20230212_PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』
作品概要
PARCO劇場開場50周年記念『笑の大学』
作/演出=三谷幸喜
出演=内野聖陽 瀬戸康史
劇場…PARCO劇場
上映時間…110分(休憩なし)
あらすじ
私の「三谷幸喜はじめ」の作品の25年ぶりの再演
年齢バレしてしまうのですが、私が三谷幸喜(もちろんそれまで「えんぶ」とかテレビ脚本で注目を浴びていたので名前は知っていた)作品を生で浴びたのは、何を隠そう1998年のこの『笑の大学』で改修前のPARCO劇場でした。
その初鑑賞前に、「三谷幸喜という人の舞台作品を生で観ねば!」
となったきっかけは、忘れもしない、一浪ののち母校となる大学の受験前日、珍しい大雪の日の東京の小さなビジネスホテルでNHK教育テレビ(こう呼びます)の芸術劇場で放送されていた『東京サンシャインボーイズの罠』を観たからでした。
秋田のド田舎から「演劇がやりてぇ。演劇にかかわりてぇ。」と一浪までし、受験前日にテレビのブラウン管から流れてくる三谷幸喜作品のなんとも言えない神々しさと、「ああああ、私は今かこの世界に飛び込んでいくのだ!」と若く青臭くもなんと純粋な思いを持って観ていた記憶が今でも生生しく思い出されます。
『笑の大学』の初演はDVDにもなっていますし、稲垣吾郎×役所広司で映画化もされているのでご覧になった方も多いかと思います。
『罠』のDVDも購入できますので。ぜひ。
前置きが長い…
ということで、大学入学後やっと観に行けた生の三谷舞台作品が『笑の大学』だったわけです。
その1998年から何と今年で25年!
満を持しての再演ということで、観に行かないわけにはいかないじゃないですか!
今回、嬉しいことに次世代応援チケットという優先制度があり、娘を連れてお安く、かつ獲得困難と思われたチケットゲットできました。
25年後、この時代にしてこのキャスト
25年経って、この作品を舞台でこうやって見返すと。
25年前、世界が、日本がこんな状況になるなんて私は全然思わなかったし、
初演時はやはり検閲なんてあった時代は昔で、日本が愚かしい戦争を行っていた時代の話。というどこか他人事のように捉えていたかもしれません。
今は、「すぐそこにある危機」のように感じられたのは確かです。
今だからこそ見るべき作品の一つであろうと強く感じました。
また、内野聖陽×瀬戸康史という登場人物のキャラクターのイメージに合う、魅力と実力を持った俳優が揃うには25年かかったのかな。と思っていたら、三谷さん自身以下のようなことを語られていましたね。
今回、実際に観て、いろいろな面で理想のキャスティングだなと思いました。
特に興味深く、おもしろく、感嘆したのは、鑑賞前の予想だと大船のような内野さんが演じる向坂に、初々しさもある瀬戸キューサ演じる椿が自由乗っかるのだと思ったら逆だったこと!
芯をぶらさず作品の錨をどっしり降ろしているのは瀬戸くんで、その中で実に楽し気に自由を謳歌していたのは内野さんだったことでした。
あれは、歳の差や経験の差こそあるけれど信頼する俳優にしかできない乗っかり方でした(笑)
昭和浅草演劇と戦争
初演鑑賞時にはまだこの浅草演劇、また日本演劇や文学に対しての軍部の検閲、戦争による未来ある演劇人たちの死やその後について、あまり知識もなく「こんなこともあったのか。ある世界を作ってはいかな」という若々しい感想を持った記憶があります。
その後…一応大学でこの周辺を学んだわけですが、そういう歴史的背景や事実を踏まえたときに、この作品(脚本)の秀逸さに今一度驚くわけです。
その辺は長くなるので、また別の機会に。
↓椿一のモデルといわれる菊谷栄と浅草演劇周辺と知るにはこの辺りをお読みいただくのがいいかもしれません。
また、2019年には扉座でも菊谷を題材とした作品を作っていますね(未見なのでコメントは控えます
実はやってた!イギリス公演、しかもマーティン、来日してんじゃん!
この作品が韓国で上演されていたのは知っていたのですが、
イギリスでも上演されていて、しかも主演がマーティン・フリーマン×ロジャー・ロイド・パックだったなんて知ったのは数年前のことでした。
しかも2007年に来日までしてたなんて!!
これ、マーティンが『シャーロック』で火が付いたあとだったら、大変なことだったんじゃない?2007年だと「『ラブアクチュアリー』出てたあの人ね」ぐらいで完全にノーマークよね。
確かに、英国には1968年まで演劇検閲法があったので、上演される演劇作品すべて国が検閲していたのは確かなのです。
ただそれはどちらかというと風紀面を確認するというところが大きかったと思うので、戦時中、日本と同じ目的で検閲が行われていたのか?
その辺知りたいなぁと思います。
あのシーンとか、あのセリフとかどうやったのだろう??
と。
観た人います?どんな脚本だったか知りたい!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?