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【深掘り】売買代金でみる昨年の日本株の盛り上がった時期

このnoteでは、

来週から4月相場入り。
4月~6月は4月アノマリーなどがある一方、夏が近づくと夏枯れも意識されていく。昨年の日経平均株価は7月初日にピークをつけた。
こうした需給の変わり目を売買代金から見えてこないか……
ということでプライム市場売買代金をカレンダー状に並べてみた。

という話などをしています。


-- 第2四半期(4月~6月)にむけてのポイント --

来週から4月相場がスタートします。
海外投資家による"4月買いアノマリー"という話も有名であるように、4月の株式相場はそこまで経験上では悪くない相場観となっています。

一方で第2四半期後半になると、(これも経験上ですが)年始に比べてパフォーマンスが良くない場合がそれなりにあります。
”Sell in May(5月に売れ)”という格言があるという話は昨年も紹介し、その際に、

・夏季シーズンに取引が減る時期は避けろというのが本質であること
・当然その年ごとの値動きにも左右されること

に触れました。

結局昨年は6月も日本株は強かったため、売るタイミングがあるとすればMay(5月)よりもJune(6月)でした
23年3月31日の日経平均株価は28041.48円でしたが、
23年6月30日の日経平均株価は33189.04円でした。

しかし6月下旬からやや上値が重くなっていくと、7月の需給悪化イベント(ETF分配金捻出)のタイミングらへんで日経平均株価もやや重い動きとなり、7月3日の日経平均株価がこの年の終値としてのピーク(高値)となり、今年1月に入ってようやく上値を抜けて更新したという流れになります。


-- 薄商い、大商い --

"Sell in May"の示す売るタイミングが正しいかは別として、本質となる「薄商いとなるサマーホリデーのシーズン」では株価が明確に上向きにはなりにくいというのは無視できない要素になりそうです。

そこで、
昨年4月以降で売買が活発な時期、そうでない時期を振り返ってみよう
と思います。


対象として、日々公表されている立会内でのプライム市場の売買代金を見比べてみます。
ただ、"薄商い"、"大商い"であることの定義を絶対的な数字で表すことは困難です。
たとえば一昨年まではプライム市場の売買代金が3兆円を超えていれば商いがしっかりしているという認識でいましたが、ここ数ヶ月では4兆円越えすら常態化しています。

そこで、このnoteでの薄商い、大商いの定義としては、

プライム市場の売買代金の25日移動平均を取り、
・それより5000億円以上大きければ"大商い"
・それより5000億円以上少なければ"薄商い"

としておきます。


このように定めておくと、例えば今年の2月のプライム市場の売買代金をカレンダーにすると次のようになります。
オレンジ色が"大商い"、水色が"薄商い"にあたる日となり、数字はプライム市場の売買代金を(億円)単位で表しています。
また3行目は日経平均株価の終値前日比の騰落を表しており、赤いのが上昇率、青いのが下落率を表しています。

2024年 2月

日経平均株価が過去最高値を更新し、売買もかなり活発におこなわれた先月の様子がある程度はっきり見えてきます。

2月21日が青くなっていますが、この日は大注目だったNVIDIAの決算を間近に控えた日です。
過去の感覚でいえばプライム市場売買代金4兆円越えを薄商いと認識できませんが、先程の定義でとらえれば「直近より売買が控えられている」ことが分かるため、ある程度意味のある基準になっているかと思っています。


こうした形で、昨年4月から12月までの同様のカレンダーを紹介していきます。


※おまけとして今年の1月、3月分も掲載しておきます。

2024年 1月
2024年 3月

1月はやはり株高のスタートで盛り上がった印象通り、3月は日銀会合を前に慎重姿勢が青色で示されているように見えますね……
3月15日はFTSEのリバランスの影響で売買が大きくなっています。


-- 2023年4月以降のカレンダー --

さっそく23年4月から見ていきましょう。

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