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アラビカ種とカネフォラ種とは?

昨今コンビニなどでもよく見るようになったこの「アラビカ種」。
コンビニコーヒーが大成した要因のひとつといっても過言ではないこのアラビカ種という品種について、またこれ次ぐ生産量を持ち飲用されている「カネフォラ種」について今回は記載していきます。

コーヒーは2つの品種に大別される

コーヒーという植物はアラビカ種とカネフォラ種の2つに大別されます。実際にはリベリカ種という品種あるのですが、生産量コーヒー生産量の1%にも満たず、ほとんど流通しないので、割愛させていただきます。

風味に関して

アラビカ種は世界各国で生産れている品種で、香り・酸味・コク・甘みにすぐれた品種です。一方カネフォラ種はコク・苦味に優れる一方で独特な香りがするため、このカネフォラ種100%で飲むと、なかなかパンチある味わいになります。これまでアラビカ種100%とカネフォラ種100%の比較試飲を500人ほど行いましたが、80%の人はアラビカ種のほうが飲みやすくて美味しい!という一方、20%はカネフォラ種のほうが『濃厚感と苦味があって好き!』という結果になりました。好みによるところもありますが、一般的にはアラビカ種のほうが受けいられやすい味わいだと思います。

カネフォラ種が選ばれない理由としては『香り』が最もの理由だと思います。人によってこの香りの表現方法は違うのですが、私の場合は

『コンクリート埋めてる工事現場の香り』
『おばあちゃんのタタミの匂い(麦っぽい)』
などと表現することが多いです。
私以外の人であったのは
『野球のグローブの匂い』
『雑草を煮出し時の匂い』(なにやってんの?)

などなどあまり良い表現をするかたは少なく、
こういった風味や香り特徴から、スーパーなどでカネフォラ種100%で
販売している商品は海外でしか見たことありませんし、
カフェ等で販売しているところもみたことがありません。

価格に関して

アラビカ種の方が価格高い品種で、生産国によりますが比較的価格の安いブラジル産のは汎用品が2020年時点で500円/キロ流通しているのに対して、カネフォラ種はこの価格の50%から70%ほどで流通しており、安価で流通しています。これはアラビカ種の方が栽培に適した条件が複数必要であり、さらに風味に特徴のあるものが多いからと思われます。アラビカ種はカネフォラ種に比べると、狭い温度帯・一定の雨量が必要・病害虫に弱い・収量が少ない等々、栽培が難しいのですが、カネフォラ種はアラビカ種に比べると風味で総合面では劣りますが、安定した栽培が可能です。

外観に関して

実はこの2種類は微妙に見た目が違うのです。
アラビカ種は平べったいカタチをしており、センターカットとよばれる真ん中の部分がまっすぐになっているものほとんどです。

アラビカ種(写真はブラジルNo.2)


一方カネフォラ種はコロコロした粒径のものが多く、アラビカ種に比べると肉厚なものが多いです。またセンターカットの部分が途中でキュッと絞られた様な形状をしているものが多くなる傾向にあります。

カネフォラ種


これであなたも明日からアラビカ種100%なのか、カネフォラ種を使用しているのか?を判別できるようになりました。ファミレス等でコーヒーの抽出機を見てください。機械上部にあるコーヒー豆を入れておく部分を見ると、どのような豆が使用されているのか判ります。ただし、コーヒーを淹れて席に戻った時に

『ここはカネフォラ種つかってんなぁ〜』などと言うのは
嫌われるのでヤメましょう笑
事実私はこの判別方法を知った時に嬉しそうにいちびって友達に説明していたのですが、『人が美味しいと思って飲んでいるものにケチつけるな』と怒られました。

用途について

これまでの話だけ見ると、カネフォラ種なんていらないじゃん!と思うかもしれませんが、カネフォラ種には『コク・苦味』といった風味、アラビカ種より『安価』というメリットがあるため、濃厚感が求められるアイスコーヒーや、エスプレッソ用のブレンドの一部として有用ですし、一部配合することで全体的な価格を抑えることができます。

現に、スーパー等販売されている商品はカネフォラ種が含まれているものも多いですし、アイスコーヒーに含まれていることも多いです。アラビカ種だけでは表現できない濃厚感や苦味・商品の買いやすさ(価格面)を実現するためにはカネフォラ種の存在は不可欠だと私は考えています。

まとめ

アラビカ種とカネフォラ種についお話させていただきました。
アラビカ種100%の商品は専門店にいけば購入できますが、カネフォラ種100%はなかなかお目にかかれないと思います。スーパーで販売されている商品で、裏面表記の使用生豆生産国名にベトナムやインドネシアが記載されている場合は、カネフォラ種が多く使用されている可能性があるので、ぜひお試しください。※インドネシアの場合は『アラビカ種のマンデリン』の場合もございますが、g1円を切るような商品であれば、カネフォラ種使用商品が大半です。

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