【自己紹介】ある脳神経外科医(脊椎外科医)の半生
はじめまして。もつ(motsu)といいます。39歳の脳神経外科医です。
資格は脳神経外科専門医、医学博士、脊髄外科学会認定医などです。
脳神経外科全般、とくに首や腰の病気、手足のしびれなどの末梢神経疾患を中心に診療をしています。
医者になって15年目です。
一番活動的に仕事しているような世代になります。
いままでの自分のキャリアですが
若手時代は医局に属して、関連病院を数か所まわり、脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍などを中心に診ていました。
おそらく大部分の脳神経外科専攻医がそのようにすると思います。
出身大学の大学院にも入っていましたが、研究自体は国立がんセンターというところで脳腫瘍の研究を行っていました。幸運にも研究成果が出て、論文も書くことができ、無事スムーズに大学院を修了、医学博士を取得しています。
その後、医局の関連病院へ戻り、一般脳神経外科診療をしておりました。
上司や後輩に恵まれ、地方総合病院で働きながら、多忙な日々を過ごしていましたが、内科と一緒に行っていた脳卒中救急診療が、突如内科若手の先生の体調不良に崩れ始め、そこにコロナが重なり、院内の不和など大変な日々が続きました。
その中で、新たに自分の武器を作ろうと思い、単身赴任で国内留学を行い、脊椎脊髄外科を学びました。
しかし、その国内留学も、3人目が産まれ、妻のキャパが危ういのではと感じ始め、1年で地元に戻ってまいりました。
私の地元は、脊椎外科診療は整形外科の先生方が精力的に行っている地域で、当初赴任した病院も、国内留学の手引をしてくれた指導医が在籍し、ひきつづき勉強するためではあったのですが、脊椎外科や脳神経外科のワークとしては少ないため、療養病棟の入院主治医も努めました。
当初、今までの急性期病院の診療との違いに戸惑うこともありましたが、急性期〜慢性期、患者の死生観まで全体を俯瞰しながら診療を行えるようになたことは良かったと感じています。
赴任半年で突然指導医が退職となり、指導者を失った私は、手術トラブルなど重なり、不遇の日々を過ごすことになります。言い方は悪いですが、複数人で決めた方針の責任を一人で背負わされることになったのです。
いわゆる、とかげの尻尾切り。
こうなるであろうと、期待の大きかったキャリアが瓦解する感覚、自責感も強くなり、しっかりと「うつ」になりましたが、古い友人の助けもあり、開業に関した活動に着手したり、なにか飯の種をみつけなくてはと、もともと行っていたブロック注射手技の拡充に努めました。
セミナー、ハンズオンには積極的に参加しました。コロナのおかげで一般化した豊富なオンラインセミナーも助けになりました。現在はYoutube動画もたくさんありますね。
2023年8月頃でしょうか、4月頃になんとなく登録した医師の人材サービス会社からの求人で気になる案件が出てきたこと、前述のトラブルの件が一段落したことをきっかけに水面下に就職活動を開始します。
開業に関しては所属医局の教授から許可を頂いていましたが、病院の移動はなかなか認めてもらえませんでした。
直談判すること5回、ようやく転勤に教授からOKがでました。
そして2024年4月より現在の病院で働いています。
ざっくりとこれまでの自分の医師人生を振り返ると、
研修医 1−2年目
専門研修医 3−6年目
基礎研究期間 7−8年目
脳外科専門医として診療にコミット 9−11年目
国内留学にて脊椎脊髄外科研修 12年目
地元に戻って少々の脳外・脊椎診療 13年目の半分
療養病棟、ブロック注射の勉強、就職活動、開業の勉強 14年目
地方病院で脳外科、脊椎外科診療再開 15年目
となります。
人生何があるかわかりません。
私も、13年目の途中までは不自由ないキャリアでしたが、突如壁が出現しました。組織、人間関係など否応なく自分からいろんなものを奪う存在がでてくることがあります。
それでも、
あきらめないこと
人と人とのつながりを大事にすること
がとても重要であると感じています。
Your thought becomes your reality.
The kindness you put out in the world has a way of coming back to you.
30代の医師はさまざまな苦労が出てきます。
そこを乗り越えると、ちがった景色が見えると思います。
これを読んで、一人の医師の人生を少し感じていただければ幸いです。
また、キャリアに悩む医師の先生やそんな医師の家族の方にも寄り添えることができればうれしいです。
どんな職業も前途いろいろ苦難は生じうる。
それは医師も同様です。
Keep pushing,keep trying!
これからもよろしくお願いいたします。
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