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20240326-31 Broadway観劇記録

またまた随分と更新をさぼってしまいました(笑)
急遽お目当てのミュージカルがオープンしてしまうこともあり、7か月振りにBroadwayに行ってきたので、その観劇記録を備忘録のためまとめておきたいと思います。


今回の渡NYの目的

ええっとおお、なんで1年経たないうちに渡NYしてしまったかというと、完全に推しのせいです。
前回のリトル・ショップ・ホラーズ観劇のためにNYにくる直前に、ジェレミー・ジョーダンとエバ・ノブルザダ共演のThe Great Gatsby製作のアナウンスがあり、2023年秋にPapermill Playhouse(ニュージャージ)でのトライアウトが発表されました。
「まあ、Broadwayに上がってくるのは、あっても2024-2025年シーズンっしょ」とたかをくくっていたところ…
2024年春オープン!!??
ってことで、もう居ても立っても居られなくて急遽渡米でした。
2023-2024年シーズンは新作もリバイバルも戦国レベルの作品数なので、そもそも観たかった作品もいくつか観ることに…

ついて早々撮影しにいったタイムズスクエアの推し看板。ジョナサン・グロフを添えてw

各公演チケットは今回はチケット入手困難な作品もあったので、The Great Gatsby2公演分と、あと2公演分は日本で前もって入手していきましたそのほかは現地調達。
今回その他作品はRushや公式サイトを利用しました。
前回同様ですがRushやLottery情報はPlaybillの ↓ このサイトにまとめてあるので便利です。

https://playbill.com/article/broadway-rush-lottery-and-standing-room-only-policies-com-116003

20240327 マチネ「MERRILY WE ROLL ALONG」(Hudson Theatre)

チケット情報
・日本での事前購入(劇場公式サイト) $144.00
・Center Balcony Row C Seat 108 (3階3列目ど真ん中。見やすかったです!)

雑感
多分チケット入手時点(今はCabaretかも)で一番チケット入手困難作品だったため、日本で購入していきました。
昨年、off broadwayで話題が話題を呼んだソンドハイム作品。
とにかく、主演の3人がジョナサン・グロフ、ダニエル・ラドクリフ、リンゼイ・メンデスという。
「これは絶対観なきゃ!」ということで、今回の旅の第2の目的でした。
これで、キャスト(特にお目当てのジョナグロ)がアンダーだったら…という不安はありましたが、幸運にも全プリンシパルキャスト!
いえーーーーーい!

ネタとしては、1幕最後、なぜかものすごい変なところで緞帳降りてくる事件発生。ジョナグロ、慌てて緞帳内に逃げる!(笑)で、1幕最後やり直しで会場大爆笑。
Broadwayのこういうおおらかさ、好きよ。
そんな会場の温かさも、歓声も、いろいろなリアクションも一緒に楽しめるのがよかったです。
流石ソンドハイム作品の愛され具合がNYは違いますね。
知っている人の中では有名ですがメリリウィー…はBway初演時16公演でクローズするというソンドハイムの中でも「伝説」中の「伝説」の作品だけれど、このリバイバルはソンドハイム作品で最も売れた作品になってしまった。
詳しくはコチラ↓のドキュメンタリーにて(前までネトフリで観れたのに切れちゃいましたね)

なんで、初演がそうなったかも今回のリバイバルを観て「あー、なるほどな」と、想像がつきました。
歌える歌えないは別として、年端も行かない10代20代の子どもらにこの作品やらせちゃダメですよ!ハロルド・プリンス!って思いましたw

私の中ではソンドハイム作品の中ではわかりやすい作品で、中年になった今見ると観終わった後「ふぁーー」となり、既視感のある切なさと、なぜかそれに相対する多幸感が混ざった読後感がたまらない作品でした。
難曲が多いソンドハイムの楽曲を、まるで「歌ってない」かのように歌いこなす俳優たちの技術と演技力の高さあってこそですが、あの作品をこうやって受け止めるんだーとはじめてわかった気がしました。
2021年にやった同演出の日本キャスト版ってどんな感じだったんだろう。


