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24/04/24 (水)「好決算と米長期金利下落で米株高の火曜」寄り前情報

要点まとめ

  • 米4月PMIは予想を下回り、米長期金利は下落

  • 株価は堅調、企業決算の好調さと米長期金利の下落が好感された模様

  • 欧州株も堅調さを継続

  • 取引時間終了後の時間外ではTesla、Visa、Texas Instrumentsなど堅調

好決算と米長期金利下落で米株高の火曜

米国株主要三指数の値動き:

火曜日の米国株では主要三指数が揃って続伸しました。
先週の株式市場ではNYダウは週間でわずかな上昇と踏ん張った一方、ハイテク株安が重しとなってS&P500とNASDAQ総合は5日間下落が続く軟調な地合いとなりました。
今週はその要因の一つであった中東情勢に関する差し迫った危機感が後退していったことで相場は警戒感が拭えてきたうえ、直近では米企業決算の好調さや、やや上昇に一服感のみえる米長期金利の動きも支えとなっていそうです。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- リスクオンの雰囲気継続 --

市場の警戒感がオプション市場の価格に反映されるという考えから、別名"恐怖指数"ともよばれるVIX(ボラティリティ・インデックス)
今年は低調な水準で警戒感の薄さが続いていたものの、今月に入ってからは米利下げ期待の後退が進むなかでじわじわと上昇。
さらに先々週末に中東情勢の悪化懸念が広がると、昨年10月末以来の19ポイントまで大きく上昇していました。

しかしイランによるイスラエルへの報復攻撃がおこなわれたあとは、イラン側がこれ以上の緊張を避けるような姿勢をみせていることもあって、懸念がやや後退。
それに応じてVIXも低下が進んでいます。

そんなVIXは昨晩の市場でも一段と低下をみせました。
中東情勢以外にもう一つの米金融市場における大きなテーマが政策金利の利下げ期待が当初予想していたよりもだいぶ遅くなりそうだということ
経済指標では"物価は高く、一方で景気も強い"と捉えられる内容のものが相次いだため、「利下げを早期に行なう理由は無い」という趣旨の発言がFRB高官から多く聞かれ、米長期金利は上昇が続いていました。

しかし昨晩発表された米4月PMI速報値では、製造業PMIが市場予想に反して予想外の50ポイント割れ。

この"物価は高く、一方で景気も強い"の見方を今月一段と加速させたきっかけの一つは3月ISM製造業景気指数が2022年以来の50ポイント復帰となる強さをみせたことでしたから、今回のこのPMIを受けてその流れが一旦後退。

もちろん物価の鈍化が今度は見えてこないとスタグフレーション懸念へと繋がりはするものの、一先ずは上昇基調だった米長期金利に一服感もみえてきたことで米国株は好感する流れに。

特に昨晩は米企業決算を好感するものも多く、目立ったところでいえばGeneral Motorsは4%高、UPSは2.4%高、Spotifyは11%高などとなっていました。
取引時間終了後には最近の業績が振るわないTeslaの決算発表も控えていましたが、昨年から下落が続いているTeslaに対して市場全体の株価を左右するほどの期待と警戒を持つことも昨年で終えているのか、そこに警戒をするような雰囲気もありませんでした。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中10業種上昇となりました。
素材セクターではNucorなどが決算を受けて下落した流れで指数も軟調。
それ以外のセクターは続伸。
生活必需品セクターは物色がハイテクなどのリバウンドに向いている面に加え、PepsiCoが決算を受けて3%弱の下落となったことが重しとなっているのか上昇率は低め。
コミュニケーション・サービスや情報技術セクターなどハイテク系は堅調。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
4.65%程度の水準だった米長期金利はPMI速報値の発表後に下落。
4.6%を割り込む時間もありましたが、そこからは下げ渋る動きも。

長期金利の上昇を重しとしやすい小型指数のラッセル2000は金利下落で大きく上昇

-- 欧州株 --
欧州株は軒並み堅調。📌
STOXX600は1%高で大きく上昇。

-- 為替(ドル円) --
ドル円は米長期金利がやや下落しても円高方向に進むような流れをみせず、円安基調の根強さを感じさせはするものの、"過度な変動"と捉えられるような動きはみせていませんでした。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
重しを抱える日本株の需給
を挙げます。

時間外取引ではTeslaは10%を超える上昇、Texas Instrumentsも6%以上、Visaも2%高と堅調。
米企業決算は良く、心地よく今日の日本株相場も向かいたいところですが、やはり気になるのは日本独自の重し。

円安警戒感は残り、それに伴って今週の日銀会合で植田総裁が会見で何を語るのかなども気にされるなか、昨日はプライム市場の売買代金が今年最少となりました。
欧州株の堅調さなども継続してみえるなか、日本株に資金を向かわせる優位性を欠いているような点も気になります。
この欧米の堅調さを素直に受けられるのかにやや警戒したいところ。
ただ最近の指数の重しは主に半導体株の軟調さが響いていますが、Texas Instrumentsの決算が好感されていることは期待したいところ。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目はMetaの決算が取引時間終了後に控えていること。
昨年から堅調さが継続し、いわゆる"Big 7"では年始からのパフォーマンスが高め。
そんな中で投資家を満足させるような結果が出せるのかに注目。


今朝の注目ニュース

大引け後の企業決算関連などでは、ニデック(旧:日本電産)の決算が発表されたことが注目されました。
なかなか昨年は株価が軟調だったニデック。
今回の決算は次の期の業績予想では3期ぶりの過去最高益を見込む内容。
しかし市場予想の方が強かったらしく、PTSでは下落の反応も。
実際の取引時間ではどう反応するか。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 38,503.69 ( +0.69% )
S&P 500 : 5,070.55 ( +1.19% )
NASDAQ: 15,696.64 ( +1.59% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第4週
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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