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24/05/23 (木)「NVIDIA決算通過」寄り前情報

要点まとめ

  • 取引時間終了後のNVDA決算を前に、主要三指数は揃って反落

  • FOMC議事要旨は4月30日~5月1日開催とはいえややタカ派に感じる内容

  • NVIDIA決算はアナリスト予想上回る内容、時間外ではプラスで反応

NVIDIA決算通過

米国株主要三指数の値動き:

水曜日の米国株市場では取引時間終了後に注目のNVIDIA決算の発表が控えているという中、取引時間後半に下落する動きをみせて終えていました。

昨日の夕方noteにて注目ポイントとした点を振り返っていきましょう。
(①、②などの番号は前回のnoteで注目ポイントとした内容の番号に連動して割り振っています)


-- ①"Various"……? --

取引時間中の米国株の値動きをまずは振り返ると、主要三指数は揃って前日に続いて小動きスタート。NVIDIA決算を終了後に控えていた中、前日終値を挟んだ動きをしていました。

ただ取引時間後半になると下落方向にやや動き出しました。
その動きの最中に前会合分のFOMC議事要旨が公表されるという展開
に。

前会合分は4月30日~5月1日に開催されていたこともあって、今月発表された雇用統計やCPIなどの動きを見る前のデータに基づいた内容であったこともあり、内容は想像通りのタカ派的なものでした。

中でも

Various participants mentioned a willingness to tighten policy further should risks to inflation materialize in a way that such an action became appropriate.
(インフレリスクが顕在化し必要な状況だと思われた場合には、政策のさらなる引き締めをする用意があるとさまざまな参加者が述べた)

という一文に関しては、ボウマン理事など一部のFRB高官は利上げの可能性も排除していないことが知れ渡っているにしても、"Various participants (複数の参加者)"が述べたという表記には想像よりもややタカ派な印象を受けました。
ただ、Fedが普段使っている数を表す言葉(counting words)では、
多い時は"most"、
それよりも少なめなら"some"や"several"、
三、四人なら"few"、
2人程度なら"a couple"、
など伝統的に使う言葉がある程度決められている中、Variousがどの程度を表しているのか分かりづらいという点がややこの文脈の受け取り方を難しくしています。


-- ②NVIDIA決算通過 --

結局主要三指数は前日のNASDAQ総合、S&P500の過去最高値更新からは反落する形で終え、NVIDIAの決算が取引時間後に発表されました。

アナリスト予想を上回る業績と6月7日からの1対10の株式分割、増配も発表。
これを受け、発表後の時間外取引は数%上昇し、4%~8%上昇あたりでうろうろする動きを見せています。


S&P500業種別指数などの動き:

S&P500業種別指数は11業種中3業種上昇となりました。

WTI原油先物価格が下落したなか、エネルギーセクターは相変わらず1セクターだけ際立って直近の軟調さをみせています。
直近で堅調だった公益事業も下落。

一方NVIDIAの決算を控えていた中でも情報技術セクターはまちまち。
資本財、ヘルスケアなどもまちまち。
一般消費財セクターではやや下落が目立ったほか、Teslaの昨日の大幅上昇からの反落も指数にはやや重しに。

その他の主な動き:

-- その他指数 --
米週間石油在庫統計で在庫増を受けてか、WTI原油価格は78ドル割れ。
先週はこの水準から反発し週末には80ドルをつけていましたが、反発する動きは続かずに戻ってきた形に。

-- 欧州株 --
欧州株は続落。
STOXX600は小幅続落。

-- 為替(ドル円) --
ドル円はやや円安方向に進行。
日本の長期金利もじわじわと上昇が続いている中、米長期金利の上下にしては円安基調を崩さずに動いている印象。


