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【深掘り】植田総裁の「チャレンジング・ショック」……しかし"チャレンジング"の発言は伏線があった

今回の内容は、

一部では「チャレンジング・ショック」とも表現された昨晩の為替や今日の株価の動き。
ところがこの発言は、2月の所信聴取でも誰がやっても難しいであろう日銀新総裁を請け負うことについて「チャレンジングな仕事」と表現していたのを自身で振り返りながら出た言葉だった。
その発言内容をしっかりとみてみる。

という話です。

-- 昨日と今日の動き --

昨日(12月7日)の参議院財政金融委員会の中で、植田総裁の発言として「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」との表現をし、これが「早ければ12月会合でも政策修正があるのではないか」という思惑を市場が再浮上させたようなに捉えられるような日本の長期金利、為替、株価の動きとなりました。

ただ、
日本の長期金利は「30年債入札の低調さ」
株価に関しては「不安定なメジャーSQ週の流れ」であったところに「円高方向への急な動き」が重なったことが重しになっている面がありそう、
・その為替の方は「投機筋が大きく振り回されていそう」
ということを考えると、実際には12月会合の修正論が非常に大きくなったというわけではなく、投機筋の調整のきっかけを与えた程度の出来事だった可能性もあります。
実際、政策修正思惑が強まった時に急上昇しやすい昨日、今日の銀行株に関しては逆行高とはなっているものの、そこまで急な動きではありませんでした。

さらに今朝発表された7-9月期のGDP改定値について、マイナス成長となっていた速報値の内容をさらに下方修正する弱い内容となるなど、政策修正がしやすい状況が強まっているとは言えない直近のデータということで、まさしく"チャレンジングな状況"と言えそうです。


-- 過去にも「チャレンジング」発言 --

今回の発言の中で、「チャレンジング」という表現が非常に注目されました。
特に海外の目線からすると、チャレンジングという表現は「政策修正が難しい状況であるにもかかわらず、踏み込むしかない」という厳しさを感じさせるような表現にも見えますし、それを見出しにして速報記事としてみると確かに思惑を急浮上させそうな表現となります。

ただし、この発言の背後には、今年の2月の所信聴取においてのかつての「チャレンジング」発言が大きく関わっています。📌

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