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24/05/24 (金)「低調な日本株の売買代金」引け後情報


要点まとめ

  • プライム市場全体の売買代金は低調

  • 昨晩の米国市場における値動きが重し

  • 一部バリューや医薬品が業種として上昇、グロースには弱さ

コラム欄はお休み。
それに伴い、今日の分は無料公開とします。

低調な日本株の売買代金

株価指数等の値動き:

本日の日経平均株価は昨日の上げ幅のほとんどを打ち消すような形で下落しました。
前日はNVIDIAの決算が好調だったことを先に織り込む形で半導体株を中心としたグロース株が堅調でしたが、昨晩の米国株市場ではNVIDIAは大きく上昇するもそれ以外がかなり弱くなったことにより、昨日の上昇の反動が出る📌形となりました。

今朝のnoteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- ① 昨日の反動 --

まず昨日の日本株から振り返ると、昨日の日本時間朝に発表されたNVIDIA決算が市場予想を上回ったことを受け、時間外取引の上昇を好感するように国内の半導体関連銘柄も大きく上昇しました。

しかし、その晩の実際の取引時間での値動きではNVIDIAこそ株価は時間外取引以上に上昇したものの、他の半導体関連株は追従せず、むしろ下げているものの方が目立つという展開になりました。
フィラデルフィア半導体株指数もNVIDIAの大幅高にも関わらず下落しており、他にも米経済指標が予想よりも強かったことを受けた利下げ期待後退も市場全体の重しに。
主要三指数は下落して終えるという"昨日の日本時間日中に思い描いていた展開とは違う"という考えを持った人が多くなりそうな形で本日の朝を迎える📌ことに。

本日の下げを主導したのはやはり昨日の指数を持ち上げていた半導体株を中心とした大型グロース株となり、日経平均株価は前場に安値として前日比1.88%安まで下げを拡大する弱さをみせました。
これは前日の上昇幅を大きく超える下げとなりましたが、そこからは下げ渋る動きをみせ、結果として昨日の上げ幅である486.12円の9割以上を打ち消す457.11円安で終え、週間としても小幅安で終えています。


-- ② 国内金利の方向感 --

こうした形でグロース株が軟調でしたが、強弱の差としてはバリューの方が底堅さもあれど、相場を支えるような形にはなれず。

国内独自にも日銀の金融政策の不透明感が根強いという重しがあり、上昇が続いている国内長期金利(10年物国債利回り)は昨日付けた1%の水準から下げる形にはならず、一時1.05%をつける動きに。

"マイナス金利を解除しても日本の金融政策の緩和的環境は続く"という意識が相場を押し上げていた3月の頃に比べ、想定していた政策修正(緩和縮小)が早いペースで進む警戒心が広がっていそうです。

特に直近はプライム市場の売買代金が、1ヶ月(25営業日)の平均として5兆円を超えていて株価も堅調だった3月に比べて低調。
ここ1ヶ月の平均は決算発表で増えた日が多かったこともあって4.5兆円とはなっていますが、目立った買い材料が少ない日には4兆円割れとなる日が多くなっており、今日も3.86兆円となっています。

東証業種別・市場別指数などの動き:

東証の業種別指数をみてみると、33業種中6業種上昇でした。
(左側には各業種の25日移動平均値。割合は現在値がその移動平均に対してどの程度乖離しているかを表します)

医薬品のほか、一部のバリュー株がこの相場の中でも底堅い動き。
海運業に関しては指数の25日移動平均線をみても直近の堅調さが際立ってみえます。

下げている方では、昨日、一昨日と堅調だった証券・商品が下落。
原油価格の反発基調が一時より続かなくなっているなか、鉱業は4日続落。
また金利敏感系のため直近で最も軟調な不動産業は今日も軟調

東証の発表した本日の空売り比率の合計は42.7%
一日の空売り比率として今日が今月最高。
指数は朝が最も安く、下げ渋る動きを見せたにも関わらず空売り比率が週末の中でも低かったため、売りから入る投資行動に普段より積極性が見えた一日と言えるかも?

