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読書の記録(44)『サイボーグ時代 リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略』吉藤オリィ きずな出版 

手にしたきっかけ

吉藤オリィさんに興味を持って、ここ最近続けて何冊か読んでいる。この本はビジネス書というか大人向けな感じ。20~30代にささりそうな感じがした。帯の写真もそうだが、最終ページの写真もとがったイメージを受ける。この本のターゲットにした層や、本のコンセプトの違いのせいか、今まで読んできた吉藤オリィさんとはまた違った印象を受けた。

心に残ったところ

第6章『「できない」を武器に変える』が印象に残った。就職や、転職に際して、「自分の強みを生かす」「他の人にはできない強みを見つける」ことが大事だというようなことをよく見聞きする。確かにそうなんだろうけれど、自分の得意なことがよくある他の人も同じぐらいできる場合、それって本当に武器になるの?と思っていた。得意とは言っても、みんなと差がないなら武器にはならないのではと思ったりしていた。

この本を読んで、「できないこと」をオープンにする、「できないこと」の可視化、が面白いと感じた。「できないこと」の可視化、のところでレーダーチャート式のグラフがあった。得意なことが5である一方、不得意なことは0だったりする。すべての能力を高めるほうが、何でもできる人として求められ、社会に出たときに役に立てそうな気がしていた。けれど、実際には人の特性には凹凸があって、得意不得意がくっきり分かれる人もいる。吉藤オリィさんのように、ものすごく秀でた能力を持つ人に、「とがったところは、ほどほどでいいから、苦手なことも頑張ってやってごらん」と言うのは違うなあと思う。これはオリィさんのように秀でた部分が突き抜けているからそう思うのか、すべての人に当てはまるのか、ちょっとわからなくなってきた。

強み=得意なこと、も武器だけれど、苦手なことをちゃんと自分で認識して手伝ってほしいといえることも大事な武器なのではないだろうか。努力の方向を間違えて、自信を失ったり、自己肯定感を低めてしまってはもったいない。「ここは任せて!」「ここはお願い!」ということがオープンになれば、多くの人がより力を発揮できる。

第9章 『死を思い、生きる』も新たな視点をもらった気がする。人生100年時代だと言われ、定年後の人生をどう過ごすか、どういったペースでキャリアを積んでいくのか、といったことを考えるようになった。人生を長いと考えて人生設計をしている人が大半だと思う。

オリィさんの人生のとらえ方は独特だ。自分の寿命が30年だったとした
ら、確かにやりたいことを全力でできるように、優先順位を変えるだろうと思う。あと10年しか生きられないとしたら、やるべきこと、やらなくていいこと、がはっきりと見えてくるだろう。

まとめ

吉藤オリィさんの思考や生き方に興味を持って読み始めたが、結果自分はどう生きるのかを自問するきっかけをもらった感じがする。自分がいかに「世間の普通」や「当たり前」に染まって生きてきたかということを再認識する。それはそれでよかったと思う部分もあるし、違う道があったのかもと思うこともある。

自分の子どもを含め、若い人たちが次の社会を作っていく。小学生を見ていると、みんなと同じカリキュラムで、みんなと同じ時間に、みんなと同じ場所で学ぶことが一番いいのか?と思うこともある。一方、同じ体験を共有することで生まれる喜びもあるよなあとも思う。子どもにとって何が本当にいいんだろう、と考え始めるとぐるぐる考えがまとまらなくなってしまった…。

老いも若きも、それぞれがお互いの経験や能力を尊重し合えるそんな雰囲気がある職場っていいなあと思う。

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