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23/12/04 (月)「円高の重しもあり、大型株軟調」引け後情報


要点まとめ

  • 金曜日の米国株は堅調だったが、今日の日本株は軟調

  • 金曜日よりも円高方向に進んでいたことも重しか

  • 大型株が下落するなか、中小型は底堅い

  • 新興市場ではグロース市場250指数が大きく反発

円高の重しもあり、大型株軟調

株価指数等の値動き:

本日の日本株は先週金曜日の日中に比べ、円高方向に進んだことが重しになっているのか、米国株が堅調だったのに比べて日本株の指数は日経平均株価、TOPIXともに軟調となりました。
結局朝の寄り付き直後を今日の高値とする形で、途中下げ渋りながらもマイナス圏で動き、日経平均株価は安いところで33000円を割り込みかけるところまで下落しました。

-- 円高の重し --

金曜日の日中におけるドル円が148円前後であったのに対し、今日は146円台で動く形となり、前日より円高方向に進んだ状態でのスタートとなりました。
これを受け、輸送用機器など円安メリット系の銘柄が大きく下げ、一方で輸入コストを抑えられる円高メリット系は堅調と、為替面を意識したような動きも📌見られました。

-- 資金の向かう先 --

今日は円安メリット株が下落することで、主にバリュー系銘柄の重しとなる形となりました。一方でグロース株であっても大型株には円安メリット系は多いため、一方的な大型グロース優位とはならず。
米国株でも今年先んじて資金が向かっていたビッグテックなどはこの2日間の上昇の流れに乗れていないように、売りに押されるグロース株もあり、
TOPIXバリュー指数:1.03%安
TOPIXグロース指数:0.63%安

と強弱はあれど、ともに下落して終えました。

一方、出遅れ感のある中小型株には買いに向かう動きも📌あり、規模別指数をみると、
大型:1.04%安
中型:0.60%安
小型:0.02%高

と差が大きく出ました。

東証業種別・市場別指数などの動き:

東証の業種別指数をみてみると、33業種中4業種上昇でした。
まず大きく上昇したのは海運業。
米長期金利が低下するなか、グロース1強という流れでもなく、バリュー系も円高を嫌気して売られたりする中で、高配当という強みがあるためか、3日続伸。海運の運賃の指標であるバルチック海運指数が連日急騰していたり、A.P. モラー・マースクなど海外の海運業の強さも背景にありそうです。
米国同様に不動産セクターも堅調。
高PBRの情報通信なども底堅く、指数はプラス。

一方で下落が大きかったのは輸送用機器、鉱業、銀行、パルプ・紙などバリュー系中心となりました。

東証の発表した本日の空売り比率の合計は45.2%
11月に入ってからは45%を超す日が無く、低水準を続けていましたが、今日の弱い相場の中で売り圧力がやや強かった印象に。

その他の主な動き:

本日の全市場の売買代金ランキング上位15位、スタンダード、グロース市場の上位5位はこのようになりました。

東京エレクトロンやアドバンテストなどが売りに押される中、レーザーテックなど一部の需給が良い銘柄は独自の動きを続けているような値動きに。
グロース市場ではカバー、GNIグループの売買代金が大きく減少し、海帆が1位に。今年は特に仕手化している銘柄ですが、先日SNS上で話題に個人投資家が大量保有報告書が提出され、短期売買が盛り上がった形となっていそうです。


コラム:1月のことも考えておくと

今回の内容は、

早くも12月。
まだ4週ほどあるものの、最後の週には年末モードになって気が緩んでいそう。
今のうちに1月に何があるのかも確認しておくと、意外と特殊なイベントが?

という話。

-- 市場は12月半ばで停滞する可能性も? --

日経平均株価が11月半ばに33000円を復帰してから、高値に押し返されはするものの、33000円は維持するという狭いレンジでの値動きになっています。
方向感があまり出ない中、今年はあと1カ月弱。
しかしクリスマス休暇に入ると市場参加者が減っていき、年末モードになる可能性を考えると、相場に熱を入れたい時期はもはやあと2週間程度。

そう考えると、「来年の事を言えば鬼が笑う」とはいうものの、そろそろ1月のことも考えておいても良い時期かもしれません。

-- 1月のイベント --

毎月の経済統計などのイベントは月末にでもまとめるとして、特殊なイベントをみてみましょう。

まず忘れがちですが、1月に入ると再び米国の財政に関する話題が広がるようになります。
先月可決された2度目のつなぎ予算の期限について、国防費などを含めた全体は2月2日に失効しますが、一部は1月19日まで📌となっているため、年初からいきなりこの動きを気にすることになります。

日本としては1月から始まる新NISA📌がまずは話題になるかも?
物色されやすそうな高配当株などが、益出し売りの可能性が残る12月27日の翌日、28日から年明けにかけて話題に挙がるかを気にしたいところです。

