「サピエンス全史 上・下」 から学ぶ、資本主義の自然選択

サピエンス全史を読んだので備忘録として書いておく。

この本で一貫して伝えようとしているのは、幸せが増大する方向に物事が進むのではなく、生物学的な合理性、経済的な合理性によって物事が進む方向が決まるということであると思う。

狩猟採集民と農耕民の比較


例えば、農耕が人類を奴隷にしたという話。
狩猟採集民は安定した食料供給ができないため、多くの人間からなる村などを作ることが出来なかった。しかし、多くの種類の食物を摂取できたので、健康面で問題は無く、幸福であっただろう。

農耕民は安定した食料供給が出来るため、多くの人間からなる村を作ることが出来た。しかし、単一の食料からなる食生活、農耕という重労働があったため、健康的とはいえず、幸福度は低いように思える。

しかし、人口が増えるのは農耕民であり、争いになった場合農耕民の方が人口が多いため勝つ確率が高い。幸せであるかは関係なく、生き残りやすいものが生き残るのだ。

利己的な遺伝子にも似た、無慈悲な進化論ですね。

資本主義の合理性

資本主義も同じように、他の主義より生き残りやすいから生き残ったといえる。
未来の富のために、銀行が「仮想」のお金を生み出し、新しい価値を生み出す。それによって得られた富をまた新しい富の源泉に投資する。そのループによって急速に社会が成長し、様々な面で先進的となる。その結果ほかの主義を採用しているところより、残りやすくなった。幸せであるかには関わらず。


おわりに

つまり、「資本主義の世界は幸せである」なんてのものは資本家たちの洗脳なわけで、自分なりの幸せを見つけることは現代社会で大切なんじゃない?と思いましたね。この本は上下にわたって結構長いので、人によって注目するポイントが異なるでしょう。是非読んでみてほしいですね。

最後に人類のこれからについて書かれており、機械的な知能が人間を超える未来についても予想しています。現在のChatGPTの進化を受け入れられない人も、この本を読めば納得できるのではないでしょうか。




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