20240327 ソワレ「Warter for Elephants」(Imperial Theatre)

チケット情報
・General Rush $49.00
・Orchestra Row J Seat 24 (上手端。多少見切れあり)

雑感
「サーカスだぁー!舞台額縁がかわいい!」
が第一印象。
ミュージカルとサーカスの融合がよくできていると前評判もあり、こちらの作品をRushで購入。
ジョナサン・グロフ→グラント・ガストンと続いたけど、別にglee縛りにしようとしたわけではありません(笑)

楽曲と見せ方がとても素敵な作品でした。好き!
映画版の「恋人たちのパレード」は観ていないですが、ストーリーはわかりやすいロマンスもの。サーカスと象さん!がいい。
俳優陣は、とにかくアンサンブルといっていいのか、サーカスメンバー勢が支える作品なのですごかったわぁー。みなさん個性的で目を引く俳優が多かった。
主演のグラント・ガストン(テレビドラマのFlashね)は長らく舞台から離れていた(ツアーのWest Sideメンバーだから12年ぐらい離れていた?)だけあって、他と比べると「声が飛ばないなぁ」という印象。もう少し芯のある声を掴んでほしいなぁとは感じました。もちろん得意のタップを見せてくれるシーンもあるし、雰囲気&キャラクターは◎でした!
あと、やっぱりオーガスト役のPaul Alexander Nolanさんがうまい!
(日本だとミュージカル「Daddy Long Legs」のジャービスで知られている方ですね)
ただ、せっかくだから脚本的にもう少しオーガストの裏側をしっかり書いて欲しかった。
新作多作の今シーズンだと脚本にもう少し力があってもよかったかも。

これは余談で、Bwayに来るたびに思うのは、劇場入って周りをみると、観客層が性別も年齢もバラバラで芸術を支える基盤として健全だなぁって思う。サーカスシーンはなぜかお子様方より年齢層高めの方々の方が大喜び!

ちなみにRushチケットは49ドル(7000円台)ぐらい。
見切れ席で象さんの登場シーンが惜しくも最初見えない!と思いましたが、それ以外は問題なく観れました。
日本の興行も見切れ席は安く売ってほしいねぇ。


20240328 ソワレ「HELL’S KITCHEN」(Sam S. Shubert Theatre)

チケット情報
・日本での事前購入(Telecharge) $79.00
・Center Balcony Row H Seat 106 (3階中央最後尾でしたが、歌舞伎の幕見席で観る感じでとても見やすかった)

雑感
アリシア・キーズ自身が構想10年で作りあげた、Public Theater製作ではHamilton以降最大のヒット作という謳い文句だけでも、「これは観たい!」となったのですが、タイミング的にこの日じゃないと行けない!と、テレチャを覗いたところ、プレビュー初日残り1席?!ということで焦って事前購入。

3階席最後尾の席だけどセンターだしなかなかの見映え(高所恐怖症の方はきついかも。笑)。プレビュー初日なのでアリシア・キーズプロデュースのコスメのお土産付き

鑑賞感想は、
「これはズルい!ズルいよぉぉーー!」となりました。アリシア・キーズの思春期を、アリシアの既存曲オリジナル曲織り交ぜた構成ですでに曲が強いんだもん!
それをとにかくゴリゴリのパワーと技術で歌い踊りまくる俳優陣。
時差ボケなんて吹っ飛びました!
早くキャストアルバムが欲しい一品。

今回観た作品の中で、舞台の観客の間の壁が一番薄い作品。
ライブ感はもちろん、他の作品よりも「NYに住んでます!」という客層が多いイメージでした。
会場全体に「わかるーーー」感が満ち溢れる瞬間があるというか。
もちろんラストのEmpire State of Mindはスタンディング&Sing Along!

俳優陣は主演のMaleahの初々しさ(Bwayデビュー作?)を、超絶上手いベテラン陣がガッツリ固めてる。
特に2幕はもう母親役の私が大好きなショシャナ・ビーンとピアノの先生役Keciaが歌う度にショーストップ!!
「あーーー、ショシャナ、愛してるううう!」って心の中でシャウトしていました。これはどちらかがトニー賞取りそうだなぁ。
(流石にステージドアして、ショシャナに愛を伝えました!)

