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24/04/03 (水)「火曜日は米長期金利続伸で米国株続落」寄り前情報

要点まとめ

  • 米長期金利は火曜日も上昇が続き、今年に入ってからの高値更新

  • 4.4%をつけてからは一服感も

  • メスター総裁、デイリー総裁はともに年3回利下げを否定せず

  • ヘルスケアではUnitedhealth、一般消費財ではTeslaが下げ主導

火曜日は米長期金利続伸で米国株続落

米国株主要三指数の値動き:

昨晩の米国株市場は大きく続落。
前日に発表された3月ISM製造業景気指数の強さ、さらに内訳でも仕入れ価格指数の強さもみえたことで米長期金利(10年債利回り)が上昇。
この流れを火曜日になっても続ける形となり、長期金利は一時今年に入ってからの高値を更新し4.4%をつけ、これを重しとするように株価は続落しました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。


-- JOLTSとFed発言と長期金利 --

前日の強い3月ISM製造業景気指数の強さを受けて大きく動いた米長期金利の上昇基調は火曜日になっても続き、米国時間の朝から大きく上昇する動きをみせました。
Fed(米国中央銀行制度)の高官らが見通してきた"政策金利の年3回利下げ"、および"6月利下げ開始"に市場の中でさらに疑念が生じ始め、今年の米国株は利下げ期待もあって堅調だっただけに、大きく続落する動きをみせて始まった火曜日の主要株価指数📌となりました。

火曜日から毎日のように雇用関連の指標が発表される週となっていますが、昨晩に関しては2月JOLTS(雇用動態調査)の結果が発表され、求人件数はほぼ横ばい。

取り消し線は改定前

一先ず長期金利の上昇をさらに強める内容にはならず、4.4%をつけたところで一服感も出たことで、米国株は下げ幅拡大の動きには至りませんでしたが、下げ幅を大きく縮める動きにもならず。

一方、火曜日の市場ではFed高官らの発言機会も多く、今年のFOMC(連邦公開市場委員会)において投票権をもつクリーブランド連銀のメスター総裁、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁の発言があり、"年内3回利下げ"や"6月利下げ開始"に対して否定的なコメントを出しませんでした。📌
スタンスとしてはやはり"データ次第"としています。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。
原油価格の上昇基調を受けてエネルギーセクターも堅調さを継続。
また公益事業セクターが底堅かったほか、コミュニケーション・サービスも時価総額の大きいところではMetaが上昇、Alphabetは0.4%の下げと底堅く、ほかの通信関連などもまちまちだったため、セクター指数も底堅さがありました。

下げが大きかったのはヘルスケアや一般消費財。
ヘルスケアではUnitedhealthが大幅安。バイデン政権が25年のメディケア・アドバンテージプランの支払額を増額させず据え置いたことがサプライズとなり、Humanaなど医療保険関連銘柄とともに下落。
一般消費財ではTeslaの下げが大きく、この日発表した24年1-3月期の世界販売台数が前年同期比で9%減少、15四半期ぶりのマイナスになったと報じられたことが嫌気されました。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米長期金利は4.4%をつけたあとはやや一服感を出すも、前日より高い水準で推移。
金利の動きに敏感さのある中小型株指数のラッセル2000にも逆風となり、2%以上下落。

-- 欧州株 --
欧州株も米国株安を受けてやや軟調。
STOXX600は0.8%安。

-- 為替(ドル円) --
米長期金利が上下するなかでもドル円に関しては小動きで、151円半ばから動かず。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
①25日線を割ったTOPIXの方向感
②今週のイベントへの警戒感

の2つを挙げます。

日経平均株価は昨日、一昨日と25日移動平均線を一時割り込むも、終値では何とか保っています。
一方で昨日のTOPIXは終値でも25日線割れ。これは12月26日以来となります。
これまで早すぎた上昇ピッチからの落ち着きが反映されはじめ、それぞれの25日移動平均線自体も下向きになりかけているため、テクニカル的には下値抵抗として支えてくれそうな水準が切り下がっていくかもしれないことに対しては警戒しておきたいところ。
ただ日経平均でみれば今年に入って3月15日の一日だけ終値で25日線を割り込むも、その後に大きく上昇したこともあり、ズルズルと下げる前にこうした底堅さがでるかどうかがポイントに。

今晩はADP雇用統計、さらにはISMの非製造業景気指数の発表もあるために大注目。
金曜日の雇用統計もありますので、こうしたイベントを前にポジションを取りにくいなか、日本株は買い戻しの動きがみせられるのかどうか。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目はそのADP雇用統計と3月ISM非製造業景気指数。
ISM製造業景気指数に関してはそもそも50を割り込み続けていたのに対して、予想外の50越えというサプライズが効きましたが、非製造業は元々好調。強すぎない"並"な結果を市場は求めていそうです。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,170.24 ( -1.00% )
S&P 500 : 5,205.81 ( -0.72% )
NASDAQ: 16,240.44 ( -0.95% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年4月第1週
04/03 (水): 米3月ADP雇用統計
04/03 (水): 米3月ISM非製造業景気指数
04/05 (金): 米3月雇用統計

2024年4月第2週(SQ週)
04/08 (月): 日本2月分毎月勤労統計調査 速報
04/10 (水): 米3月消費者物価指数
04/10 (水): FOMC議事要旨公表
04/11 (木): 米3月卸売物価指数
04/11 (木): ECB理事会
04/12 (金): 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年4月第3週
04/15 (月): 米3月小売売上高
04/16 (火): 米3月鉱工業生産
04/16 (火): 米3月住宅着工件数
04/17 (水): ベージュブック公表
04/18 (木): 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
04/18 (木): 米3月中古住宅販売件数
04/19 (金): 日本3月全国消費者物価指数

2024年4月第4週
04/23 (火): 米3月新築住宅販売件数
04/23 (火): 欧米4月PMI 速報値
04/24 (水): 米3月耐久財受注 速報値
04/25 (木): 配当・株主優待 権利付き最終日
04/25 (木): 日銀金融政策決定会合(~04/26 26日に会見予定)
04/25 (木): 米実質GDP(速報値) Q1
04/26 (金): 米3月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
04/26 (金): TOPIX浮動株比率の定期見直し実施前日(リバランス発生見込み)

2024年4月第5週/5月第1週
04/29 (月): 昭和の日 日本休場
04/30 (火): 米4月消費者信頼感指数
04/30 (火): FOMC(~05/01 日本時間02日早朝にパウエル議長会見予定) 
05/01 (水): 米4月ADP雇用統計
05/01 (水): 米4月ISM製造業景気指数
05/01 (水): 3月JOLTS雇用動態調査
05/03 (金): 米4月ISM非製造業景気指数
05/03 (金): 米4月雇用統計
05/03 (金): 憲法記念の日 日本休場

2024年5月第2週(SQ週)
05/06 (月): こどもの日 振替 日本休場
05/09 (木): 日本3月分毎月勤労統計調査 速報
05/09 (木): 英国金融政策委員会
05/10 (金): 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表(実施日確認を手帳に)
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/15 (水): FOMC議事要旨公表
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

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