垣根
根底はしっかりしていた
と、おもう
心臓がバクハツしそうなほどの危険な恋
あの子に俺は恋焦がれていた
ずっと ずっと 永い 永いあいだ 俺はあの子に惚れていた
いま思うとそれは不思議なことでは全くなくて
あの子のまわりには肉をまとった男がワンサカ
とうぜん俺のことなんか見向きもしないし、俺は空気のような存在
なんど思ったことだろう
なんど願ったことだろう
ああ
彼女をファックしたいってなんど叫んだことだろう
神さまお願いお願いお願い
この僕に体をください
とっておきの男の体であの子の体を抱きしめたい
彼女は僕には見向きもしないし
それは致し方のないことだった
自分でえらんだ人生だけど、こんなに辛い体験させられるくらいなら いっそ宇宙の闇をさすらっていた
はず 今ごろ
僕は君で君は僕
僕らのあいだには越えられない垣根があった
垣根の鍵を握っているのは君 でもそれは天界の階段を登らなくては手に入らない
僕らはそこで出会うんだ
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