舞台美術を観るには3階で観た方がかえって正解だったかも、これから観に行く方にも2階席以上をおすすめします。観た人はわかるけど「あ。マンハッタン!」となります。
この時、マイケル・グレイフ演出作品がBwayで3本(HKの他 The NotebookとDays of Wine and Roses)がかかっていて、同じ演出家作品は一本でいいやと悩みつつこれに絞って正解でした。

そもそも、アーティストの半生半生を描いた形のジュークボックスミュージカルは苦手なのですが、ここまで普遍的な形に落としてくれると見やすかったし、楽しかった。


20240329 マチネ「Wicked」(Gershwin Theatre)

チケット情報
・当日チケットボックス購入(Rushなし) $125.00
・Orchestra Row CC Seat 10 (今回の渡航観劇で一番の見切れ席!前から3列目)

雑感
「金曜日にマチネやっているどごはいねがーーー?」とゆる募したところ、「LION KINGとWickedはやっているよ」という情報を得て、2019年にNY観たっきりで、日本で四季版も観れなかったし、来年は映画もあるし、「Wickedにしょう!」と思ったところ…
まさかの超超チケット入手難しい(割引がない)やつでした!
なんかLottelyもないし、Rushも学生対象のしかない。
「うーーーーん」と思いながら朝イチチケボに並びに行ってみたら、数名学生さんたちが並んでいる。「まあ、ちょっと並んでみるか…」とチケボオープン。
なんとこの日は学生Rushも出なかったらしく、前に並んでいた学生さんたちがしょぼしょぼと帰っていき、「えええー」と思いつつチケボのおばさまに空席聞きましたら、プレミアの$250の席を激おすすめされました。
「むりむりむり、もうちょっとお安い席!」と言ったら$125の超見切れの席(前から3列目上手端。観た人はわかるけど、あのバルコニーの真下)。
「うううううう、悩む――。」となりつつも、購入。思わぬ出費~。
日本円にすると1.9万ぐらいだから、「東宝のMR!を前から3列目の象さん下とかの超見切れで観るのはこういう気分か。でも、席を選べるだけ1万倍いい!」となりましたww

と長めのチケット購入前置きはさておき、内容は「諸所見えないなぁ」と思いつつも舞台に近かったため、舞台装置の見えちゃいけないところや、お衣装(特に靴)の細かさを堪能。

何より、今回の収穫はグリンダの一つ一つのしぐさや細かな表情の変化に注意を払って観れたこと。
今回グリンダはスタンバイのAllie Trimmでしたが、ソプラノが本当に美しく、かつ演技が一つ一つ丁寧で好感度がすごい。「あーーー、グリンダ、そこでこういう表情してたのね。せつない…」となりつつ、もうラストの顔で号泣!エルファヴァパートより泣けたグリンダ初めてかもしれないです。

キャストでいうと、マダム・モリブルでDonna McKechnie(コーラスラインのBwayオリジナルキャシー)とオズの魔法使いでBrad Oscar(去年のリトショぶりー!)を観れたのももっけモノでした。

何度も言いますが、席的に「うぐぐ」となりつつも、私が一番この作品で好きな曲「No Good Deed」をほぼ真横でスモークも全開で流れてくる席だったので、違う角度から本当に魔法の世界にいるような雰囲気だったのはおもしろかった。
ので、結果120点というか、ラスト泣きすぎで頭痛くなって劇場を後にしました。

Allie Trimmちゃん、長くグリンダのスタンバイやっているのね。2022年のBroadway in Bryant Parkの動画あったわ。うまかったなぁ。私が観た公演でもPopularはテンション高めで会場大爆笑でした。
こんなうまい俳優がスタンバイとか、ほんとBwayマジ怖い


20240329 ソワレ「The Great Gatsby」(Broadway Theatre)

チケット情報
・日本での事前購入(Telecharge) $159.00
・Center Orchestra Row Q Seat 111 (少し後ろ目のど真ん中)

