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錬金術と医薬品

錬金術と医薬品についてまとめました。


ヨーロッパ

ヨーロッパの錬金術

ヨーロッパの錬金術のエリクサー(哲学者の石、賢者の石)を服用し中毒で亡くなった事例があります。

錬金術師パラケルススの医薬品

医学者で錬金術師でもあったパラケルスス(フォン・ホーエンハイム)は初めて金属を医薬品として使用しました。

パレケルススは錬金術を医学の分野に応用し、革新的な業績を残した錬金術師である。その意味では、ただの錬金術師とはかなり違っている。

 パラケルススもまた多くの錬金術師と同じように、☆鉛☆{なまり}や鉄などの☆卑金属☆{ひ/きん/ぞく}を黄金に変えることは可能だと考えていた。しかし、彼にとって、それは錬金術の主要な目的ではなかった。パラケルススは錬金術によって、鉱物から病気の治療に役立つ優れた医薬品を作り出そうとした。つまり、今日の“医療化学”と呼ばれるものを始めたのだ。

http://flamboyant.jp/alchemy/alch15/alchemy015.html

インド

インド錬金術

インドも錬金術が盛んでした。

インドのアーユルヴェーダ

インドの伝統医学アーユルヴェーダにも錬金術が取り入れられています。

インドでは、毒物をもうまく昇華させ、治療に用います。例えば水銀を使用することがありますが、これは若返り効果があるとされています。水銀は日本でも20年前くらい前に利尿作用が強いということで医者達が結構使っていました。インドではこれも使い方によっては有効としているわけです。水銀も無機水銀であれば中毒にはなりませんが、有機水銀や昇華していない水銀だと毒性があるというわけです。その毒性を消す方法を昇華法といいますが、毒性を昇華させて逆に有効性に変えるわけです。ただし、これはまだ科学的に証明されてはいません。

https://jafra.gr.jp/interview/interview20131018-5/

製品から高濃度の重金属が検出された。5製品全てから高濃度の鉛が検出され、2製品(Brahmi Vati Buddhivardhak及びBruhat Vata Chintamani Rasa)からは、高濃度の水銀及びヒ素も検出された。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04370970110

中国

中国の煉丹術

唐の皇帝は歴代丹薬を服用し水銀中毒で亡くなっていました。

中国伝統薬

医薬品の書「本草書」にも煉丹術が混ざり合っているそうです。

『神農本草』→『神農本草経』→『唐本草(新修本草)』→『開宝本草』→『嘉祐本草』→『経史証類備急本草』→『本草網目』と続いて清代に移行するが、次第に生薬の種類は増え、また植物書に近いものも現れる。ここで注目すべきことは羽化登仙を夢見た神仙道家がこの派から輩出したことで、彼らは特に練「丹」術に凝り、赤色硫化第二水銀(丹・朱)と鉛丹(赤色酸化鉛)を混同したり、鐘乳石と生々乳(天然の二硫化砒素(鶏冠石・雄黄)を含んだ鉱物の昇化物)を混同し、薬害を多発させていたことで、その詳細は『医心方』大19,20巻に出ている

http://www.sagamikanpo.co.jp/chugokuigaku.html

本草書の中に書かれている効能中、どれが道家的な薬の使い方なのか、どれが医家的なのかが判らなくなってしまっている。ごちゃごちゃに混ざってしまっているという状況があります。

 そして明清時代になりますと、中国にも復古思想が芽生えてきます。ついで漢代のものは素晴らしいという考え方が出て来まして、人々は『神農本草経集注』あるいは『新修本草』などに書かれている効能・効果中の道家と医家の使い方の違い全く意識せず、ただありがたい、ありがたいといってごちゃごちゃにするのが始ってきます。

 私はかつて『神農本草経集注』を詳細に検討したことがあります。そこで陶弘景は、はっきりとこれは道家のもの、これは医家のものと区別して記載しています。『神農本草経集注』の陶弘景注を見ますと、道家の用いているものに関しましては「仙経」にこうある、と区別しております。一方、医家の使う薬の使い方に関しましては「俗方」にはこうある、と区別しております。あるタイプの薬物に関しましては道家は用いるけれども、医家は用いないというような記載を陶弘景はしております。

 一例に金屑があります。金箔のように金の削った粉だと思いますが、これを道家は液体化して服用する。実際にできるとは思いませんが(真柳補足:水銀を使った金アマルガムなら可能)、それによって体を金に変える。金は錆びない、腐敗しない、すなわち死なないというアイデアがありまして、道家は不老長寿の目的で金屑を使う。しかしながら医家に、これを使う人達はいない。なぜなら医家はこれに毒があるからだと考えている、という記載を陶弘景がしております。これに関しては道家と医家の考えは全く違うわけです。

本草の変遷
https://square.umin.ac.jp/mayanagi/paper03/zhengLec.html

中国伝統薬と漢方薬の違い

中国伝統薬と日本の漢方薬は違います。

英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)が、2013年に次の様な内容を発信しています。8月20日付けでは「一部の無認可の中国伝統薬の中に、鉛、水銀、砒素の危険な高レベル含有が判明」との警告を発信、また9月には「中国伝統薬に含まれる有毒物質を問題として来年から英国国内の販売を禁止」との発表がありました。中国国内の中薬薬局で販売されている中薬の一部に農薬の残留があることも指摘されています。

 しかしながら、これらが日本国内で報道される場合に、正確には「中国伝統薬(中薬)」とすべきところ、「漢方薬」という誤った表記による報道が見受けられます

https://www.qlife-kampo.jp/news/story3990.html

漢方薬の副作用

ちなみに漢方薬には副作用があります。

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