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映画とわたし

私はいま映像を作る仕事をしています。
肩書で言うと、主にディレクターという立場をしています。
ドキュメンタリー、CMやwebの広告映像、を主に作らせていただいております。
その傍ら、短編映画を作っています。

なぜ私がこういった"映像を作る仕事"に就きたかったのか、それを書こうと思います。
私のことなんか興味ないよ、という方がほとんどだと思いますのが、お暇でしたらお付き合いください。

=====ここから先はお暇な方だけ=====

さて、話の続きです。
映像に興味を持ち出したのは、わたしが高校2年生です。
その瞬間は今でもハッキリと覚えています。

ある映画に出会いました。
その映画は、大林宣彦監督の『転校生』です。
映画館ではなく家のテレビで観ました。VHSで。
当時は火曜やら金曜やら21時から毎週必ず映画を放送してました。
何曜かは忘れましたが何曜ロードショーで『転校生』が放送されたんです。
私には9つ上の兄がいて、その兄から電話があり「録画しろ」と言われて録画しました。正直「めんどくせぇな、こんな映画どこが面白いんだよ」と思って録画予約した記憶があります。
男女が入れ替わっちゃうヤツだろ、ぐらいにしか思っていませんでした。

とある日、部活もなく高校から早く帰った日、家には誰もいなくて、用事もなく暇でした。で、映画でも観るかな、と録画した『転校生』を観たのです。薄暗いリビング。映画が始まりました。
冒頭の10分で、私の人生が一変します。
〜ある日学校に転校生がやってくる。それが幼馴染の女の子。思い出話をしながら一緒に下校していると辿り着く神社。そして二人が階段から転げ落ち、男女が入れ替わってることに気がつかずに別れ、ボーッと踏切を待つ主演の小林聡美さん。その前を電車が横切ります。電車が通過後に主演が歩き出すのです。〜
このシーンです。電車が通過して歩き出すシーンです。
カメラは踏切向こうから撮影してまして、通過する電車の奥に主演女優が立っています。この電車が通過していく時に、冒頭からずっとモノクロだったのが、電車通過とともにジワーッとカラーになっていくのです。
このシーンを観た瞬間、姿勢を乗り出すように、TVを食い入るように見て、私は『映画って面白いな、撮ってみたいな』と思ったのです。
そして、この映画『転校生』との出会いがあってから、映像を作る、ということに興味を持ったのが始まりです。

それからは、映画を観まくりました。
雑誌ぴあを買って、一日に何本観れるか、みたいな映画ハシゴをよくやってました。そして大学生になって、映画館でアルバイトしていました。楽しかったなぁ。プリントチェックと言って、封切り前に上映テストをするんですが、バイトも観させてくれたんですね。あと社員さんに映画館のチケットを貰って、色んな映画を観ました。映画館が指定席じゃなかった時代。映画観まくってたなぁ。

話が変わりますが、地元の高円寺にも映画館があったんです。
私が子どもの頃はポルノ映画専門でしたから行ったことはありませんが。
映画館の前を通る時はいつも親が手を強く引っ張ったのを覚えています。
じゃぁ通るなよ!と思いながらも、親が見せないようにしていた反動でとても興味を持って看板を見ていました。ジックリと。
そして、隣の中野にも、中野武蔵野館がありました。一番通っていた映画館だと思います。新しい映画が始まると必ず。つまらない映画をたくさん観ました。青春です。

そんな映画との付き合いがありました。
大学卒業後は映像制作会社に就職しました。まずはCMプロダクション。
なんで映画の世界に行かなかったのか?なんででしょう?たぶん度胸がなかったんだと思います。ボロ雑巾の様に扱われて給料が安いって聞いてビビったんだと思います。
なので初任給の良いCMプロダクションを選んだんだと思います。
もう映像を作れる仕事をしている、っていうだけで毎日が楽しかった記憶があります。ウヒョー!ウヒャー!って。仕事を覚えていくと面白みが増しましたし、編集とか撮影とか、どんなにキツくても、眠くても、毎日何かに感動していました。
そしてそのCMプロダクションが倒産しまして、3年間ほどフリーでプラプラしていました。そんな時に出会ったのが、ドキュメンタリーです。

『ガイアシンフォニー 地球交響曲』という映画を観たのは大学3年生の頃。タイトルからすると宗教っぽい感が漂っていますが、人物ドキュメンタリーです。
そしてこの映画をつくる会社がオンザロードというドキュメンタリー制作会社です。私はこの会社に就職してドキュメンタリーの真髄をいっぱい学びました。
今度、ドキュメンタリーの作り方をnoteに書こうと思います。
私のドキュメンタリーの作り方(オンザロードの作り方)というのは、とても独特で、おそらくこの会社でしか習得できないものだと思いますので、自分の頭の整理の意味も含めまして。そのnoteは面白いはずです。

話を元に戻します。
そんなこんなで、今があります。
そして私には夢があります。

『高円寺にミニシアターを開館させたい』

そのミニシアターのオーナーをやりながら併設のカフェでコーヒーを入れ、スパイスカレーを作る。そんな日々の中でシナリオを書いては自主映画を作っていく。そして高円寺映画祭を主催して自由気ままに映画と付き合っていく。
そんな妄想をいつもしてます。
この妄想を何度もカミさんに語ってますが「映画館はちょっと、、」と言われてしまいます。
宝くじでも当たればポンッとできるのになぁ。

新型コロナの影響で映画館も自粛することになり「#ミニシアターエイド」「#savethecinema」などが立ち上がりました。本当に心からミニシアターが無くならないでほしいと思っています。

写真は、東宝スタジオのダビングルームです。映画館並みの大きなスクリーンがあり、映画館並みの音響システムがあります。新しくなったばかりだったので、スタッフからは「日本一のダビングルームだよ」と言われ、ここでダビング作業が出来たことがとても良い経験になりました。短編映画だったので、次は長編映画でこのダビングルームに戻ってこれるように頑張っていきたいと思います。

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