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23/12/07 (木)「先物の乱高下」寄り前情報


要点まとめ

  • ADP雇用統計は市場予想を下回る

  • 米長期金利は下落するも、米国株は好感せず

  • 米国株主要三指数は横ばいで動いた後、終盤にやや失速

  • 超大型株は昨日の反発から一転、再び下げ

  • 日経先物は下落、メジャーSQ週のため引き続き水準が気になる

先物の乱高下

米国株主要三指数の値動き:

水曜日の米国市場ではADP雇用統計の発表がありました。
雇用者数の伸びが前回を上回る予想に反して鈍化する内容となり、米長期金利は下落で反応。
米国株主要三指数は上昇して始まったものの、上げ幅を縮め前日終値付近で横ばいの動きを続け、終盤には下げ幅をやや広げて終わりました

-- 反落の超大型株 --

11月ADP雇用統計は、雇用者数の伸びが鈍化
先月発表された10月の(米労働省労働統計局が発表する)雇用統計では、全米自動車労働組合(UAW)のストライキの影響もあって弱い内容となったとの指摘もあっただけに、11月分ではその反動が出るのではないかとの声も📌ある中、予想外の伸び鈍化というようにも受け止められそうで、米長期金利は低下しました。

取り消し線は改定前

月曜日の米国市場では7銘柄すべてが下落となったいわゆる"Magnificent Seven" (Alphabet, Apple, Meta Platforms, Amazon, Microsoft, NVIDIA, Tesla)ですが、火曜日は反発ムードに。
その日のNASDAQ総合株価指数の上昇要因となり、昨日の日本株の堅調さの一因にもなりました。
昨晩は米長期金利が低下する中で開始直後は続伸するものが多かったものの、失速。そのまま下げを広げるものが多く、7銘柄中6銘柄が下落しています。
NASDAQ総合株価指数もNYダウに比べて下げ率が大きくなり、日経先物もこの動きに反応するように下落。
今週の日本はメジャーSQ週であり、今日が12月が限月の最終売買日にあたり、特に目立っている今週の先物の乱高下が気になる📌ところです。

-- 色んな資産が気になる相場 --

WTI原油価格は70ドル割れ。📌
昨日の朝のnoteでも触れましたが、70ドル付近がここ1年半程度の下値水準📌であり、これを明確に割り込むほどの弱含みをみせるのかどうかが今後の原油価格の注目点になりそうです。

原油価格は景気面の影響が大きいと思われますが、ニューヨーク金先物が今週に史上最高額をつけたなど、米長期金利下落(とドルの価格低下)の中では色んな資産の値動きも活発に。
ビットコインの価格も最近は急騰しており、こちらは長期金利下落による影響のほか、まだ米証券取引委員会(SEC)から未承認のビットコイン現物型ETFの承認が期待される形にもなっています。

S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。

上昇率1位は公益事業。ヘルスケアは製薬会社などが反落する中、医療機器などが反発し、かろうじて指数はプラス。生活必需品セクターも下落率は小さく、ディフェンシブ系が底堅い印象
景気敏感系では資本財セクターは堅調でNYダウの支えにもなった一方、エネルギーセクターがやはり原油価格低下の中で最も下げが大きい業種になるなど、まちまち。
昨日上昇していた超大型株を含む3業種(情報技術、コミュニケーション・サービス、一般消費財)は揃って下落しました。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
小型株指数のラッセル2000は小幅ながら続落。
反発して始まりましたが、主要株指数と同様に終盤でマイナスに転じました。

-- 欧州株 --
米国株がマイナスに転じる前に終わったこともあり、欧州株は続伸。
STOXX600は0.52%高。
ドイツDAXは前日に続き最高値を更新しました。

-- 為替(ドル円) --
ドル円は米長期金利が低下する中でも前日からあまり変わらず、147円台前半で朝を迎えました。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
水準を気にした動き
を挙げます。

