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【深掘り】日銀金融政策決定会合まとめ


本日終了した4月の日銀金融政策決定会合の結果は、

政策金利(無担保コール翌日物)は現行の0~0.1%程度

で据え置かれ、市場予想通り据置きとなりました。

今回は3ヶ月毎の公表される展望レポートの公表もあったため、個人的に注目しておきたい前回の展望レポートからの変更点をまとめてみました。
また、15時半からおこなわれた植田総裁による記者会見の中での質問の中で、気になるものをまとめています。

最後に、今会合についての感想を述べています。


3ヶ月毎に公表される展望レポートにおける、前回(2024年1月公表)との差の中で、個人的に注目した部分をまとめてみました。

<概要>

旧:当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受ける
新:海外経済が緩やかに成長していくもとで

日本の経済展望について、潜在成長率を上回る成長を続けていくという文面の中にある文言。
海外動向については強気にみていることがまず前提になっている点が注目点。

旧:消費者物価の基調的な上昇率は、 ~~~~~ 見通し期間終盤にかけて「物価安定の目標」に向けて徐々に高まっていくと考えられる。先行きの不確実性はなお高いものの、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている。
新:消費者物価の基調的な上昇率は、 ~~~~~ 見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。

次の利上げ時期を探るという中では、やはり物価安定目標についての不確実性を語る部分が減っている。
「2%目標に近づく」という言い方から、「2%目標で推移する」という言い方が現れるようになった。

旧:物価については、長期にわたる低成長やデフレの経験などから賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である。
新:物価の見通しについては、2024年度は上振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。

リスクバランスについての文言。
「好循環を注視」という話が消えかなり簡潔になっている点に自信を感じさせる。


1.わが国の経済・物価の現状

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