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23/04/27 (木) 「決算を受けた個別に引っ張られながら」引け後情報

要点まとめ

  • 日米ともに決算を受けた動きに左右される面が大きい

  • 明日は日銀金融政策決定会合が控える

  • 来週はFOMCなどが控える中、日本はGWの祝日が多いことも留意したい

決算を受けた個別に引っ張られながら

株価指数等の値動き:

水曜日の米国市場ではMicrosoftの決算後の反応などを支えにNASDAQは反発したものの、NYダウは下落し、地銀First Republic Bankの急落などが前日に続いて懸念されていました。
本日の日経平均株価は前日よりも安く始まり、前日に決算発表を終えて急落したアドバンテストなどが下押しする形で朝9時半前に安値をつけましたが、そこからはTOPIXとともに下げ渋る動きが続き、そのままプラス圏に浮上して大引け10分前に今日の高値をつけるまでじわじわとした上昇が続きました。

一方マザーズ指数はNASDAQ上昇なども支えにしてか前場ではプラス圏での動きが中心でしたが、後場は逆にマイナス圏での動きが中心となって小幅安で3日続落となりました。

最近はずっと薄商いが続く中で今日は久しぶりに東証プライムの売買代金は3兆円を超えましたが、今日は4月最終営業日に実施されるTOPIXの浮動株比率の定期見直しに伴うパッシブファンドなどによるリバランスの影響で大引けに売買が膨んだ影響がありそうです。

東証業種別・市場別指数などの動き:

東証の業種別指数をみてみると、33業種中22業種上昇でした。
昨日下落1位だった銀行業が本日の上昇1位となりました。一方で昨日銀行業に続く下落率2位だった証券・商品に関しては本日の下落率1位となっており、昨日の引け後に決算発表を終えた野村ホールディングスの急落などが影響していそうです。
日本でも決算が多く、個別の動きによる影響が大きくなっています。

東証の発表した本日の空売り比率の合計は46.2%で、45%以上の空売り比率が続くのは3月末以来となります。
今月の堅調な地合いの中では空売り比率が40%~42%台になることが多くなっていましたが、現在は海外市場がやや不安定さをみせたり、決算による個別の動きに動かされることが多くなっている中でやや空売り比率が高くなっています。

その他の主な動き:

全市場売買代金上位をみてみると、3位には昨日決算を終えたアドバンテストが入っていました。半導体市況の変化に伴う保守的な見通しが出ることが予想されていたものの、それでも今期の減益幅がアナリスト予想を大きく下回っていることなどが嫌気されるような形で大きく下落していました。
4位にはソニーグループが入っています。Microsoftによる米国のゲームソフトの大手のActivision Blizzard買収に関して、イギリス当局が買収を認めない判断を示したと報じられており、ゲームについてのライバル社となるソニーにとっての好材料とされた面がありそうです。
昨年1月から買収に関する話が出るとソニーなどの株価も動く場面があります。
(以前Activisionについて触れた記事はこちら)

ドル円は日中にやや円安方向に動きました。
他アジア市場では上海総合指数が7営業日ぶりの反発となっています。


コラム:4月アノマリー

毎週木曜日(第4営業日)に東証から発表される投資主体別売買動向をみてみると、海外投資家の買い越し額が2週連続で大きくなっていました。

4月に関しては「4月アノマリー」と言われ、過去のデータから過去のNYダウのパフォーマンスが良い傾向が指摘されています。日本に関しては海外投資家の買い越し額が月間で多くなりがちな月という特徴があり、過去10年で2020年に売り越した以外ではすべて買い越しになっています。
3月期という期末を終え、日本では特に3月配当権利日を過ぎた後の4月という中で、ポートフォリオの見直しなどで買いに転じやすいのではないかという見方などがあります。

今年はNYダウやNASDAQの今月のここまでのパフォーマンスがそこまで明るくない中でも、日本株は欧州株の堅調さやバフェット氏来日などがあって強い動きになりました。
そのため単にアノマリーだけで買い越しになるわけではないため、こういった話だけで展望を予想するわけにはいかないものの、今年も(ここまでは)アノマリー通りの動きとなっています。