日本市場は日経平均株価33000円の周りで今週は動く展開に。
一昨日は割り込み、昨日は回復したあとに大きく上昇。
昨晩は日経先物が下落し、再び33000円が近づいています。
明日はメジャーSQ日のため、引き続き先物市場が水準を気にした動きをみせる展開が考えられるため、予想外な上下の仕方には注意📌です。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目点は新規失業保険申請件数
週次で発表されるこの指標ですが、毎週発表されるのは前週分。つまり先週の発表はサンクスギビングデーを含んだ週だったということになります。
そのため、今日の発表分は祝日が明けたあとの週が調査対象ということに。
休日を含んだ週の前後では他の週に比べて市場予想を立てるのも難しそうだという点には注意📌です。


今朝の注目ニュース

銀行の資本規制強化案に関して、銀行側が規制強化に対して「さらなる貸し渋りなどにつながり、悪影響がある」と反対をする一方、規制当局は今年のSVB破綻などを理由に強化の必要性を訴え、意見が対立。
今後規制案がどうなるかということも、米銀行や経済にとっては重要になるかも?


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30  : 36,054.43 ( -0.19% )
S&P 500 : 4,549.34 ( -0.39% )
NASDAQ: 14,146.71 ( -0.58% )


イベント

2023年12月第2週(メジャーSQ週)
12/08 (金):米11月雇用統計
12/08 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年12月第3週
12/12 (火):米11月消費者物価指数
12/12 (火):FOMC(~12/13 日本時間14日早朝にパウエル議長会見予定) 
12/13 (水):米11月卸売物価指数
12/14 (木):ECB理事会
12/14 (木):英国金融政策委員会
12/14 (木):米11月小売売上高
12/15 (金):米11月鉱工業生産
12/15 (金): 米12月PMI 速報値

2023年12月第4週
12/18 (月):日銀金融政策決定会合(~12/19 19日に会見予定)
12/19 (火):米11月住宅着工件数
12/20 (水): 米12月消費者信頼感指数
12/20 (水):米11月中古住宅販売件数
12/21 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
12/22 (金):日本11月全国消費者物価指数
12/22 (金):米11月耐久財受注 速報値
12/22 (金):米11月新築住宅販売件数
12/22 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2023年12月第5週
12/25 (月):クリスマス 米休場
12/27 (水):配当・株主優待 権利付き最終日

2024年1月第1週
01/01 (月): 元日/新年 日米休場
01/02 (火): 日本休場
01/03 (水): 日米休場
01/03 (水): 11月JOLTS雇用動態調査
01/03 (水): 米12月ISM製造業景気指数
01/03 (水): FOMC議事要旨公表
01/04 (木): 米12月ADP雇用統計
01/05 (金): 米12月ISM非製造業景気指数
01/05 (金): 米12月雇用統計

2024年1月第2週(SQ週)
01/08 (月): 成人の日 日本休場
01/11 (木): 米12月消費者物価指数
01/12 (金): 米12月卸売物価指数

2024年1月第3週
01/15 (月): 「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」開示企業一覧表公表
01/15 (月): キング牧師記念日 米休場
01/17 (水): 米12月小売売上高
01/17 (水): 米12月鉱工業生産
01/17 (水): ベージュブック公表
01/18 (木): 米12月住宅着工件数
01/19 (金): 日本12月全国消費者物価指数
01/19 (金): 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
01/19 (金): 米12月中古住宅販売件数

2024年1月第4週
01/22 (月): 日銀金融政策決定会合(~1/23 23日に会見予定)
01/25 (木): ECB理事会
01/25 (木): 米12月耐久財受注 速報値
01/25 (木): 米12月新築住宅販売件数
01/26 (金): 米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2024年1月第5週/2月第1週
01/29 (月): 配当・株主優待 権利付き最終日
01/30 (火): 12月JOLTS雇用動態調査
01/30 (火): FOMC(~1/31 日本時間1日早朝にパウエル議長会見予定) 
01/31 (水): 米1月ADP雇用統計
02/01 (木): 英国金融政策委員会
02/01 (木): 米1月ISM製造業景気指数
02/02 (金): 米1月雇用統計

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