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24/04/17 (水)「好材料不足」寄り前情報

要点まとめ

  • 昨晩の米企業決算では反応に明暗が分かれる

  • パウエル議長、ジェファーソン副議長の発言で金利高止まりが意識

  • 明確な反発材料が無く、S&P500は3日続落

  • NYダウは7営業日ぶり小反発

  • 半導体関連はやや買い戻される、注目は今日のオランダASML決算

好材料不足

米国株主要三指数の値動き:

火曜日の米国市場では、引き続き高金利環境の継続と中東情勢への懸念が残る中で明るい材料が不在に感じられる中、下げを広げはしなかったものの反発する勢いも無く、S&P500とNASDAQ総合は前日終値を挟みながら動いて小幅続落で終了。昨日まで6営業日続落だったNYダウは小幅に反発して終えました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- ①FRB高官らからは利下げ慎重論 --

昨晩では前日の小売売上高に続き、3月鉱工業生産が発表。
前回内容が上方修正された一方、今回に関しては市場予想にほぼ一致する内容でした。

取り消し線は改定前

一方で住宅着工件数が予想を下回るなど、物価と金利の高止まりによる負担を感じさせるような面もある内容がみられました。

そんな中、昨晩の長期金利を動かしそうな材料として挙げられたのがFed(米国中央銀行制度)高官らの発言。

まず、ジェファーソンFRB副議長は、今後のインフレデータが自身の予想よりも持続性がみられればという前置きのもと、
「it will be appropriate to hold in place the current restrictive stance of policy for longer. (現在の抑制的な政策を維持することが適切となる)」
と発言。
利下げへの前向きさよりも物価高止まりへの懸念を意識するような発言が中心となりました。

また、パウエルFRB議長は参加した討論会の中で、利下げと物価鈍化について、
「The recent data have clearly not given us greater confidence and instead indicate that is likely to take longer than expected to achieve that confidence.(直近のデータではより確信をもたせるような内容ではなかったどころか、確信がもてるまでより長く待つことの必要性を示した)」
と発言。
直近の強い物価指標などを見ても、「1,2ヶ月のデータでは判断しない」というような発言が目立った最近のスタンスよりは、「いまのデータでは(利下げに進むのは)厳しい」という考えを示唆するような発言となりました。

この日の米長期金利は引き続き前日よりも高く推移する展開となりました。


-- ②米決算まちまち --

あまり明るい材料が見当たらないなか、期待したいのは米国企業決算。
反応はまちまちで、昨晩発表された企業の株価としてはBank of Americaは下落、Morgan Stanleyは上昇と明暗が分かれていました。
ヘルスケアセクターでもUnitedHealthは5%高と大きく上昇、Johnson & Johnsonは2%強の下落。2社ともNYダウの構成銘柄ですが、UnitedHealthの方が構成率が高いこともあり、NYダウの7日営業日ぶりの反発要因に。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。
Appleは1.9%安と続落しているものの、半導体関連がやや反発したこともあって情報技術セクターは上昇。
あとはまちまち、または売り優勢。
長期金利の上昇局面で弱さが目立つ不動産、公益事業のセクターが下げを大きめにしています。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米長期金利(10年債利回り)は引き続き上昇。4.67%へ。
高金利に弱い小型株指数のラッセル2000は4日続落。

-- 欧州株 --
欧州株は大幅反落で、STOXX600は1.5%安
月曜日の米国市場では主要三指数が取引時間中盤に下げに転じ、そこから下げ幅を拡大したため、その動きをみる前に月曜日の相場を終えた欧州株は、火曜日になって遅れてこの下げを織り込む形に。
STOXX600が前日比で1%以上下落するのは1月17日以来。

-- 為替(ドル円) --
ドル円はやや不安定な場面も。
昨晩も引き続き円安方向へとじわじわと進む中、154円70銭台で突然数十銭円高方向に進み、なんちゃって介入(為替介入に見せかけた投機的な値動き)のような動きがありましたが、すぐに戻す展開に。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①セクター毎の強弱感
②為替の動き

の2つを挙げます。

月曜日の時点では米国株が反発するという期待もあっただけに、昨日はその期待が裏切られる形で大幅安だった日本株。
その下げの中では直近のパフォーマンスの悪いセクターの方が比較的底堅く、良いセクターの方が売りに押されているような印象を受けました。
一旦昨日の時点でそうした利益確定のような動きが出たとして、一巡したあとはどうなるか。
特に相場にいまは明確に明るい材料がこれといって無いなか、昨晩やや買い戻された半導体関連に物色が入るにしても、今日、明日はオランダのASML、台湾のTSMCなどの半導体関連の決算への注目も忘れないように

為替に関しては日々の注目ポイント。
ドル円は155円という節目が近く、しかし米国の強い経済統計が出ながらじわじわと進んできたここまでの過程では為替介入には踏み切らず。
「"過度な円安"かどうかは水準ではなく値幅」という見方があるなかで、155円の節目を仮に突破をしてもその姿勢が維持されるのかどうかに注目

-- 今晩の米国市場 --

今晩も引き続き米国決算には注目。
相場を大きく動かすような材料がイベントの予定的には見当たらないようにみえますが、そんな中で長期金利がどう動くのか。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 37,798.97 ( +0.17% )
S&P 500 : 5,051.41 ( -0.20% )
NASDAQ: 15,865.25 ( -0.12% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第3週
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

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04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

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05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
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05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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