他のアノマリーのようなものに関しては、有名な投資格言として"Sell in May and go away(5月に売って戻ってくるな)"というものがあります。
より長いフレーズとしては"Sell in May and go away, come back on St. Leger's Day(5月に売ってセントレジャーズデーに戻れ)"という格言で、夏季シーズンに取引が減るこの時期には参加せず、活況が戻るセントレジャーズデー(St. Leger Stakesとよばれる200年以上続く毎年9月第2週に行なわれるイギリス伝統の競馬イベントの日)に戻れという内容です。

昔からある格言ではありますが、逆に言えば金融市場の事情を反映した古い格言ともいえるため、うまく現在の市場環境やその年特有の事情もちゃんと反映していくことが大事です。


明日の注目ポイント

今晩の米国市場では米1-3月期のGDP速報値の発表、また毎週発表される前週分の新規失業保険申請件数の発表などが予定されています。
今晩の注目決算としてはCaterpillarや取引時間終了後のAmazon、Intelなどがありますので、引き続き決算を受けた動きにも注目です。

明日に関しては注目の植田総裁としての初の日銀金融政策決定会合の結果が出されることが注目となります。他にもその晩には米PCEの発表などがあり、来週のFOMC前に発表される物価指標のPCEデフレーターの結果に注目です。
FOMC直前であること、また追加利上げの必要性を主張するような発言が先週まで多かったこともあり、5月会合の利上げ幅の決定に与える影響は大きくない可能性もありますが、6月以降の見通しについては利上げ停止などの議論における判断材料になるかもしれないため注目です。

※明日は私用のため、記事の更新が遅れ、もしかすると短めの内容になるかもしれません。
注目の植田総裁の初回の日銀金融政策決定会合のためにしっかりとした記事が書ければと思っていたのですが……
もし時間があれば日曜日に追加の記事を上げるかもしれません。


指数・今後の重要イベント

04/27 終値
日経平均株価:28457.68 (+0.15%)
TOPIX :  2032.51 (+0.43%)
マザーズ  :    737.81 (-0.10%)

東証プライム市場指数   :1045.84 (+0.43%)
東証スタンダード市場指数 :1054.17 (+0.16%)
東証グロース市場指数   :  940.14 (+0.17%)
スタンダード市場トップ20:  987.83 (+0.21%)
グロース市場コア     :  892.35 (-0.08%)

東証プライム 売買代金:30066億円


イベント
2023年4月第4週

04/27 (木):日銀金融政策決定会合(~4/28 28日に会見予定)
04/28 (金):米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年5月第1週
05/01 (月):米4月ISM製造業景気指数
05/02 (火):3月JOLTS雇用動態調査
05/02 (火):FOMC(~5/3 日本時間4日早朝にパウエル議長会見予定)
05/03 (水):米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (水):米4月ADP雇用統計
05/03 (水):憲法記念日 日本祝日
05/04 (木):ECB理事会
05/04 (木):みどりの日 日本祝日
05/05 (金):米4月雇用統計
05/05 (金):こどもの日 日本祝日

2023年5月第2週(SQ週)
05/10 (水):米4月消費者物価指数
05/11 (木):米4月卸売物価指数
05/11 (木):英国金融政策委員会
05/11 (木):MSCI定期見直し公表 (日本時間12日 リバランス発生は月最終日)
05/12 (金):米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年5月第3週
05/16 (火):米4月小売売上高
05/16 (火):米4月鉱工業生産
05/17 (水):米4月住宅着工件数
05/18 (木):米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
05/18 (木):米4月中古住宅販売件数

2023年5月第4週
05/23 (火):米4月新築住宅販売件数
05/24 (水):FOMC議事要旨公表
05/26 (金):米4月耐久財受注 速報値

2023年5月第5週
05/29 (月):配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (月):メモリアルデー 米祝日
05/31 (水):ベージュブック公表

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