見出し画像

24/04/22 (月)「強弱が著しかった金曜の米国株」寄り前情報

要点まとめ

  • 金曜日の米国ではハイテク株の下落が目立った

  • 特に半導体株は安く、SOXは4%安

  • NASDAQ総合は2%下落する一方、NYダウは続伸

  • 週間としてもNASDAQ総合は5.5%安、NYダウはほぼ横ばいで上昇と差

  • 今週はイベント山盛り

強弱が著しかった金曜の米国株

米国株主要三指数の値動き:

金曜日の米国では取引時間の経過とともに半導体株を中心としたテック株などの下げが広がっていった一方、景気敏感株の一部やディフェンシブ系の銘柄には買いが向かいました。
NYダウは続伸の一方、NASDAQ総合は2%を超える大幅安となり、強弱がかなりはっきり出た形で終えています。


先週の金曜日、日本時間日中に報道されたイラン中部での爆発音の騒ぎをきっかけに金融市場が一時荒れる時間帯がありました。

その前の週末においてイランが大使館の空爆を受けたことによるイスラエルへの報復攻撃をしていただけに、一時は回避したとみられていた報復の連鎖が始まった可能性に市場は危機感をもったようで、日本株はこの日に元々下げていた株価の下げ幅を一段と拡大、米国株先物は大きく下落、原油先物の上昇、安全資産としての米債券買いなどが爆発音騒ぎの直後にみられました。

米国側メディアなどの報道としてはイスラエルの攻撃として当初は扱われていましたが、イラン・イスラエル双方ともに詳細が出ず、むしろイラン側は「爆発音は防空システムの発動によるもので、ドローンを破壊したが、攻撃とはみていない」という見解を示し、次第に短期的なリスク回避の急拡大の動きは一旦元に戻っていきました


-- ②決算を前にビッグテック大幅安 --

中東情勢に関する心理的な不安感は残しつつ、しかし相場は大きく崩れないで主要三指数はスタート。
しかし取引時間が経過していく毎にハイテク株を中心に下げを拡大していく展開となりました。

特に下げが目立っていたのが23%安となったSuper Micro Computer
データーサーバー向け製品を扱っていたことでAIブームの恩恵を株価の面でも昨年から大きく受けていましたが、この日は決算日程を公表した際、前回のように事前の暫定決算を発表したかったことが嫌気されたとする見方が広がったようです。

それ以外にも半導体株は全体的にかなり軟調
NVIDIAは10%安、AMDは5.4%安、Broadcomは4.3%安と大きく下落。
フィラデルフィア半導体指数も4.1%安となっており、先週はASML、TSMCの決算をきっかけに下げたこともあって今年2月初め以来の水準にまで落ち込んでいます。

今週はMeta、Microsoft、Alphabetなどが決算発表を控えていますが、そうしたいわゆる"Magnificent 7"と称された銘柄らであるTeslaやビッグテックたちの株価も下落。
特にMeta Platformsは年始からの上昇率がNVIDIAに続いて高い銘柄でしたが、この日は4%安まで下げが拡大。
年始からの上昇がそこまでではないMicrosoft、Alphabetは1%強の下落となっているのと差が開きました。

この日はNetflixが前日の取引時間後の決算を受けて時間外の時点から株価を大きく下げ📌ており、実際の取引時間でも9%安となっており、今週も続々と続く決算発表にやや暗雲の広がりも感じるところでした、その雰囲気は必ずしも市場全体を包み込みませんでした。

金融セクターは全体的に堅調
多くの大手金融機関セクターを終えている金融セクターですが、この日はAmerican Expressが決算発表をし、市場予想を上回ったことを好感して6%高。
ディフェンシブ系のセクターではヘルスケアセクターは堅調。
ただし年始からの上昇率の高いEli Lillyは2.6%安となっており、ハイテク株と同様にこれまで資金が集中していた銘柄からの資金の抜けをより意識したくなるような動きになっていました。。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中6業種上昇となりました。
金利上昇局面では弱さも目立つ公益事業セクターですが、ディフェンシブ系の上昇の中で堅調さも。
金融セクターも3日続伸。

エネルギーセクターは反発。
WTI原油先物価格が爆発音騒ぎの直後に大幅上昇したあと、報道が落ち着くにつれて上げ幅を縮めていきましたが、週末に向けてまだリスクの残りを感じていたのかもしれません。

下げが大きかったのは情報技術、コミュニケーション・サービス、一般消費財などビッグテックが含まれているセクター群。
ただコミュニケーション・サービスセクターでもAIブームとは関係ない通信系は上昇📌していたりと、情報・通信系では下げているものばかりではありませんでした。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
中小型株指数のラッセル2000は6日ぶり反発。
採用銘柄の中で構成率の最も高いSuper Micro Computerが23%安だったにも関わらず反発しており、小型の銘柄も強かったことが伺えます。

-- 欧州株 --
STOXX600は小幅安。
欧州株は下落して始まりましたがイギリスFTSEなど終盤で上昇に転じたものもあり、堅調さが継続。

-- 為替(ドル円) --
金曜日の爆発音騒ぎの直後に153円後半まで円高方向に一時進んだものの、報道の落ち着きとともに戻し、爆発音騒ぎが広がる前の水準である154円台半ばに戻っています


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①資金シフトになるかどうか
②イベント待ちの雰囲気

の2つを挙げます。

先週は半導体株が大幅安。
ASML、TSMC決算が思ったよりも振るわずに半導体関連の軟調さに繋がったうえ、週末のイランでの爆発音騒ぎで下げが一段と拡大。
日本では錯綜した情報がきちんと精査される前に取引時間を終えてしまいました。
この狼狽売りを戻す動きに期待したくなるところですが、やはり気になるのは金曜日のハイテク株売り。
金曜日の日本株の半導体株の下げも十分大きかったですが、それで調整に歯止めがかかるのかどうかが不透明である点が気になる📌ところ。
一方で米国株のようにハイテク株以外のところに資金が入るのかどうか。

今週はイベントだらけ。
決算発表は目白押しですし、日本でも金曜日から本格化。
さらに日銀会合も控えており、金曜日にはFRBが最も重視する物価指標であるPCE物価の発表もあります。
今日も米国の決算発表は色々とありますが、経済指標は明日から。
ただ、中国の4月最優遇貸出金利の発表が午前中にあるため、一応中国の動きはその時間帯ではチェックしておきたいところ。

-- 今晩の米国市場 --

NYダウは続伸し、何とか昨年末の水準を割り込まずに先週はなんとか踏みとどまった形に。
一方でNASDAQ総合は週間で大きく下げ、先々週木曜日(4月11日)に過去最高値をつけたはずなのに、気が付けば昨年末からの上昇率は11日の9.5%高から1.8%高へと縮んでしまいました。
それだけ先週は波乱の1週間となったわけですが、それにあわせてVIX(ボラティリティ・インデックス)も大きく上昇。
金曜日は米国のSQ算出日だったため、オプションの清算などで荒れやすい面もあった1週間だったと考えられます。
引き続きイベントだらけで一気に警戒感を解く理由がありませんが、週明けでのVIXの雰囲気がどうなるかもチェックしておきたいところです。


今朝の注目ニュース

あくまで「物価上昇が続けば」という至極当然な前提はあるものの、記事の切り抜き方としては"利上げ"の存在を強調させるようなものに。
今週の日銀会合では据え置きが予想されていますが、会見などで何を語るのかに一段と注目が集まりそう。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 37,986.40 ( +0.56% )
S&P 500 : 4,967.23 ( -0.87% )
NASDAQ: 15,282.01 ( -2.05% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?