今日の注目ポイント

-- 本日の日本市場 --

本日の日本市場のポイントとして、
NVIDIA決算を理由にしてどれだけ買い上がれるか
を挙げます。

半導体関連株の占める割合が大きい日経平均株価にとって、NVIDIA決算を無事通過したことはポジティブ。
日経先物も上向きとなっています。
ただ、それがどれほどの日本株買いの要因になるのかは不透明。
まず日経平均株価の39,000円の節目を抜けるには1%以上の上昇が必要となります。
そこから一段と買い上がれるのか、節目を抜けられずに上値意識が働くのか……肝心なのはNVIDIA決算を受け、ここ数日やや薄商いの日本株の売買がどれだけ活発になるかということになりそうです。

-- 今晩の米国市場 --

今晩の注目は米PMI速報値。
ほかにも新築住宅販売件数、週次の新規失業保険申請件数の発表などもあるため、経済統計を受けた米金利の反応などに要注目です。

もちろん、決算を受けて時間外では無く実際の取引時間でNVIDIAの株価がどう動くのか、そして他の銘柄、業種、全体の指数などがどんな方向感をみせるのかにも注目。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 : 39,671.04 ( -0.51% )
S&P 500 : 5,307.01 ( -0.27% )
NASDAQ: 16,801.54 ( -0.18% )


イベント
(誤字、表記ミスがたまにあるため、必ず自身でもご確認を)

2024年5月第3週
05/14 (火): 米4月卸売物価指数
05/14 (火): MSCI定期見直し公表
05/15 (水): 米4月消費者物価指数
05/15 (水): 米4月小売売上高
05/16 (木): 米4月鉱工業生産
05/16 (木): 米4月住宅着工件数
05/16 (木): 米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2024年5月第4週
05/22 (水): 米4月中古住宅販売件数
05/22 (水): FOMC議事要旨公表
05/23 (木): 米4月新築住宅販売件数
05/23 (木): 欧米5月PMI 速報値
05/24 (金): 日本4月全国消費者物価指数
05/24 (金): 米4月耐久財受注 速報値

2024年5月第5週
05/27 (月): メモリアルデー 米休場
05/28 (火): 米5月消費者信頼感指数
05/29 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
05/29 (水): ベージュブック公表
05/30 (木): 米実質GDP(改定値) Q1
05/31 (金): 日本5月東京都区部消費者物価指数 速報値
05/31 (金): 米4月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
05/31 (金): MSCI定期見直し実施前日(リバランス発生見込み) 

2024年6月第1週
06/03 (月): 米5月ISM製造業景気指数
06/04 (火): 4月JOLTS雇用動態調査
06/05 (水): 日本4月分毎月勤労統計調査 速報
06/05 (水): 米5月ADP雇用統計
06/05 (水): 米5月ISM非製造業景気指数
06/06 (木): ECB理事会
06/07 (金): 日本4月分家計調査
06/07 (金): 米5月雇用統計

2024年6月第2週(メジャーSQ週)
06/10 (月): 景気ウォッチャー調査 5月調査
06/11 (火): FOMC(~06/12 日本時間13日早朝にパウエル議長会見予定) 
06/12 (水): 米5月消費者物価指数
06/13 (木): 米5月卸売物価指数
06/13 (木): 日銀金融政策決定会合(~06/14 14日に会見予定)
06/14 (金): 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2024年6月第3週
06/18 (火): 米5月小売売上高
06/18 (火): 米5月鉱工業生産
06/19 (水): ジューンティーンスデー 米休場
06/20 (木): 米5月住宅着工件数
06/20 (木): 米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
06/20 (木): 英国金融政策委員会
06/21 (金): 日本5月全国消費者物価指数
06/21 (金): 米5月中古住宅販売件数

2024年6月第4週
06/25 (火): 米6月消費者信頼感指数
06/26 (水): 米5月新築住宅販売件数
06/26 (水): 配当・株主優待 権利付き最終日
06/27 (木): 米5月耐久財受注 速報値
06/27 (木): 米実質GDP(確報値) Q1
06/28 (金): 日本6月東京都区部消費者物価指数 速報値
06/28 (金): 米5月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

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