その他の主な動き:

本日の全市場の売買代金ランキング上位25位、スタンダード、グロース市場の上位10位はこのようになりました。
(前日にこのランク内だったものには売買代金の変化を、ランク外だった場合は"圏外"と記しています)

売買代金上位は見てわかる通り前日より売買代金が減っていることと、値下がりが目立っています

逆行高となっている日立製作所はオーストラリアの送電事業者からHVDC変換所2基を受注したとの材料が好感された様子。
今年短期売買が活発な北海道電力も相場全体とは違った値動きに。

グロース市場ではカバーが決算発表のあった13日の翌日以降は売買代金が薄商いな市場の中でも大きくなっていますが、直近4日間の下げが大きく決算前の水準を下回っていて、決算直後の16%高を帳消しにしてしまっています。
グロース250指数の軟調さは継続しており、年初来安値を連日更新。


コラム欄はお休み



来週の注目ポイント

-- 今晩の米国市場 --

今晩の米国市場のポイントとして、
市場全体の方向感
を挙げます。

強い経済指標が一度に複数出たこともあって、利下げ期待後退が目立った昨晩の米国市場。
ただ景気指数が強いというだけで相場を押し下げ続けるか、それとも強さを受けたポジティブ面を再び探していくのか。それを今晩の動きから探りたいところ。

-- 来週の日本市場 --

来週の日本市場の注目は日本銀行金融研究所主催2024年国際コンファランス。
月曜日の朝から日銀の総裁・副総裁の挨拶・講演がありますので、それを受けた株・為替の値動きに注目しないわけにはいきません。
特に今、日銀の金融政策の不透明感があるだけに、債券利回りなどが織り込んでいるような緩和縮小ペースに沿った発言となるかどうかがポイントになりそうです。


指数・今後の重要イベント

終値
日経平均株価       : 38,646.11 ( -1.17% )
TOPIX        :  2,742.54 ( -0.44% )
東証グロース市場250  :    608.14 ( -1.19% )
スタンダード市場トップ20: 1,109.34 ( -0.55% )
グロース市場コア     :  761.64 ( -0.81% )

東証プライム 売買代金: 38624億円

イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年5月第4週
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 日本5月東京都区部消費者物価指数 速報値
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

2024年6月第1週
06/03 (月): 米5月ISM製造業景気指数
06/04 (火): 4月JOLTS雇用動態調査
06/05 (水): 日本4月分毎月勤労統計調査 速報
06/05 (水): 米5月ADP雇用統計
06/05 (水): 米5月ISM非製造業景気指数
06/06 (木): ECB理事会
06/07 (金): 日本4月分家計調査
06/07 (金): 米5月雇用統計

2024年6月第2週(メジャーSQ週)
06/10 (月): 景気ウォッチャー調査 5月調査
06/11 (火): FOMC(~06/12 日本時間13日早朝にパウエル議長会見予定) 
06/12 (水): 米5月消費者物価指数
06/13 (木): 米5月卸売物価指数
06/13 (木): 日銀金融政策決定会合(~06/14 14日に会見予定)
06/14 (金): 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年6月第3週
06/18 (火): 米5月小売売上高
06/18 (火): 米5月鉱工業生産
06/19 (水): ジューンティーンスデー 米休場
06/20 (木): 米5月住宅着工件数
06/20 (木): 米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
06/20 (木): 英国金融政策委員会
06/21 (金): 日本5月全国消費者物価指数
06/21 (金): 米5月中古住宅販売件数

2024年6月第4週
06/25 (火): 米6月消費者信頼感指数
06/26 (水): 米5月新築住宅販売件数
06/26 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
06/27 (木): 米5月耐久財受注 速報値
06/27 (木): 米実質GDP(確報値) Q1
06/28 (金): 日本6月東京都区部消費者物価指数 速報値
06/28 (金): 米5月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

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