雑感
とうとう今回の渡NYの最大の目的!!
The Great Gatsby~~~~~~!!!!!!!
Newsiesから数えて12年ぶりに、推しがBroadway新作のオリジナルキャスト主演ということで、きっちゃった。
しかも、もうこのタイミングしか来れなかったのでプレビュー初日です。
前日のHELL’S KITCHENもそうでしたが、プレビュー初日は(多分)本オープン初日とはまた違うお祭り感と、緊張感がある~。

なんだか舞い上がってしまって、
「ヒロさんお忙しそうにしているなぁ」とか「なんで脚本・作詞コンビの夫婦が劇場入場列(目の前)におるんや!」とか「スチール撮影入っているなぁ」とか「Broadway Theaterはじめてだけど内装がこの作品にピッタリだなぁ」とか、「わぁ。こっちもプレビュー初日はお土産付きだぁ(ギャツビーの原作本)」とか「韓国ミュージカルのODがプロデュースだけあって、客席にアジア系の方多いかも」とかとか…いろんなところに目が行っちゃってワタワタ&ふわふわしたまま、お席に着きました。

Broadway Theater
劇場内装

で。作品なんですが…
ジェレミーがすごいです。
なんですか?この声?
去年リトショを観て生声浴びたはずなのに、何?
広い劇場でまた少し違う発声法だとこんな声も出ちゃうの?
もちろんエヴァちゃんや他プリンシパルキャスト、アンサンブルもとてもいい。
でも、なんですか?このジェレミーの声。
口を開くたびにショーストップ、ショーストップの連発。
おおおおおおおおお、と思いながら第1幕が秒で終了。

第2幕…
序盤、
「クララが立った!!!!!!」ばりに
ジェレミーが踊った!!!!!
(知っている方は知っている通り、ジェレミー・ジョーダンは自他ともに認めるダンスできない人です)
心なしか若干客席どよつく(笑)

き、記憶がこれぐらいしかないです…
もう私の脳みそのキャパシティ超えていたので、そんなこともあろうかと翌日のチケットも取っていたし、この日はもうこの雰囲気とジェレミーの声に飲まれてしまおうと諦めました。

もうこの日の感想は「クララが立った」です。

終演後のステージドアはとにかくファンが押しかけ&興奮気味で凄い人数!
ポリス出動!!
プレビュー打ち上げもあるので流石に今日はSDはやらないだろうと帰ろうかなと思ったところ、楽屋の非常階段からキャスト陣のお見送りがありました。

まんなかがジェレミー
撮影に夢中な人々を撮るのに夢中なわたしw

記憶があいまいな中ふわふわしながらこの日はホテルに戻りました。

20240330 マチネ「Lempicka」(Longacre Theatre)

チケット情報
・前日公式購入(Telecharege Rushなし) $50.00
・Left Balcony Row E Seat 24 (多少下手で見えにくいところはありしたが、見切れるまでではなかったです)

雑感
演出がRachel Chavkinというのもあり、10年近く前からリージョンでずっと作り続けているな~おもしろそうだなぁと、ずっと思っていた作品。
しかも、マチネのRushも出ていないチケット売れ行きだったので「お。これは期待してもいいかも」と前日にテレチャでチケット購入して観劇。

感想はというと…
私個人的には期待しすぎたかも…という感じでした。
とにかく演出、音楽、サウンドデザイン、脚本、舞台美術、衣装、俳優のパフォーマンス、それぞれ観たら及第点?なのかもしれませんが、総合的に観てなんともバラバラな感じがしました。

特に音楽は製作初期からあったWoman Isという素晴らしい曲があるにも関わらず、その他の曲がまったくと言っていいほど耳に入ってこない。
多分私の苦手な、電子音を多用した編曲のせいもあるのかも。
とある曲はなんかディズニーのエレクトロニカルパレードみたいだった(笑)
せっかくのWoman Isも「うんーー」という感じでした。

