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22/10/11 (火) 「リオープン関連と半導体関連で明暗」引け後情報

リオープン関連と半導体関連で明暗

金曜日の雇用統計後の連日下落となった米国株でしたが、そんな中でも特に大きく下げたのが半導体関連でした。半導体関連は朝のnoteでも触れましたが、バイデン政権の半導体関連製品の対中国輸出規制強化やAMDの暫定決算のネガティブ材料などがありました。
これを受けて連休明けとなった今日の日経平均株価は300円以上安く始まり、売り気配で寄り付くのに時間がかかる銘柄も多く、ほぼ寄り付いて出揃ったタイミングでは500円以上の下落となりました。そこから下げ渋る動きをみせ、TOPIXも1%未満の下げ幅、マザーズは0.35%程度の下げ幅まで下げ渋る動きをみせましたが、他アジア市場が始まる10時半頃には各指数ともに急速に下落し、そこから日経平均とTOPIXはこの日の安値を更新していく動きに変わりました。
他アジアの中では半導体関連の動きに影響を受けやすい台湾加権指数が4%以上の下落となっていました。
後場も切り返すような動きはなかなか見えず、そのまま日経平均株価は700円以上安い大幅安で終え、TOPIXも1.86%と下げが大きくなりました。

今日の日経平均株価の寄与度をみると、上位には鉄道などの陸運、イオンや高島屋などの百貨店銘柄が並んでおり、今日から始まった水際対策緩和への期待が反映されたような形で逆行高となっていました。一方でマイナスの寄与度が大きかったのはやはり半導体関連が目立ちました。
業種別指数をみても、上昇していたわずか5業種の中には空運業、陸運業が1位と3位となっていました(ちなみに2位は海運、4位と5位は電気・ガスと銀行業でした)。下落率が最も高かったのは4%以上下落した精密機器を抜いて、水産・農林業となっていましたが、これはサカタのタネが業績下方修正で大きく下落していたことが大きく寄与していたようです。

先週の長期金利の動きを振り返る

先週の動きはやはりアメリカの長期金利につられて動くところが大きくなりました。実際、米国債券の10年債利回りの終値をみてみると、
09/30 3.829% (先々週末)
10/03 3.643%
10/04 3.635%
10/05 3.755%
10/06 3.828%
10/07 3.888%
となっていました。

まずは先々週の主な動きから振り返ります。
先々週の水曜日(9月28日)では4%をつける場面がありましたが、その日に英中銀の長期国債の買い入れ(先週のnote)をきっかけに3.70%付近まで急落し、ただしこれはアメリカの長期金利の下落要因としては弱かったためか、木曜日、金曜日で再び上昇し3.829%となっていたのが先々週末でした。

その後の先週の動きについて。
月曜日と火曜日で長期金利は下落していますが、この間にあった主な出来事としては
・月曜日に発表されたISM製造業景気指数が市場予想を下回った
・火曜日に発表されたJOLTSの求人件数が前月発表分から大幅減となった
ことが挙げられ、特に求人件数減は需給逼迫の緩和として捉えられ、金曜日の雇用統計への同様な需給逼迫緩和の期待を膨らませたように感じます

一方でこれに相反するかのように、
・水曜日に発表されたISM非製造業景気指数が市場予想を上回った
・水曜日に発表されたADP雇用統計が市場予想・前月分をともに上回った
という内容もあり、長期金利の下落の流れは火曜日で一旦止まって、水曜日、木曜日は上昇していきました。
ただ木曜日では先週分の新規失業保険申請件数が市場予想と前回を上回り(とはいっても先週分が市場予想よりかなり低かったのですが)、このことも今回の雇用統計への期待に繋がったのかもしれません。

しかし金曜日に雇用統計が実際に出ると、非農業部門雇用者数の伸びは市場予想を下回ったものの、失業率は低下し、かなりの低水準が続いている状況となっていることから引き続き労働市場逼迫は続いているとの見方に戻ったような反応となりました。さらに、先週の木曜日までのいくつかの経済統計と欧州市場の不安定さ、火曜日に豪中銀の理事会で利上げ幅縮小をしたことなどもあって、やや浮上してきた11月頭に開催されるFOMCにおける利上げ幅の50ベーシスへの縮小期待も後退し、75ベーシスの利上げを織り込む動きが進みました。

現在(16:00頃)も月曜日のコロンブスデーで休場だった債券市場が明け、上昇する動きをみせて米国債10年債利回りは一時再び4.00%をつけるなど長期金利は上昇しており、今週のCPIまでどう動くかに注目したいところです。

明日の注目ポイント

明日の夜は米CPIに先駆けて卸売物価(PPI)の発表があり、こちらの動きをまずみておきたいところです。またその後夜中にFOMCの議事要旨の公表が予定されています。
日本では引き続き6-8月期の決算が多く出ていますので、水際対策緩和が本格化していることも合わせ、こういった日本独自の動きにも注目していきたいところです。

指数・今後の重要イベント

10/11 終値
日経平均株価:26401.25 (-2.64%)
TOPIX :  1871.24 (-1.86%)
マザーズ  :    716.87 (-1.15%)

東証プライム市場指数   :962.83 (-1.87%)
東証スタンダード市場指数 :972.23 (-1.20%)
東証グロース市場指数   :911.48 (-1.14%)
スタンダード市場トップ20:932.05 (-1.43%)
グロース市場コア     :822.56 (-1.88%)

東証プライム 売買代金:31594億円


イベント
2022年10月第2週 (SQ週)

10/12 (水):米9月卸売物価指数
10/12 (水):FOMC議事要旨公表
10/13 (木):米9月消費者物価指数
10/14 (金):米9月小売売上高
10/14 (金):米10月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
10/16 (日):中国共産党大会 開幕

2022年10月第3週
10/18 (火):米9月鉱工業生産
10/19 (水):ベージュブック公表
10/20 (木):米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2022年10月第4週
10/24 (月):米10月PMI 速報値
10/27 (木):米9月耐久財受注
10/27 (木):配当・株主優待 権利付き最終日
10/27 (木):日銀金融政策決定会合(~10/28 28日に黒田会見予定)
10/27 (木):ECB理事会
10/28 (金):米9月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2022年11月第1週
11/1 (火):FOMC(~11/2 日本時間3日早朝にパウエル議長会見予定)


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