも何かが良くなるのではないかと信じ、読書を楽しんでいこうと思う。



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