このまとまりの悪さはなんだったんだろう。
まだプレビューだったせい?
と、帰国してからずっと考えている作品という面ではすごく印象に残っているのかも。

Lempickaが戦争や迫害や自らのセクシャリティの中でいかに生きたか。というよりは、なんだか周りに振り回されて右往左往している感じ?
に留まってしまったというか、舞台上でのEden Espinosaもそうなのですが、一生懸命バランスとろうと始終奮闘しているのみというか…。
ちょっと退屈…というか。
主演のEdenは本当に大好きだし、Beth LeavelやAndrew Samonskyを観れるのも楽しみにしてたんだけどなぁ。

でも、なんかオーディエンスの反応は良かったんですよね。
これって私の受け止め方の問題??
とちょっとしょんぼり…
他に観た人に印象聞きたい。
※先日公式オープンしたのちの各誌批評を観ると「さもありなん」な感じでしたね。擁護している人もたくさんいるけれど。

「Woman Is」 はよかったです…(でも編曲があんまり好きじゃない…)

こんなことなら評判のいいSuffsにすればよかったかなぁと思ったけど、あの作品は、理由があり私はボイコットすることに決めていたので…
なんだかなぁですよ。

20240330 ソワレ「The Great Gatsby」(Broadway Theatre)2回目

チケット情報
・日本での事前購入(Telecharge) $239.00
・Center Orchestra Row L Seat 105 (前日よりもっと前目のど真ん中。今回一番いい席!)

雑感
ギャツビーおかわり!!
ということで多分前日より多少冷静に観れたので、個人的によかった点、プレビュー中なので「ここ、もうちょっと何とかならなかったかなぁ」とおもった点を列挙してみます。
※観てない(これから観る)人はネタバレあるので閲覧注意

◆よかった点◆
・とにかくジェレミーの歌唱!
 去年リトルショップホラーズを観た時もあんなにびっくり&感動したのに、今回のギャツビーはまた違う歌唱法で。この人いったい声や歌唱法の引き出しいくつあるんだろう。
これは個人的な想像なのですが、去年PaperMillのトライアウトの発表があったあたりから「あれ?ちょっと声の重さかえた?」と、より声の重心が下に下に置いて歌っている感じがしていたのですが、この作品の準備だったのかなぁとか思いました。
口を開いた瞬間、あの大きな劇場が声でミチミチなる、劇場全体が声で包まれる感じがすごい。
なんでしょうね。あれはたまりませんでしたし、もう一回体感したい!

・ジェレミーかわいい
想像に反して、ジェレミー演じるギャツビーが激かわでした!特にティーパーティシーンのあれと、第2幕の庭のシーン(あれは、観た人と語りたい)

・脇を固めるキャスト陣
この作品はジェレミー&エヴァに二大スター押しの部分はありますが、特にニック役のNoah J. Ricketts(最近だとFellow Travelersで映像でも活躍されていますね。私、2019年にFrozenで彼のクリストフ観てたの気づかなかった)、ジョーダン・ベイカー役のSamantha Pauly(Broadway版SIXのオリジナルキャサリン!)が、歌も演技もダンスもバランスがよくて、この作品をしっかり下支えしている感じでとてもよかったです!

・トライアウト版と少し変えてきたと思われるニックの設定
Paper Millのトライアウト版を少し映像で観て気になっていた、ニックの立ち位置が原作に近い語り部にリバイズされていたのが、ちょっとほっとしました。
せっかくノア君が上手いのにというのもあったので、やはりこの方が収まりがいいでしょ。と思いました。

・オーケストレーション
これはフルオケの良さもあるし、流石オーケストレーションでトニー賞と獲っているジェイソン・ハウランドの上手さが光ってました。
音に浸れる。充…となれるのは気持ちがよかったです。

・振付&アンサンブル陣
多分、今回観た作品の中だと好き嫌いはあるにしても、振付とアンサンブル陣はトップレベルでよいのでは?と思いました。
ジェレミーの「クララが立ったダンス」も、ダンス苦手な人が踊れているように見える(失礼w)振付で、「これはグッジョブ!」と。