もう一つ、忘れないように下記のイベント日程の中にも加えていますが、1月半ばから始まる東証の『「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表』にも注目。📌
今年の10月下旬に、株価上昇の具体策を示した企業を公表するようになるとしてニュースになりましたが、具体的には1月15日から公表が始まる予定となっており、注目したいイベントです。



明日の注目ポイント

-- 今晩の米国市場 --

今週は雇用関連の指標が多く、注目はそれらに集まりそうな中、今晩は連日高値をつけたNYダウをはじめ、米国株全般がそれを前にどんな動きをみせるのかに注目したいと思います。

-- 明日の日本市場 --

米国に比べて相対的にかなり弱い一日となり、一時は33000円割れもみえた日経平均株価。
昨年末の水準に比べて27%以上上昇しただけに、中長期の投資家の動きを気にするのであれば、年末を前に節税対策の売りに備えた動きも警戒したいですし、先物売買を中心とした短期筋の動向を気にするならば今週はメジャーSQ週で不安定な面も。
全体でみても個別でみても、どうにも方向感を予想しづらい12月といったところで、臨機応変に対応できるようにしていきたいところです。


指数・今後の重要イベント

終値
日経平均株価       : 33,231.27 ( -0.60% )
TOPIX        :  2,362.65 ( -0.83% )
東証グロース市場250  :    713.40 ( +1.81% )
東証プライム市場指数   : 1,215.63 ( -0.84% )
東証スタンダード市場指数 : 1,164.81 ( +0.15% )
東証グロース市場指数   :  906.67 ( +1.63% )
スタンダード市場トップ20: 1,097.29 ( -0.21% )
グロース市場コア     :  943.86 ( +1.42% )

東証プライム 売買代金: 33211億円


イベント

2023年11月第5週/12月第1週
11/27 (月):米10月新築住宅販売件数
11/28 (火):配当・株主優待 権利付き最終日
11/28 (火):米11月消費者信頼感指数
11/29 (水):ベージュブック公表
11/30 (木):米10月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
11/30 (木):MSCI定期見直し実施前日
12/01 (金):米11月ISM製造業景気指数

2023年12月第2週(メジャーSQ週)
12/05 (火):10月JOLTS雇用動態調査
12/05 (火):米11月ISM非製造業景気指数
12/06 (水):米11月ADP雇用統計
12/08 (金):米11月雇用統計
12/08 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年12月第3週
12/12 (火):米11月消費者物価指数
12/12 (火):FOMC(~12/13 日本時間14日早朝にパウエル議長会見予定) 
12/13 (水):米11月卸売物価指数
12/14 (木):ECB理事会
12/14 (木):英国金融政策委員会
12/14 (木):米11月小売売上高
12/15 (金):米11月鉱工業生産
12/15 (金): 米12月PMI 速報値

2023年12月第4週
12/18 (月):日銀金融政策決定会合(~12/19 19日に会見予定)
12/19 (火):米11月住宅着工件数
12/20 (水): 米12月消費者信頼感指数
12/20 (水):米11月中古住宅販売件数
12/21 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
12/22 (金):日本11月全国消費者物価指数
12/22 (金):米11月耐久財受注 速報値
12/22 (金):米11月新築住宅販売件数
12/22 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年12月第5週
12/25 (月):クリスマス 米休場
12/27 (水):配当・株主優待 権利付き最終日

2024年1月第1週
01/01 (月): 元日/新年 日米休場
01/02 (火): 日本休場
01/03 (水): 日米休場
01/03 (水): 11月JOLTS雇用動態調査
01/03 (水): 米12月ISM製造業景気指数
01/03 (水): FOMC議事要旨公表
01/04 (木): 米12月ADP雇用統計
01/05 (金): 米12月ISM非製造業景気指数
01/05 (金): 米12月雇用統計

2024年1月第2週(SQ週)
01/08 (月): 成人の日 日本休場
01/11 (木): 米12月消費者物価指数
01/12 (金): 米12月卸売物価指数

2024年1月第3週
01/15 (月): 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表
01/15 (月): キング牧師記念日 米休場
01/17 (水): 米12月小売売上高
01/17 (水): 米12月鉱工業生産
01/17 (水): ベージュブック公表
01/18 (木): 米12月住宅着工件数
01/19 (金): 日本12月全国消費者物価指数
01/19 (金): 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
01/19 (金): 米12月中古住宅販売件数

2024年1月第4週
01/22 (月): 日銀金融政策決定会合(~1/23 23日に会見予定)
01/25 (木): ECB理事会
01/25 (木): 米12月耐久財受注 速報値
01/25 (木): 米12月新築住宅販売件数
01/26 (金): 米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2024年1月第5週/2月第1週
01/29 (月): 配当・株主優待 権利付き最終日
01/30 (火): 12月JOLTS雇用動態調査
01/30 (火): FOMC(~1/31 日本時間1日早朝にパウエル議長会見予定) 
01/31 (水): 米1月ADP雇用統計
02/01 (木): 英国金融政策委員会
02/01 (木): 米1月ISM製造業景気指数
02/02 (金): 米1月雇用統計

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