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聖ニコラウスの日に考える「サンタクロースの白い袋の中身」

12月6日は聖ニコラウスの日、つまり日本ではサンタクロースとして慣れ親しまれる聖人の命日が本日である。 聖ニコラウスは子供、商売、恋人の守護を司る聖人。日本のクリスマスは原点に近い祝祭だとモノの本で読んだことがある。 しかし日本ではクリスマスは12月24日、或いはその周辺の土日になる。

仏教ですら受け入れて独自変化させたのが日本である。そうした性質を考えれば、クリスマスを祝い、年越しに鐘を鳴らし、年明け元旦は神社に参るのも当然なのだ。 ゆえにクリスマスのサンタクロースは日本の妖怪である。それは日本のクリスマスの日にやってくるのだ。

サンタクロースと鞭打ち爺さん

そもそも、日本のサンタクロースは白い袋を掲げているが、アレの中身はプレゼントが詰まっているわけではないとの説がある。 本来はサンタクロースと共に現れる黒いサンタクロースとも呼ぶべき存在、鞭打ち爺さんが日本に渡った時に習合されて、袋になったのだ。

日本妖怪「サンタクロース」考

サンタクロースの役目は良い子にプレゼントを贈ること、だが鞭打ち爺さんの役目は悪い子に嫌なものを与えて袋の中に攫ってしまうことだ。 つまり、あの袋は本来は子供を攫う為のものである。サンタクロースに気を許してはいけない。悪童をサンタクロースは攫うのだ。その証拠があの袋だ。

よくよく考えれば、妖怪の中にはものをくれる妖怪はいる。産女、加牟波理入道、……あとはタンタンコロリン。 タンタンコロリンはともかくとして、ほかはある種の試練を超えた時に富を与えてくれる妖怪だ。 サンタクロースは「一年を通して善行を詰んだ子供にとみを与える妖怪」と解釈できないか。

そして、善行を積まず、悪行に耽った悪童を連れて行くのだ。殺しはせず、ゴミまみれになって翌日に家の前に捨てられるかなにかだったはず。 あの白い袋がある限り、サンタクロースには悪童を罰する権能と習性があるとみていい。

臭くすることで邪気を祓う

悪童を臭くする。これは嫌がらせではない。 節分に柊の枝の先に鰯の頭をつけて軒先に飾る風習がある。邪気払いの風習だ。邪鬼は悪臭を厭うので、臭くすることによって悪鬼を追い払う目的がある。 沖縄は宮古島の厄祓いの神パーントゥも臭い泥を塗って無病息災を祈願する。悪臭とは邪気払いなのだ。

サンタクロースのあの白い袋の中には悪臭を放つ邪気払いの泥が詰まっているのかもしれない。

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