◆もうちょっと何とかならなかったかなぁな点◆
・脚本
ギャツビーの原作そのものが実はあまりミュージカル向きではないのかもしれませんが、やっぱりちょっと脚本が弱い。特にデイジーの書き方が弱い。
 新しく始まった朝ドラ「虎に翼」ではないけれど、家父長制が強くや女性の地位が弱かった時代に、「戦うこと」ができなかった、しなかったデイジーという女性をもう少し多角的に描けたんじゃないかなと思ってしまう。せっかくエヴァちゃんという最強の俳優が演じるのになんかもったいなぁと思ってしまった。
なんとなくですが、来期もう1本くる「GATSBY」はもっとその点前面に押してくるような気がするんですよね。そっちの方が面白そうと思ってしまう。自分。
あと、せっかくニックを語り部にした脚本に作り替えたのだから、ギャツビーの登場シーン何とかならんかったかぁと。「私がギャツビーですよ」の決め台詞が絶対あってほしいわけではないけどw、あんなスッと、ぬるっとギャツビー出てこられてもなぁと感じました。

・歌い上げ曲多すぎ
「わかる。歌うまい俳優が集まっちゃっているから、みんなにそれぞれ歌わせたいのはわかる」となりつつも、キャラそれぞれ歌い上げ系の曲が多すぎる気がしました。1幕がスピーディで秒な体感だっただけに、ラストに向けて、正直ちょっとダレた。
 (ここはヒロさん曰く今は変わっているらしいです)
こういうところが良くも悪くも韓流・ホリプロっぽい、ワイルドホーンの流れを汲んだジェイソン・ハウランド節なのだろうか…となってしまいます。わかる、歌わせたいのはわかるんですけどねぇ。

…とまあ、好き勝手書いてしまいました(笑)
実は、去年のPaper Millトライアウトの評判は良かったといっても、何となく劇評や感想を見聞きすると、ジェレミーやエヴァはもちろん観たいけど、作風としては好みではないんだろうなぁと、一抹の不安を感じあまり期待しすぎないように観ていたのです。
でも実際観てみると、やはり韓流やホリミュージカル味がする作品だし、「時代遅れ」と言われてもしょうがない大味な部分はあるのですが、それが決して悪い面だけではないなぁとも感じました。

俳優陣の歌やダンスはとにかくいいし、 実際、それだけで会場のボルテージがガンガン上がっていましたし。
特に「For Her」や「My Green Light」のような、一度聴いただけで「なんて美しい曲なんだろう」と耳に残って、ずっとリフレインするような強いオリジナル曲を持っている作品ってここ数年そんなになかったかもしれません。
この曲をジェレミーとエヴァに歌われてくれてありがとうございます!
↓このPVは帰ってきてからも日に10回は聞いてしまう。

トニー賞候補になるかならないかでいうと、好き嫌いが完全に分かれる作品だと思うので、正式オープンして批評家やBway Loveの人たちがどう評するかかなぁ。意外に化ける?可能性はあるの?かな?
とか、12年ぶりにジェレミーが主演賞にノミネートされますようにという願いと期待を込めて。

◆おまけのステージドアの様子◆
前日にも負けないステージドア待ちのファン!ファン!ファン!の数。
この日もポリス発動!
「この数対応するのかなぁ」となりつつ、まんじり待つ。

すげえ人
一番最初に出てきたノア君
なぜかびっくり顔のサム姉さん
うひーー!キタキタ!
いつもながらガクガク震えてブレブレw
とりおさめ

まとめ

今回の渡NYは結果、6作品7公演を観ることが出来ました。
本当はもう2・3本観たかったけれど、スケジュール的にギリギリだったので「あきらめろ」と自分に言い聞かせました。
今回は、事前に取らざると得ない作品が多かったので、トータル$845(13万円ぐらい、平均1.8万ぐらいかしら)かかってしまった。Wickedが想定外だったかもしれませんw
でも、今回ホテルをキッチン&朝食付きしたおかげで食費を抑え、特に観光もしなかったため前回よりチケット代上がったぐらいで納めることができたかな?

「All my friends are dead」の絵本はわかる人にはわかる一冊w
ギャツビー観に行く道すがら、Cabaretのドレスリハやっている感じでした。
観たかったなぁぁぁぁ!!!!

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